面白いと思ったキャラについて~コードギアス

ロイド・アスプルンド

マッドサイエンティストなのか否か

コードギアス序盤のロイド印象は、ナイトメアの性能を嬉々と語っていたり、スザクのことパーツとか呼んだりしていることからマッドサイエンティストという印象を受けた。

しかし、部下が悩んでることに対して助言したり、他の人が中々拍手をしない中で自分から拍手して祝うなど、人の感情を軽んじているわけではないらしい。シナリオの後半では、フレイヤの扱いについての一線を越える点は理解していつつも、科学者として科学技術を進めつつも人の感情(倫理)と科学についてを遠回しに助言している。

・・・あれ?マッドではないんじゃね?(`・ω・´)いやでも、戦闘面でやばいものいっぱい作ってるし、それを楽しんでる感じでもあるしなぁ。でもそれは科学者としての仕事であって、でもそれにしては愉快すぎるような・・・うーん。

他のマッドサイエンティストキャラと違うのは「自分を異常だと認識したうえで自分のやりたいようにやりつつも、常識や倫理を軽んじているわけではない」という点が大きいと思う(とはいえ並のキャラよりも常識や倫理もあるわけではないとは思うが…いやでも、ブリタニアの貴族にしてはむしろ倫理観高い方か?)

でも、持ち出された婚約話に機体の研究目当てでのっかったり、スザクのトラウマを面白半分で引き出そうとしたり、安全装置がまだない機体に乗せたり、いい人なのか危ない人なのか分からなくなったりする。

個人的な結論としては、マッド7:科学者3くらいの立場だと思う。常識や倫理観は最低限ありつつ本人の科学者としての哲学があるマッドサイエンティスとというか。

「それはそもそもマッドサイエンティストではないんじゃねーか」となるけど、でもロイドは変わった科学者でおさまるような感じではない、なんとも言えないバランスの性格を持っているのが、このキャラ特有の魅力なのだと
思う。

ロイドとラクシャータ

ライバル?のラクシャータに研究倫理的な部分ですれ違いを感じさせるような描写もあり、ロイド、セシル、ラクシャータの関係もまたそれぞれの研究に対する立ち位置が違っていて互いに役割が引き立つ関係になっている。

ラクシャータは乗る機体の安全面などを語りつつ強い性能を求める描写があるのに対し、ロイドは安全装置はまだないけど、このパイロットと強い機体だから大丈夫と考えたり、危なさと利点を知った上でパイロット本人の意思を尊重するセシルという描写が、それぞれの研究倫理の違いを物語っていると思う。

しかし、戦場の勝敗を大きく変えているであろうこの3人が同時期?の大学の先輩後輩でまだ20代というのはやばいな。

総評

狂気と良識と非常識を持ち合わせているというか、なんとも面白いバランスで成り立ったキャラで話を見ていく中で、どんどん興味が湧いてくるキャラだった。

セシルとニーナ以外の技術者同士の会話シーンがほぼないので、組織内でどう思われているかはわからないけど(セシルがロイド似の顔をモグラ叩きで叩いている時の同僚の反応を見るに、積極的には関わりたくない変人みたいな扱いなのかもしれないが)

自分はこういう科学者キャラを見たことなかったので、非常に新鮮で面白かった。


ジェレミア・ゴットバルト(ジェレミア卿)

1話から登場してフェードアウトするも再登場してから評価がガラッと変わったキャラ。オレンジ君

ここで興味深いのは、よくあるような「主人公の信念に感銘を受けて改心して味方になった」というような立場でもないことや、根本的な性格や思想が変わったわけではないという点だ。

なのに「最序盤の小物的な立場から再登場後は終盤まで活躍し続ける忠臣」という立場に変わるキャラは珍しいと思う。

(1話2話辺りのレジスタンス狩りを嗜虐的にしている姿はキャラがぶれている気もするが、スザクの咄嗟の蹴りをガードできる運動が苦手なルルーシュのような微妙に初期は設定が固まり切ってなかったのかもしれない?)


戦闘面

自身の後悔が力と忠誠心になっているというのもドラマチック。ある意味序盤で小物っぽいところは、まだ迷いがあった故の弱さだったのかもしれない(そう考えるとかっこいい)

ゲームで例えると「一面ボスが途中で仲間になり、そこからラストステージまでずっと活躍するメンバー」という非常に美味しい立ち位置をもらっている。幽遊白書を見たことないので詳しくはわからないが、飛影に魅力を感じる人の気持ちと微妙に似ているかもしれない。

ラストステージでは「自分が機体を破壊されるところまで追い詰めた敵にギアスがかかっていることを見抜いて敵を助けてエンディング後には農園で共に収穫をしている」という、察しの良さと懐の深さを見せるという描写がされている。

もともとの機体操縦技術も高かったらしく、テクニカルな機体を操縦したり、改造人間なのを活かした身体能力や特殊能力も存分に発揮されているのも美味しい。生身の肉弾戦でも、恐らくスザクに並んで最高クラスであろう沙世子にも初見殺しではあるが勝利している(…改造人間だから生身ではないし反則みたいなもんだけど)

ギルフォードとジェレミアを見て

主君に忠誠を誓い戦うという点を見ていると、ギルフォードのことが頭に浮かんでくる。ギルフォードは騎士という言葉をそのまま体現したキャラで、自分的に割と好きな方のキャラだったりする。

ギルフォードとジェレミアを比較すると、自分的には、ジェレミアの方が信念と自我が強い感じがあるのが人間臭さがあっていいと思う。

戦闘方法の大胆さを見るに豪快さを持ちつつ、自分の立場に忠実な生真面目さの両方を持っているところも面白い。

戦闘描写を見るに戦闘中ギルフォードは常に主君の側で戦うという印象を受けたけど、ジェレミアは常にゼロの側にいるというわけでもなく(ルルーシュの作戦上は単独行動もあるので仕方ないが)主君のピンチには駆けつけるけど、基本はいち戦闘員として敵を倒して活躍するという、「主を守るギルフォードと主とともに戦うというジェレミア」の対比みたいなのを感じた。

総評

なんとも面白い立ち位置なのが個人的に気に入ったキャラの一人。序盤の小物な敵が、実はこんな事情があって~でなんか色々能力をくっつけられて中盤から頼れる忠臣になるとは思わなかった。

さっきも書いたが、心変わりして味方になったわけではないというのが重要なポイントだと思う。小物感あるやつが、心残りを吹っ切って強くなるというのが興味深く印象に残った。












この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?