免許合宿中、深夜日記。

免許合宿のために熱海に来てる。
自動車の運転免許が欲しくなったから。
最近ドライブに連れてってもらう機会が多くて、車の運転ができる人はかっこいいなと思ったし、好きな時に好きなところに行ける乗り物はなんて理想的で、今まで興味を持たなかったのがとても不思議。とはいうものの、免許を取得してペーパードライバーになる確率の方が高いとも思う。
身分証明書が必要なときに面倒くさかった事は何回かある。居酒屋の年齢確認でパスポートを出すとウケると思ってたんだけど、これは10回くらいやって、1回ややウケが発生しただけで、誰にもあまり突っ込まれなかった。

免許合宿は同い年のゲーム友達と来ている。ゲームで知り合った人間のほとんどをハンドルネームで呼び合うから、当然どこに行ってもそうする。けど、免許合宿で知り合った共通の知人の前だけでは、一応知っている本名で呼ぶ。
26歳にもなって免許合宿なんていうのは、珍しいだろうと思ってたけど、同じ日から同じプラン同じスケジュールで、もう1人同じ条件の知人ができた。26歳にもなって、免許合宿に来る物好きな男性がいるんだと思った。違うことといえば、その人は働いてる上に結婚もしていて、今は有給休暇を全て消化して来ているということくらい。
何のしがらみもない俺たちとはだいぶちがう。
これが26歳かあと思わされる。お世辞にも身長が高くない俺と同じくらいの背丈だった気がしたので、そこでだけ、なんとなく、なんとなくだけど嬉しくなったりした。

教習自体は結構波がある。前日褒められたと思ったら、次の日は違う人にとても怒られたりする。自動車学校は学校だけど、担任の先生はいない。毎回違う教官が助手席に座って、運転について教えてくれる。違うことを言われたり、昨日言われたことを意識して翌日挑んだら、また違うアドバイスをされる。なんて非効率なんだろうと思ったけど、状況に応じて臨機応変に対応する事のが大事だと思うのは、免許合宿にきて9日目くらいの昼。おじさんは思ったよりネチネチ攻めてくる、でもおじさん達も優しい時があるから、あんまり嫌いじゃない。嫌な時はあるけど。なんかこれ、数ヶ月付き合った恋人とかにに思う奴だわ。普段厳しい人ほど、優しい時が嬉しいよね。これを書いてるのは10日目の夜だけど、まあ順調なんじゃない?と思っている。運転は怖いけど、楽しい。お父さんも、お父さんのお兄さんも、おじいちゃんも、みんな車が好きだったから、俺も好きだと思う。いや、自信ないかも。よく考えたら性格は全然似てなかった。お父さんの20代の頃の写真見たら、顔だけすげー似てた。小さい頃からお母さん似だねえと言われてきたのに、あれって絶対適当言ってるよな。と思ったけど、自分も友達の赤ちゃんとかぼちぼち見かける機会になってきて「お父さん似だねえ」とか言ったりする。

今はホテル内のランドリーで、洗濯機を回してる。深夜の安いビジネスホテルで、ロビーに座って乾燥機が洋服を着れる状態にしてくれるのだけ待ってる。洗濯乾燥機が回り続ける音と、ホテルマンの作業音、製氷機の氷が崩れる音、あとは話しかけられた時に対応できるくらいのボリュームで聴いてる音楽。
時間がすごくゆっくりに感じる。
時間があっという間だった!って、楽しかった事をより強調してくれる素敵な表現だけど、時間がゆっくり進む事もポジティブな事だって思えたのは最近から。
昔アルバイトしてる時、退勤までの残り15分が無限の時間に感じた記憶が強い。学校の授業でも感じたな。そういう苦手なゆっくりが多かったから、ゆっくりは良くないものだと思ってた。最近は、インターネットを閉じて、こういう痛々しいくらいのポエムを綴ったりアニメや映画の感想をまとめるのが楽しい。あんまりゆっくりじゃないけど、言葉にすると自分はこれが好きなんだ!って改めて思える。自分の好きがはっきりしてると、日常生活でも迷うことが減る気がする。でも、迷ってる時間が楽しくて好き!って気づいちゃったから、あんまり解決してない。
あのホテルマンさんがもし、俺がこのロビーで洗濯物の仕上がりを待っているが故に受付で立たなくてはいけない状況なのだとしたらすごく申し訳なく思う。ネットカフェのアルバイトしてる時は、全く逆の立場で、早くどこかに行って欲しいと思ってた。

そういえば合宿で出来た同い年の知人は、俺の10倍くらい、友達ができていた。積極的に人に話しかけていて、本当に尊敬する。あれが自分の大学時代に出来ていたら、とさえ思う。でも、ホテルの1人暮らし生活が寂しすぎて家族?友達?の家から通うことにしたらしい。
俺は友達と一緒にこの合宿に来ているから、あんまりない感覚だったけど、1人なら寂しかったのかな。インターネットに友達がいるから、平気な気もする。すごい、インターネットの友達はどこでも通じ合えてなんて便利な世の中なんだろう!と思った。でも実際に歳月を重ねていくに連れて、インターネットの友達の方が簡単に離れていったり、自分が本当に困っていたら、実際に目の前にいる友達の方が何倍も責任感のある救出をしてくれそう。インターネットの友達も現実の友達も大事だし、片方の友達が極端に多かったとしても、インターネットの友達は現実の友達になりうるし、現実の友達もインターネットの友達になれるな、なんてことを思いました。

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