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「アンナ ディレクターズカット版」美しさは罪なのか?

アンナ ディレクターズカット版」全8話。
2022年の最後に観た韓ドラとなります。
こちらアマプラで視聴できるのですが、横に「アンナ」の普通版が出てきます。これとは全く別物となります。
ドラマ放送の際に時間や何かの都合で配信会社のほうで、本来のドラマを監督の許可なくぶった切って編集しまくって配信したものだそうです。
監督が抗議して後に元の形で配信されたものが「ディレクターズカット版」となりますので、こちらを観てくださいね。
ちなみに私は普通版を観ていないので、すみません。後で飛ばし見してレビューを追加できたらいいなと思いますが、ほかに見たいものが山積みなので期待はせずに、、、。

些細な嘘から始まり全く別の人生を歩み始める女性のストーリー。

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地方の小さな町で育った一人娘のユミ(ペ・スジ)。勉強もよくできて、周囲からの自分を見る目を感じ取り、自身の美しさに気づいていている子供。決して裕福ではないけれど、両親に大切に育てられ、バレエを習わせてもらったりする中で、自然と小さなプライドが芽生えてきます。

高校生のときに教師との恋愛でトラブルとなり、高校卒業間際に追いやられるように1人でソウルの高校に転校。予備校に通うも割り切れない気持ちのまま一人ぼっちの都会での生活、勉強に身が入らず、志望校に不合格となってしまいます。
合格の知らせを楽しみに待っている両親にそのことを言い出せず、「合格した」と1つ目の嘘をついてしまい、そこから嘘を成立させるためのウソを、そしてまたそのウソを成立させるためのウソを、、、と嘘にまみれていく人生を送ることになります。

最初は些細な嘘なのに、それが大きな嘘になり、結局自分でも取り返しのつかない嘘にまで発展してしまって、もう後には戻れない。

美しさゆえ、意図せず悪女になってしまう女性。
嘘をつくのはいけないことだけれど、周りがそうさせてしまうのだから仕方ない。友達や先輩、同僚、彼女が美しいゆえに疑うことなく、彼女が何も言わないうちから、勝手に彼女の人物像をつくりあげてしまいます。
自然とそういう流れになってしまうんだから、わざわざ逆らう必要もないわけで、その事実をありがたく受け入れて利用しちゃう、典型的な詐欺師気質な女性なんですね。

このドラマは「美しい女性」であることが重要なので、ここにぺ・スジの美しさがばっちりはまっておりました。
ほとんど笑うシーンもなく、物憂げであるがゆえに人を惹きつける魅力がある。親しみやすい美しさなんですよね。
スタートアップ 夢の扉」のダルミとは全然違う印象で、やっぱり女優さんて怖い。どれが本物~?と思ってしまいます。

嘘をつくとその嘘を正当化するためにさらに嘘をつき続けなければならず、結局は行き詰ってしまうんじゃないか、だから嘘をついてはいけませんよということが世の教えだと思いますが、たとえ嘘がばれてもしらを切り通す覚悟があれば、全然オーケーじゃないのかと思えてしまうほど、美しさが勝っておりました。
美しいかったら何でも許せるんじゃない?それを悪女と呼ぶんでしょうか。

正直であれとはいいますが、美しいことが特権なんだったら、そういう人は嘘をついてもいいんじゃない?嘘がつけない人の負け惜しみじゃないかと思ったり。変に美しき不幸な女性、アンナを応援したくなりました。
歪んでますか?

作品自体はフランス映画のようなアンニュイな雰囲気で、韓国っぽくないつくり。
ラストがちょっとよく分からなかったのだけれど、鑑賞された皆さん、どうですか?

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