お客さ~ん、勝たれちゃ困るんですよ~~💦 FX業者の裏側

今日のテーマは、
「あなたがトレードした時、FX業者はなにをしているのか?」です。
呑む、流す、マリーする。
あなたがトレードした「その裏」でFX業者は何をしているのか?


インターネットの発達によってトレーダーは自宅にいながらFXトレードができるようになりました。あなたがパソコン画面でドル円を買ったり売ったりするとします。
すると、「その裏」であるFX業者側ではいったい何が起こっているでしょうか?
ちょっとマニアックな話ですが、「トレードした時、FX業者は何してるのか?
という部分に切り込んでいこうと思います。
※レバレッジを勘案するとややこしいので、レバレッジ=1.0倍で話を進めていきますね。


さてさて、例えばAさんがMT4の画面で『1.0ロットのドル円・買い』の注文を出したとします。
するとFX業者側には「Aから1ロットのドル円買いが入ったぞ」というのがディーリング部門に入ります。
ディーリング部門とは、顧客からのトレード注文をさばく部門です。
Aさんから『ドル円買い』が入って、ドル円がそのまま上昇してしまったら
Aさんは当然の事ながら儲かりますよね?
Aさんが1ロットのドル円買いを持ってたなら100pipsのドル円の上昇で10万円儲かります。AさんがFX業者に30万円を証拠金として入れてたとすれば、その口座残高は40万円になる訳です。
これを「FX業者側」から見てみます。
FX業者から見れば、Aさんから10万円勝ってしまえば、30万円しか入金してもらってないのに、40万円を出金する羽目になってしまいます。
FX業者側で「なにもしていなければ」FX業者としては「10万円の損失」です。FX業者から見れば「リスク」ですよね。
ですのでFX業者は客からの注文を「カバー先」に流します。
カバー先とは、FX業者からの為替注文を受ける金融機関です。
Aさんから『ドル円買い』の注文が入ってもそれをそのままカバー先に流せば、FX業者としてのリスクはゼロになります。
FX業者という立場で見れば、Aさんの注文を金融機関に流しているだけだからです。Aさんが勝とうが負けようが関係ありません。
この、お客さんから入った注文をそのままカバー先(金融機関)に出すことを「流す」と言います。
しかしですね。お客さんって負けるんですよ。
Aさんが『1ロットのドル円買い』を入れてその後、ドル円が下がってしまえば、Aさんは10万円の損失です。
30万円をFX口座に入れていたとすれば10万円の負けによって口座残高はAさんの残高は20万円になります。
さて、ここで問題です。
さっきの事例でFX業者はAさんの注文をカバー先に流しましたが、
もし、流さなかったらどうなるでしょう?
Aさんからの「ドル円買い」の注文をFX業者で受け止めてしまい、
お客が負ければFX業者が勝つ状態です。
すると、FX業者から見れば、お客さんが勝手にお金を入れてくれて
疑似トレードで勝手に負けて、FX業者の資産が増える状態になります。
FX業者としてはウハウハの状態です。
投資家から入った売買注文を
カバー先に流さずにFX業者で受ける事を「呑む」と言います。
FX業者がお客さんの注文を呑む場合、お客さんが勝てばFX業者の損失になりますがお客さんが負ければFX業者の利益になるのです。

FX業者の本来的な役割は、注文をカバー先に流す「仲介業的」という位置づけでスプレッドという名の手数料で儲けています。
しかし、お客さんからの注文によってはそれを呑み、客の負けを業者の勝ちにして利益を大きくすべく、FX業者には「ディーリング部門」があります。
普段は意識する必要はありませんが、
あなたがトレードするその「裏」でFX業者は「流す」「呑む」のディーリングを行っているのです。
せっかくの機会なので流す/呑む以外の「もう一つ」のお話しもしておきます。

「マリー」と言う手法です。
雑学程度に覚えておきましょう。
たとえば、Aさんから5ロットの「ドル円買い」が入り、Bさんから3ロットの「ドル円売り」が入った場合。
Aさんの注文もBさんの注文も流すとすれば、
FX業者→カバー先へ「5ロット・ドル円買い」
FX業者→カバー先へ「3ロット・ドル円売り」
となります。
しかし、5ロットのドル円買い注文と3ロットのドル円売り注文が入ってるならば、合算すれば「2ロットのドル円買い」です。
このように、
客同士の注文をぶつけて相殺していく手法を業界用語で「マリー」といいます。
一見、ただ注文をぶつけて相殺するだけですがこの「マリー」にはメリットがあります。
それは、カバー先に出す注文を少なくすることで、「FX業者→カバー先への支払い手数料」を少なくする事ができるという点です。
AさんからFX業者に入った5ロットの注文をそのままカバー先に流すとすれば5ロット分の手数料を支払う必要があります。
FX業者→カバー先への支払い手数料です。
しかし、入ってくる注文同士を相殺し、カバー先へ流す注文を2ロットに抑えればFX業者が支払う手数料はコストカットできます。
FX業者の観点からみて、「マリー」は手数料コストを削減するためのディーリング手法の一つなのです。
もっと深い部分をお話すると、
USD/JPY、GBP/USD、EUR/USD、CHF/EURという注文がそれぞれ入った場合、USD,JPY,GBP,EUR,CHFという感じで分解して細かく相殺するディーリング手法もあります。
「マリー」は基本的なディーリング手法の一つですが、FX業者のディーリングルームは、このようなディーリング手法を組み合わせることで自社の利益を最大化する努力をしているのです。
今日は「FX業者側の視点」でお話をさせていただきました。


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