「月不見月」犯行声明

私たちがやりました。

皆さま、ごきげんよう。ぱすてろいどです。

沈黙P様の「月不見月(つきみずづき)」という楽曲のリリースから、間も無く1周年です!

アートワークの制作は、僭越ながら私ぱすてろいどが担当させていただきました! まずはしのごの言わずに楽曲を聞いてください!

制作にあたっては、ありがたいことに皆さまより一足先に楽曲を聴取させてもらって、そこから構想しています。それをそのまま解説するとなると、もうただのネタバレみたいになってしまいますので、極力ネタバレにならないような話をお伝えします。

身も蓋もないことを言ってしまうと、こんな記事を読むよりも、楽曲を聞いていただいて、ense_inc 様の作品をご覧いただくことを、私としては全力でおすすめします。

ちなみに沈黙Pさんことえんせさんも声明文を出されているので、そちらもぜひ御覧ください!

ご依頼をいただいた経緯

まずはソングライターの沈黙Pさんについてご紹介しましょう。

私の親友であり、共犯者であり、画家であるえんせ(ense_inc)さんという方がいらっしゃるのですが、えんせさんが音楽制作をされる際に用いられている名義が「沈黙P」さんになります。

もともと、一方的に私がえんせさんのファンだったんですけど、コメントやメールのやりとりをしているうちにお友達になって、そして共同制作させていただけることになりました。

私は、画像の編集とかお絵かきはお遊びでやっている程度で、こちらから制作の営業をしたり、ましてや人様からご依頼をいただくなんて、考えたこともなかったんです。だから今回こうして声を掛けていただいて、ファンとしてフォローしている方の作品に携わるという貴重な経験ができ、本当によかったと思いました。これは決まり文句ではなく紛れもない本心です。

ちなみに、当記事のタイトルが「犯行声明」なのは、えんせさんの掲げる「一瞬で見た人の心を突き刺す、通り魔のような作品を作る」という創作ポリシーを継承しているからです。「共犯者」と名乗っているのも同様の理由からですね。ちょっと物騒な比喩ですが、おそらく日常でのえんせさんは法に触れるどころか、軽いルール違反すら一切なさらないとても清らかな心の方だと私は思います。コンビニで買い物せずトイレだけ使ったり、スーパーのサッカー台にある薄い袋をちょっと多めに貰って帰ったりしちゃうどっかのぱすてろいどと違って。

そしてこちらはえんせさんの公式サイト、もといバーチャル美術館へのリンクです。「生と死」や「創作行為」などをテーマにしたシリアスなアート作品や、ほのぼのタッチのコメディ漫画、そしてジャンルに縛られないメロディックな数々の楽曲など、幅広く素敵な作品が目白押しです。さいきんは画家さんとして開業され、絵画制作をされています。

と、軽くご紹介しただけで、この方がもう只者ではないことが伝わったと思います。実際に知れば知るほど興味深い方です。何をどこまで書いてよいか細かく事前確認を取ったわけではないので、ご紹介はこのあたりにしておきますが、まだ知らない方は一刻も早くチェックしないと、きっと時代に取り残されると思いますよ。

実際の制作にあたって

さて、月不見月の話に戻しましょう。実際の制作については、画像形式やサイズなどの事務的な要件を別に、全て自由に任せてくださいました。

音楽作品のジャケットは、楽曲を聴く前に、一番初めに入ってくる情報ですから、とても重要な要素です。個人的な経験則として、ジャケットにビビッと来て聞いてみた曲って、結構ハマることが多いんですが、それを一任していただけたことがとても嬉しかったです。えんせさんからしたら、どんなものが出来上がってくるかわからないわけですから、ある意味賭けだったとも言えますが、そんなことには動じず「自由にやってね!」と言ってくださった堂々たる姿に、まずファンとして感動しました

今回はアウトソーシングではなくコラボレーションという形でお話しをいただきまして、そういった理由もあり、本当に忖度などなく、私の感じたままの楽曲の印象を表現しました。

ここからちょっと情けない話です。アートワークの納期は、8月31日までにということで、連絡をいただいていました。ただ、月不見月という言葉は陰暦に由来していて、その関係で8月7日までにリリースしたいと思い(理由は後述)、勝手に納期を早めるつもりでいたのですが、思うように制作が進まず断念。さすがに31日までには完成できるはず、と思っていたにも関わらず、31日の深夜にようやく最終調整が終わってギリギリどころか滑り込みセーフの納品になってしまいました。

