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【精神科の分野で触れる世界を知ろうのnote*触法】

やっぱり誤解の多い精神科だと思うので、正しく知識を見てみたいと思います。
今日は、精神科的な疾患を有する人が犯罪を犯したときのシステムについて。


大変な犯罪をしたときに適用される法律2種

精神障害があり、犯罪行為をしてしまったときに、この2種類の法律が稼働します。

1)精神保健福祉法
2)医療観察法

2)は比較的新しい法律で、2005年に施行されました。
それまでは、どんな類の犯罪も1)で対応していたのですが、重大な犯罪をした人を集中的に治療するために2)が制定されたんですね。

どっちも似たような制度ですが、治療の”手厚さ”が違います。


法律を適用した際の入院治療
1)措置入院(精神保健福祉法)

精神障害があるために、人や自分に危害がありそうなときに適用されます。
●刃物や暴力などで人を傷つける、傷つけそう
●自分を傷つける、傷つけそう(自殺行為含む)
など。

あらかじめ指定を受けた病院で、一般的に入院した人たちと同じ環境で治療を受けます。
ぱれぱれも医療にいた頃は、この入院に対応しましたが、そんなにほいほいとできる入院ではありません。

都道府県知事の権限で入院をするシステムなので、入院も退院も厳格な手続きが必要です。


法律を適用した際の入院治療
2)医療観察法の入院

よく「責任能力の有無」がどうこうというセリフを耳にしませんか。
その判定に関わる法律というイメージでしょうか。

精神障害の影響で、大変危険なことをしたときに入院治療を行います。
●殺人や放火など人命に関わる犯罪を行う
●強盗、強姦などの重大犯罪を行う
など。

あらかじめ指定を受けた病院で、一般的に入院した人たちと別の環境で手厚い治療を受けます。
1)よりも重い犯罪であるため、医師や看護師、ソーシャルワーカーなどがつきっきりで治療・更生に臨みます。


精神障害はアブナイ?

「精神疾患のフリをして犯罪から逃れる」という設定を小説などで度々見かけますが、実際の現場でそんなに簡単にフリができるものなのかなぁ?

精神障害によって行動化してしまうことはゼロではありません。
ただ、ごくわずかな人のハナシですし、精神障害が無くても危険な行動をする人はいます。

精神障害による行動化は、見ていて切ない。
それを思うと、このようなシステムは必要時には頼みになると思います。
メディアでは扇情的に取り沙汰されることが多いと思いますが、精神障害が本当に危ないのか、落ち着いて改めて考えたいと思うのでした。

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