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恋しい日々


拝啓 
遠くの暑い暑い街にいるあなたはお元気ですか?
今日も自転車こいで電車に揺られて、あの素敵な笑顔で生活してるのかな?

今は7月30日、午後21時3分。今日はお休みだったので友達と素敵な池のある公園に行ってきました。
いつだったか2人であの池のボートのカップル達を馬鹿にしたけれど、乗ってみると案外楽しかったよ。
いつかもっと涼しい季節に2人で乗りたいな。あなたはひどく嫌がるだろうけど。
そういえば、ぶらぶら散歩しながら1人の友達がおもしろいことを言っていました。人はどれくらいの時間をかけて歳をとるのだろうかってね。
65歳から高齢者と言うんだから、単に年寄りになるには65年かかると言えばおしまいでしょう?
だけど、実際65歳になってからそれまでの人生を振り返るときには65年もかからないじゃないって、その友達は言ったの。

確かに、自分の脳の中でしか生きれないのなら、きっと数字で見るよりもずっと速く人生は通り過ぎてゆくのかもしれないね。
若さも人生もあっという間に行ってしまうなら、いっそ本当に自分が望むことをして、小さな幸せにも貪欲にならないとって気分になったよ。毎日をいつか来る明日のためにって犠牲にし続けることの愚かさを教えられた気がしたんだ。
とは言え、こんなちっぽけな私が大それたことなんてそうにないから自分なりに日々を恋しんで大切にしようって思う。
それにしても幸せってなんだろうね、難しいね。
でも、なぜだかわからないけど、幸せについて考えるとあなたの姿が浮かぶ。
きっと、いつか私が人生を振り返ろうって時に思い出すのはあなたとのつつましくも恋しい日々だと思う。
というより、そうであったらきっとそれが私の幸せだなと思ったの。

こんな恥ずかしいことを考えてる私にできることは、早くあなたの近くに、あなたの街に行くことかもね。
だから素敵に暮らしながら待っててくれたら嬉しい。

たまにダラダラしたり、たまに落ち込んだり、たまに今日みたいに恥ずかしいことを真剣に考えたり、たまにギクシャクしたり、たまに照れて嘘ついたり、たまにどうしようもなく会いたくなったりしながら、少しずつだけどあなたのところに向かっている。
と思う。
だからもう少しだけ待っててね。






あなえより、優しすぎる淫行員へ



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