毎年なんだかんだで、9月半ばくらいまでは夏日がある気がするので、大丈夫かなと思っていたんですが、当年は9月に入った途端に涼しい通り越して肌寒くなってしまって、遺憾の意を禁じ得ない所存でした。

作品について

では、作品についてネタバレにならない程度に、作品の説明や、制作に際して調べたことなどを書いていきます。

アートワークは、ご覧の通り月をテーマにして構想しました。曲の印象をシンプルに伝えられるもの、そして鮮やかで目を引くようなものにしたいと考えました。詞の中にはたくさん印象的なワードが散りばめられていて、構想段階で何のモチーフをどう含めるかかなり迷いました。とはいえ、アートワークとしての特性上使えるスペースは限られますし、かつ音楽プレイヤーなどでは縮小表示されることもあります。そこに、何でもかんでもパチパチに詰め込んでしまっては、コンセプトも何もよく分からないものになってしまうだろうということで、かなり対象を厳選しました。偉そうに語っていますが私はド素人です。

月の画像は、NASA が公開しているフリー写真を加工して使いました。手は実際の私の手を撮影して、それをトレースしたものになります。丸電球は、手近に実物がなかったので、頭が丸いペットボトルを逆さに持つことで再現しました。

冒頭の紹介で書いたとおり、楽曲のタイトルは「月不見月」なんですが、お恥ずかしながら初めは言葉の意味が分からなかったんですね。調べたところ、月不見月とは陰暦の5月を意味していて、グレゴリオ暦(現行の暦法)でいうとだいたい5月下旬から7月上旬のどこかの1か月間(2021年のグレゴリオ暦では6月10日から7月9日)なのだそうです。この時期は梅雨時でいつも月が見えないから「月不見月」という呼び方ができたということです。わかりやすいですし、風流で素敵な呼び方ですよね。

私なりにいろいろと調べてみたのですが、陰暦では7月になるともう秋の始まりらしいです。それで、「旧暦が夏の間にリリースできたら風流だよね!」と、少し前に書いたように陰暦の6月(2021年のグレゴリオ暦では8月7日が末日)までに完成させるつもりで、一人で突っ走っていたというわけです。…結果としては、当初の納期にすらギリギリになってしまったのですが。

以前、どこかで「音楽は占いのようなもの」だという考え方を見まして、とても印象に残っています。要するに、「聞く人が都合のいいように受け取って、共感したり、非日常を追体験したりする面白さ」ということだったのですが、それにならって当記事も「当たるも八卦」的な説明でとどめておきたいと思います。

裏の裏

ここからは、実は共犯者のえんせさんにもお伝えしていない、ある意味さらに裏のお話になります。お伝えしていない、というより、お伝えできなかったと言ったほうが正確かもしれませんが、ひととせの時を経てようやく白日の元に晒せるくらいには自然分解されてきました。

若干なんですけどね、心残りというか。「もっと上手くできたんじゃないか」みたいなことを考えてしまうことが何度かありました。

もちろん制作時点での最善は尽くしました。当初の納期が差し迫っている中で、完成を少し待ってもらうことも考えましたけれど、もっと時間を掛けてもよりよいものになる確信はなかったので、消去法的に期限を取りました。結局、提出できたのは最終日になってしまって、正式納品後には、ちゃんとレイヤーを整理した PSD ファイルをお渡しするつもりだったんですが、見直したら心残りの種が育ってしまうような気がして、結局開けませんでした。

とはいえ、「これよりよいものになる確信はない」という感覚は、1年経過した現在でも変わっていなくて、例え今リワークしたとしても見違えるような変化はないと思います。えんせさんにも喜んでいただけましたし、私自身も実力を十分出し切ったという実感はありましたので、いつまでも気にしているのはナンセンスだとは理解しています。まあそう思ってしまうくらい、楽曲が素晴らしくて圧倒されたということですよ!

編集後記

忘れていたわけではないんです。ただ、タイミングを逃し続けた結果、ここまで来てしまいました。

時間が経つと、このことも書きたいとか、逆にこれは書かなくていいんじゃないかとか、内容もブレますね。先日えんせさんのほうでも声明文を出されていたので、今しかないだろうということで、このタイミングで公開することにしました。

そして先月、月不見月との繋がりを思わせる新曲が公開されました! こちらはガラッと雰囲気が変わりまして、夏らしい爽やかさと切なさを感じるロックです。ぜひ聞いてみてください!

我々の共犯関係は今後も続いてまいりますので、くれぐれも通り魔とサボり魔には気を付けてお過ごしください。

To be continued.