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メルボルンの朝。


 メルボルンには幼少期の家族旅行、
高校2年にいった夏季短期留学、
大学2年の3月に母と元留学先のホストファミリーを訪れて、
27年間でもう3度も行った。
(シドニーも3回行っている。)



 そんなにたくさん食べていないけど
Fish&Chipsも美味しかった。


 フリンダースストリート駅も
何度も行ったと思うし、ホストファミリーとちょっとおしゃれなブランチもしたと思う。


 ホストファミリーの休みの日の過ごし方はとても優雅だった。
ちょっと遅い朝ごはんに出かけるときには、電車や歩いてお洒落なレストランみたいなところにきて、
そこで数時間ゆっくりご飯を食べながらお話しをした。


 全く英語の読み書きができなくなった、くらい何もできなくなった今より、発音も耳も悪くなった今より
ずっと英語が得意だった高校2年の私は、それでも、簡易な英語だけなのだけど、ホストファミリーとゆったりとお話をしたりお話を聞いたりしながらそんな優雅な時間を過ごしたのをなんとなく覚えている。



 それが、東京でもこんなに近くで簡易的に優雅な朝を体験できるなんて。知らなかった。


 多分、母に前にこんなカフェあるよ、と言われたと思うのだけど、
普段新しいところを開拓するわけでもなく、地元の駅につけば、ドトールかエクセルシオールか(ドトールのバリューカードが使えるから)、
もしくはほとんど直帰の私は、


いつも、友人たちに、
「自由が丘案内してよ」と言われても家からさほど遠くない自由が丘という地を案内できるほど開拓していなかった。



 先日、大学時代に就活でお世話になった1つ年上の方に、
自由が丘までいくからお話ししようよ、と言われて待ち合わせしたのは、


LATTE GRAPHICというお店だった。



 聞いたことはあるけど行ったことのない私はすこしばかり迷って待ち合わせ時間にすこし遅れて着いた。


 11時を過ぎた待ち合わせで
初めて入った私は、
おしゃれな店内、外で待っている人、メルボルンのお店であることを、席についてからようやく咀嚼し始めた。


  先に着いていた先輩はエッグベネディクトを食べていて、私はなんとなくお店の名前にもなっているし、
「Latte Graphic ラテグラフィック」を注文した。


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ホワイトコーヒーの定番と言えるのがラテ。ラテグラフィックはダブルエスプレッソで味、量ともに飲みごたえのあるコーヒーです。


 メニューの説明にそう書いてあった。


 先輩とお話をしながらで、
私はすごく仲のいい友人以外では、
あまり人と話しながら上手に量を
調整しながら飲むことができないので、


 案の定、ラテグラフィックが
届いて一口飲んであとは
近況報告をしていると
両手でカップを包み込んだままだった。


 先輩が食べているエッグベネディクトが美味しそうだなと思ったし、メニューを渡されたときに見えたアサイーボウルも好きでちょっと興味をそそられたし、オーストラリアなどでよく飲まれるエスプレッソとミルクとスチームミルクでつくるフラットホワイトも、美味しそうだったけれど、その日はラテグラフィックだけにした。


 お金もそんなにたくさんはないし。


 先輩と話し終わるといつも話し過ぎて、口の周りの筋肉が疲労する。


 先輩以上に話した気がして
ちょっと喋り過ぎてしまうな、
とその日も反省した。


たっぷり1時間話して、
でも午後からの仕事にはすこし時間があって、先輩を駅まで送った後私は、自由が丘をフラフラしていたけれど、


 次は朝11時までにきて、
モーニングのエッグベネディクトを
食べにいく!!


心に決めていた。



 そしてやっと、その日が来た。


 その日は、午後から仕事だけれど
朝8:30すぎに目覚めた。


 モーニングは11時までだから
だいたい10:30ころまでには入らないと、それなら9:50過ぎには家を出なきゃといった感じなのだがどうにも朝が苦手な私は、なかなかそんな日も訪れず、朝早く起きる日は、朝8:30〜仕事の日などでなかなかいけなかった。


 しかし、時はきた。


 前日は3:37に入眠したけれど、
セットしておいた
Sleep Meisterのアラームで
8:34に目覚め、その後セットしておいたiPhoneのアラームで8:40には起き上がった。


 朝早く起きられたな、なんて思って
朝のドリンクまで飲んだところでふと思い立つ。


 ー 今家を出られれば、モーニング間に合うんじゃないかな ー


 午後の仕事の準備なども終えて、私は10時過ぎに家を出た。


 午後から仕事のはずなのに急に出かけると言い出した娘に、母は驚いていたようだけれど、特に何も言わずに出てきた。


 前回先輩と待ち合わせたときは、
見たことがあるけど行ったことがないからと駅付近まで来て10分ちょっと迷子になってしまったけれど、
この間行ったばかりで今回は迷子にもならず、10:10くらいに入店する。


