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奈良美智の立体作品を2点

「粘土を握ってグニュグニュしていたら、おもしろいカタチが出来てきた」と奈良美智さんが語っていました。アルミニウムやブロンズを素材に、こねた粘土をどんと拡大して、白くウレタン塗装を施した彫刻作品。ひとつ目は角川武蔵野ミュージアムの『Peace Head』。高さ約2.5mです。

ピースマークと PEACE の文字

2Fの角カフェに面して広がる水盤のなかには、頭だけの少女が穏やかな表情で佇んでいます。裏側から見ると、作品名が示すように「PEACE 」の文字とピースマークが穴で刻まれている。ここには挑戦的な眼をして社会をにらむかつての少女はいない。奈良さんも優しくなったのでしょうか。

中央広場に立つ奈良美智の作品

もう一体は麻布台ヒルズの中央広場にあります。森JPタワーの前に立つ高さ約7mの『東京の森の子』。髪の毛が針葉樹のカタチに高く伸びている。今は冬枯れの芝生が青々と色づき、植栽された木々も茂ってくると、その白い姿がいっそう映えると思います。まるで大都会のシンボルツリーのように。

麻布台ヒルズのシンボルツリー?

緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街をめざすという麻布台ヒルズ。目をつむり、うっすら微笑む森の子は、成長していくガーデンシティの行く末を、じっくり見守ってくれることでしょう。そんな女神さまのような大きな包容力を感じます。


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