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【障害者雇用の“ハレーション”?】

現在の障害者雇用義務は、「43.5人に1人」
(民間企業2.3%)

つまり、従業員が44人いたらフルタイムでも短時間でも障害者を1人雇わなければいけないということ。
最近は、数字ばかりを管理し過ぎて、実態が追いついていない現状があるようなのです。

ABEMA



ハレーションって?

社会的には、何かの要因が周囲に影響を及ぼすことをハレーションと呼びます。
写真撮影で、光の加減によって被写体が白くぼけてしまうことから来ている言葉のようですね。

雇ったら終わり・ではないところが障害者雇用の根幹ですが、それが理解されず、既存の従業員らとのすれ違いなど方々に影響が出ているようです。


ハレーションの起こる理由

障害者雇用で行う「配慮」がどのようなものか、理解が深まっていないのかもしれません。

●“配慮”のやり方が分からず、対象者を過小評価してしまう

●対象者を極端に配慮する余り、“特別待遇”のようになり周囲の不満が募る

などの状況でしょうか。
前者では、対象者にとっては「どうでもいいシゴトばかり振られている」ような状況です。
企業にとっては「突然休まれても大丈夫なシゴト」とか「負荷の少ないシゴト(を割り振ろうと考えて行き過ぎる)」という考えがあるのかもしれない。

後者では、対象者の“できない”に全て付き合うことで、周囲からただのワガママに見える不公平感を覚える状況

いずれも、対象者を「特別」な人と見すぎることで陥りやすいと思います。


昔はやってた?

障害者雇用って、ようするに“多様性”の視点を持って一緒に暮らすことが必要な課題ですが、その視点は子どもの頃に自然と持っていたのではないかと思うんですよね。

例えば、こんな子と接したことありませんか。

●特別支援学級と通常クラスを掛け持ちしていたあの子

●調子良くおしゃべりで、よく注意されていたあの子

●休み時間に本ばかり読んで、周りから明らかに浮いていたあの子

●国語はからきしだけど、算数博士だったあの子

他のお友だちとは少しベクトルの違う子でも、一人の「個性」として付き合っていたのではないかと思うのです。普通に声かけたり、一緒に作業したり。相手のできないことがあれば手伝ったり。
障害者雇用も、感覚はこれに近いのではないかとイメージしています。

たしかに特殊な存在かもしれないけど、まずは一人の人として見ることができると、前述のような特別視によるハレーションは小さくなるのではないかと思います。


蛇足ながら小話〜メディアの見方

記事の中の一文にあった表現で、少し誤解を招くものがあったので取り上げてみます。

前職でのパワハラが原因で統合失調症になった男性

ちょっと危ない表現かな、と思うんですね。
「統合失調症の原因は職場にある」「ストレスが統合失調症の原因となる」などの誤解を招く言葉に聞こえます。

統合失調症は、言うなれば「脳」のはたらきに問題を来たすものですし、発症の明確な理由がわかっていないものです。
ですので、パワハラが「トリガー」にはなっても「原因」と断言するのは疑問かなぁ、と。
このような表現の齟齬もあるので、ネットやメディアを真っ向から鵜呑みにするのは少し危ないものと考えます。


歪みの少ない知識を取り入れながら、お互いに過ごしやすい障害者雇用を実現したいものだと思うのでした。


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