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エフェクターにおけるハンドワイヤリングのメリット

ブティックペダル業界ではプリント基板を使用せず、

ハンドワイヤリングやポイントtoポイント結線で組まれた

回路をセールスポイントとする製品が見られます。

チューブスクリーマではハンドワイヤリング版の

TS808HWという製品も販売されていました。

エフェクターにおけるプリント基板とハンドワイヤリングの

メリット・デメリットを考えてみました。


<プリント基板のメリット>
 ・安定した品質
  配線長が均一のため個体差がない製品にすることが
  可能。

 ・コスト
  機械による部品実装が可能であり、製作の手間が
  かからず人件費削減、低コスト化が可能。

 ・耐久性
  レジスト塗布により配線の酸化による信号ラインの
  劣化を未然に防止でき、耐久性に優れている。

<プリント基板のデメリット>
 ・信号伝送のロス
  基板配線のインピーダンスや浮遊容量による信号伝送の
  ロスが音痩せを発生させる。


プリント基板では、ある程度の音の劣化には目を瞑り、

量産性とコストを優先したものと言えます。

これにより我々はエフェクターを数千円~で入手できます。


<ハンドワイヤリングのメリット>
 ・信号伝送ロスの低減
  配線の低インピーダンス化、浮遊容量の低減が可能で
  あり、信号伝送のロスを排除し、音痩せのないヌケの
  よいサウンドを実現できる。

<ハンドワイヤリングのメリット>
 ・不安定な品質
  配線長が均一でないため、個体差が発生しやすく、
  製品の当たり・はずれが出やすい。

 ・コスト
  手作業による製作が行われるため、人件費が増長し
  コストアップ~販売価格が高くなる。

 ・耐久性
  酸化によるダメージを受けやすく、ハンダクラックや
  断線、また配線のインピーダンス増長が発生し、製品の
  劣化が起きやすい。

ハンドワイヤリングによるものは音の良さが

期待できますが、製品が高価になってしまうこと、

またプリント基板品に比べ故障が発生しやすくなるという

欠点があります。


音質を考えるとハンドワイヤリングが

いいかもしれません。ただし、購入時の価格に納得が

いくものなのかはよく考えないといけません。

今後、人気エフェクターのハンドワイヤリング版を

作ろうかと思います。


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