君と僕の緊急事態宣言③4月27日

緊急事態宣言がでたといっても、仕事は仕事だ。というかむしろ仕事が多い。とてつもなく多い。出勤すると、決裁BOXに鬼のように書類がたまっていた。令和ぞ。なんだこの紙の量は。

令和ぞ、と何度か言いながら、本来社印をおすべきところに私の個人印を押したり割印を失敗したりして「ごめ~~ん書類もう一回だしてちょ~」などと言った。

大人になったら大人になれると思っていたが、そういうわけではない。52万と62万の足し算を間違えて104万と書いた稟議書が差し戻されたりもした。

あとは緊急事態宣言の対応に追われる。サービス業なので、あれこれ大変だ。18時から会議が入れられていて、ママさん社員のパイオニアとしてはこういうのに文句を言ったりすべきなんだろうけど、抗議するエネルギーも残っておらずやむなく会議に参加した。

朝食も昼食もとる時間なく、いそいで帰宅。夜は一人用の土鍋をコンロに2つ並べて、白菜、小松菜、鶏肉、豆腐、油揚げ、ネギをぐつぐつ煮た。私の鍋にはキムチを、娘の方には醤油とみりんの少し甘めの出汁を。

娘はそれにうどんを半玉。

夕食の片づけ、洗たく、お風呂、簡単な掃除、これだけであっという間に時間が過ぎる。筋トレとストレッチ。筋肉がついてもメンタルは特に回復せず、精神科医から増やされた薬をプロテインで飲み干した。

夜中に麒麟が来るの最終回を見た。最終回を観てしまうと麒麟が終わってしまうので寂しく、ずっとみられなかったが、ツイッターが渋沢栄一色に染まってきたので私も麒麟と決別せねば、と決意した次第。

ノッブの最期を見届けた。

どの時代にも、麒麟を待ち望み戦う人と、祈るだけの市井の人々がいた。私も祈るだけの村人Aだが、どうか静謐な世が。この国に、麒麟が来ますように。

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