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すべては細胞から

細胞についてのごく基本的な知識
病理学総論に入る前に、細胞の話をしましょう。とにかくすべては細胞から始まります。

細胞の中にはオルガネラ(細胞小器官)と呼ばれる様々な構造物があります。その働きをみていきましょう。

ミトコンドリア
糖と脂質の酸化によりATPを産生します。また、ミトコンドリアからのチトクロムcという物質の放出はアポトーシスの引き金となります。ミトコンドリアは核内のDNAとは異なるDNAを有し、そのDNAは必ず母親由来です。

小胞体・リボソーム
小胞体はタンパク質と脂質の合成の場です。タンパク質の合成に必要なリボソームという小さなオルガネラがくっついていることが多いです。また、臓器によっては、薬物代謝酵素を含んでいて、薬物を分解します。そういうわけで、薬物に有害物質が含まれている場合はその臓器に障害を及ぼすこととなります。さらに、カルシウムイオンの貯蔵庫としてもはたらきます。

ゴルジ装置
タンパク質を細胞外に輸送し、分泌に関係します。

リソソーム
細胞内の不要物、過剰産物、老化したオルガネラを分解します。


DNAの転写が行われます。核は核膜に包まれており、ところどころに核膜孔という穴が開いていて、外側と物質のやり取りを行います。また、核小体という構造が核内にあり、ここではリボソームRNAの合成とリボソームの組み立てが行われています。DNAは核内ではヒストンというタンパク質と複合体を形成し、その複合体はクロマチンと呼ばれます。ちなみに、病理診断では、核の形態を非常に重要視しますが、それとともに核小体の大きさやクロマチンの濃さにも注目して観察します。

細胞骨格
細胞を支持し安定化させるために必要です。微小管中間径フィラメントアクチン線維の3種類があります。中間径フィラメントには、ケラチン、ビメンチンといった色々な種類があり、これらは病理診断で極めて重要な役割を果たしますが、それはまたおいおい話をしますね。

まあ、この辺は中学や高校で勉強することが多いので、知っている方も多いかと思います。今後、折に触れてオルガネラの名前が出てくるかと思いますので、わからなくなったら参照してください。

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