お店の中はすでに人が結構いて、
私も一組分待って並んだ。


 世の中の人は、こういうのも、
朝活、っていうのかしら。


early birdではなくて
night owl派のわたしには
縁遠い話だと思っていたし、
午前10時台は朝活じゃないんだろうけど、どちらにせよ、昼過ぎからしか活動しないわたしにも、時たまの朝の、計画的な大きな贅沢は、心地よかった。


 御目当てのエッグベネディクトを注文しようとして、ドリンクセットにするとドリンクが200円で済むことに気づく。


 残念ながらセットにラテグラフィックなどはなかったけれど、ドリンクセットにルイボスティーを見つけて、

 エッグベネディクトとルイボスティーのセットを頼んだ。

 普段は780円のエッグベネディクトが3〜6月だけ580円になっているらしく、+200円でドリンクをつけても
780円でエッグベネディクトと
ルイボスティーが頼めた。


 店員さんに、「この間、
エッグベネディクト時間外で食べられなかったから楽しみにしてたんです」と伝えると「そうなんですか〜♪」と返してくれた。


 贅沢なブランチにはちょうどいい値段。朝ごはんだけにするには高い気もするし、ランチだと思うなら安め。


 ブランチにはちょうど良かった。


 想像していたのはグラスで運ばれてくるだったけれど、注文してすぐルイボスティーが
ミニデキャンタでくる。


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 先程のお姉さんがわざわざケロッピの絵までつけてメッセージ付きのお手拭きをもってきてくれた。


既に別のお手拭きを開けていた私はそのまま鞄にしまう。


 

朝早く起きたら、
Happyな気持ちこんなに増えるんだなぁ



普段、全然飲み物を飲まない、
地元のお店だって全然知らないわたしが、朝早めに起きて、早めにわざわざ出かけて、ルイボスティーとエッグベネディクトを1人で楽しむ時間を作った。


ルイボスティーというのは少し癖があるけど、アイスだからなのかスッキリしていてとても飲みやすい。


朝の身体の重さに耐えきれない肩と腰に、お腹に染み渡ってゆく。


すこしお金がかかってもこういう時間がやっぱりわたしには定期的に必要みたいだ、


 高い洋服より、友人との飲みより、
ジムやフィットネスよりはこっちの時間の方が好き。一人で、ゆっくりと、その時のその時間を楽しむ。
時と場合によるけど。


 写真をとっていたらすぐに
待望のエッグベネディクトが運ばれてきた。



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贅沢な朝

と名付けるには十分な朝。


一息ついて、私はやっとお目当ての
エッグベネディクトと対峙した。


ナイフを入れると半熟の温泉卵から黄身がとろんと流れ出て、マスクをとると、ベーコンの芳醇な香りがすっと入ってくる。


割った黄身がとろんとながれて、マスタードソースと黄身とベーコンと切ったバケットをまとめて口にいれる。


鼻にすっとマスタードの香りが入って
それを黄身が包み込み、ベーコンの香ばしい香りが鼻に抜ける。


私、今とっても幸せ!!!!


メルボルンには3度も行ったけれど、
こういうのは食べなかった気がする。


けれど、確かに、メルボルンにいた時の朝ごはんは、日本の朝ごはんのバタバタとはかけ離れた、時間も考えず、
目の前のご飯や一緒に食べている人との会話を楽しんだり、そういうものだった。メルボルンの学校には遅刻概念がないのか、ホストマザーに学校に送ってもらうのに、私が先生にいわれていたHRの時間になってもゆっくり準備しているホストマザーに、毎日焦ったっけなぁ。。。



今日は、午後から仕事。


午後から仕事の日は、お昼前に起きて食パン1枚だけかじって、
飲み物だって薬用の水程度しか飲まない私だからこそ、たまのこんな贅沢は、いいものに思えた。


なにより、私一人の時間を作れたのがとても良かった。朝から混んでいるこのお店は2時間制だったけれど、朝ごはんをゆったり食べて、ちょっとぼーっとしたり、余韻を味わうには十分な時間だった。それにお腹いっぱいになった。


そういえば、
メルボルンのホストファミリーは
元気かしら。


今度は、オーストラリアで有名な
ホワイトフラットでも飲みに来よう。


東京住みも、もう16年半ほど経つけれど、16年半にしてやっと自分の贅沢をする時間を見つけられるなんて、思わなかったわ。


 また今度、贅沢できるお金と時間が貯まったら行こうかしら💓

#lattegraphic

#メルボルンの朝

#エッグベネディクト

#留学の思い出


 たっぷりボリューミーな
エッグベネディクトとルイボスティーで
ブランチに858円で
自分の幸せを買えるなら、
今日の私にとっては高くない。

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