君と僕の緊急事態宣言④4月28日

いつもの時間に起きて、いつものように出社。比較的電車はすいているような気もするが、肩がぶつかる距離。

フレックス制とはいえ、子育て社員はそれほど自由に出勤と退勤を決められるものではない。子供が学校に行くのを見届けて出勤し、留守番が許されるギリギリの時間に帰ってこなければならない。

時差出勤とはいえ、なかなか簡単にはいかないものだ。

会議と会議と会議。オンラインもオフラインも両方。それから契約書をいくつか起案。知財の出願書類も2つ起案した。

夕方、いつもの心療内科へ。連休前のせいか、いつもより混んでいる。コロナのせいで、結構メンタルにきている人も多いらしい。「商売繁盛ですね」「ハハハ、僕のほうがやみそうですよ」と医者は笑ったが目は全然笑っていなかった。

最近そわそわして焦ってしまう、脳内の言葉があふれそうになる、気が付いたら独り言を言ってしまう、などと相談した。「なかなかですなあ」と医者がまた笑った。

「まあ、コロナが落ち着いて、お子さんが大きくなって、自分のことをもう少し許してあげられるようになったら、症状も落ち着くでしょうね」

途方もないアドバイスだ。「自分のことをもう少し許してあげられるようになる」なんて、本当にいつになったらできるんだ。難題。

また少し薬の種類が増えた。

食欲がなく、炭酸水だけがぶがぶ飲んだ。娘にはコンビニで買ったお惣菜と味噌汁と冷凍のごはん。「ママのごはんは世界一だ~」などと言いながらペロリと食べた。セブン&アイホールディングスに育てられしわが娘。

友達たちと「恋人とセフレの違い」という20代前半みたいなトークテーマでズームお茶会。「誰かに紹介できるのが恋人で、隠されるのがセフレでしょうね」。画面の向こう、一人の男友達の後ろを、ジェラピケを着た白い足が通りすぎて、紹介されていないから後者かしらと問うたら、否定も肯定もしなかった。後者でしょうか。どちらでもいいけど。

友達がやっているバンドの動画を観て就寝。目を閉じたら白い足がまぶたの奥に浮かんできた。彼女は何を思ったのだろう。

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