見出し画像

【病気(ツライ)の理解】

「病気」には2つの意味があるようです。
これを知ることで「ツライ」の理解が進むんじゃないかなぁ…と思ったのでまとめてみます。

1) diseaseという意味の病気

「病気」をあくまでも生物学的にとらえる概念。
一般的な病気の考え方ですし、病院に行くとこの視点で話をされると思います。
CMで「130を超えたら高血圧」というのは、この視点のセリフですね。

精神科は血圧のような明確な指標は無いのですが、この視点は根強いと思います。
例えば"気持ちの沈みが●週間続いたらうつ病の疑い"とか、"◯◯と××の症状があったら統合失調症の疑い"とか診断のための目安があり、それでもって状態を観察します。

2) illnessという意味の病気

「病気」を個人的な経験や価値観でとらえる概念。
"病気によってこんな困難がある"みたいな捉え方ですね。

例えば、うつ病により体力が削がれて思うように働けない状況があるとします。そのときうつ病に焦点を当てるのではなく、"うつ病があることで社会生活に制限を感じてつらい"ということにフォーカスし、その人が思う困難に向き合います。
精神科だけでなく、風邪や感染症、ガンや糖尿病等、疾患問わず持つ視点ですね。

病院でうまくコミュニケーションが取れない理由?

患者側と医療側で度々意見が食い違うのは、この価値観の違いがあるからではないかと思います。
例えば「どうしてもお腹が痛くて会社に行けない」と言っているときに「この薬しばらく飲んで」という話だけで終わってしまうこと、ありませんか。
これは、illness の訴えを disease で返されるために起こってますね。
患者を「話を聞いてくれなかった」というキモチにさせてしまいます。

医療で働いていると、こういう齟齬やっちゃうんですよね。ワタシもやったことがあります。反省反省、、
この視点の違いを抑えると、医療者も医療を受ける側も、伝えたいことを伝え合える関係性になれるのかなぁと思うのでした。

解決をめざすカウンセリングルームを開きたい
ぱれぱれ