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レクチャー5:利回りの計算

1.利回りの計算の基本的な考え方

最後は利回りの計算、つまり利率がいくらになるかの計算です。
例によってやさしく表現した例題で考えてみましょう。

【例題6】
あなたが貸した100万円が1年後に110万円になって返ってくるとします。利回りはどれくらいになるでしょうか?

図で示してみると、イメージ図1と全く同じです。

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では、この図から考えてみます。
「元金100万円に(100%+?%)を掛けて、元利合計110万円」、この例題では?%の部分が知りたいわけですね。ひとまず順番に数字を当てはめてみましょう。

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ここまでは大丈夫でしょう。
期間1年の利回りの計算はシンプルですね。


2.年平均利回りの計算

先程の利回りの計算を今度はもっと長い期間でも考えてみましょう。
ここで出てくるのが「年平均利回り」という概念です。これは、複利利率での計算結果を単利利率に換算して表すというものです。
ぱっと読んで頭に「?」が浮かんだかもしれませんが、大丈夫です。単利と複利の定義を思い出してみましょう。

・単利…当初の元本に対してだけ利息がつく
・複利…当初の元本と、元本についた利息に対してさらに利息がつく

同じ金額、同じ期間だと、単利よりも複利が有利でしたよね。これは、単利だと、当初の元本に対して利息がつくだけなのに対して、複利だと、利息に利息がつくからでした。
年平均利回りというのは、複利の計算結果を、単利で再現するとどれくらいの利回りになるか、を示したものなのです。

例によってやさしく表現した例題で考えてみましょう。

【例題7】
3年前にあなたが10%複利で貸した100万円が133万円になって返ってきました。年平均利回りはいくらになるでしょうか。

図で示してみると、こうなります。

画像3

3年前に貸した金額は100万円、返ってきた金額は133万円。実際には複利で貸しましたが、単利で貸していたとすると…

年平均利回り×元金×期間=元利合計―元金
元本100万円×?%×3年=133万円-100万円
式を変形させて…

  ?% =(133万円-100万円)÷3年÷元本100万円
  ?% =33万円÷3年÷元本100万円
  ?% =0.11

…と計算することになります。
例題7の計算結果は、年平均利回り11%となりました。

実はこの問題、例題2の条件について年平均利回りを計算したものです。
例題2の条件は、3年の複利利回りで10%でしたね。
というわけで、3年の複利で10%は、年平均利回り11%となります。

ここから導ける公式はこうなります。

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公式①を式変形すると公式②になります。試験対策上、公式①②両方覚えておく方が良いです。


改めて、例題7を公式をつかって計算してみましょう。

【例題7】
3年前にあなたが10%複利で貸した100万円が133万円になって返ってきました。年平均利回りはいくらになるでしょうか。

元本は100万円、利率は10%、年数は3年なので…
公式②に当てはめてみると…

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年平均利回りの計算、いかがだったでしょうか。
公式を使えばすぐに解けてしまいますね。

最後に演習問題を解いて、レクチャー5はおしまいです。
お疲れ様でした。

公式①と公式②の関係が気になるという人は、以下の(参考)を読んでみてください。

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