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【代理ミュンヒハウゼンの極端な例ですが…】

精神科が良くないフォーカスのされ方をするのは、こういう事件がいたずらに報道されるためでもあるのでしょうね。
ただ、相当にショッキングで信じられない内容ではあるのです…

NHK NEWS


ミュンヒハウゼンという名前の病気?

診断名 ミュンヒハウゼン
とは、言いません。

病気の診断名は国際的に付けて良い名前が決められていますが、その中にミュンヒハウゼンは無いんです。
ミュンヒハウゼンは、症状を表す一つの言葉というイメージでしょうか。

精神科で頻回に出会う印象をワタシは持っていないのですが、児童虐待の現場では珍しいものではないという話を聞きます。

今回の事件は代理ミュンヒハウゼンと疑われているということですね。
真実はわかりませんが、そういう前提で話を進めます。


ミュンヒハウゼンの特徴

人の注目を集めるために、体調不良を作り出します。
例えば、食べてはいけないものを食べて救急搬送されるとか。
そうすると、様々な人から心配されたり、医療スタッフから手厚く看護されたりしますよね。
その待遇に充足感を覚えます。

人から注目され認められるために、多くの人は勉強したり容姿を磨いたりしますが、体に悪影響のある不健康な方へ舵切りしてしまった状態がミュンヒハウゼンです。


自分ではない者に行う
代理ミュンヒハウゼン

ミュンヒハウゼンは、自分を不調にして人の目を集める状態です。
一方で、自分ではない何かを不調にして人の目を集める状態もあります。それが、

代理ミュンヒハウゼン

自分ではない何者かの不調を献身的に支える姿を人に見てもらうことで、自分の頑張りを認めてもらえた気分になりますし、同情してもらうことができます。

例えば、普段の子育ては当たり前過ぎて注目されない…でも自分の子が大病を患っているなどの希少な状況があると、周囲から応援される…
そのような発想から子の不調を作り上げるイメージでしょうか。


虐待の行為が「意図的」ではない

拳を振り上げる、ネグレクトをするなどの虐待は、どんな人が見ても認めることができます。
悪意があるものは顕在化しやすいためですね。

一方、代理ミュンヒハウゼンの場合、「子を守る行為」は心からの本意なので(動機は不純であっても)、養育状況に問題は認めにくいものですし、子どもも悪意に気付きにくいと思います。

だからこそ対処が難しいのだとは思いますが、命に関わる現場であるのが虐待現場。
こういう病理を説明できる人間は、何も医師だけではないので、外部講師を惜しみなく活用するなどしながら学ぶことも大切なのだろうなと感じました。


命は返ってこない

一度きりの人生という意味が、最近ようやくわかってきたのですが、この被害に遭った子どもたちは二度とこの世界を見ることはできませんし、大人になることもできないのだと感じます。
万が一、生まれ変わってやり直せたとしても、今の自分は返ってきませんよね。

それを考えると、こういう悲劇は二度と起こしたくないものだと思うのでした。

こちらでもミュンヒハウゼンのお話をしております^^

ぱれぱれのnoteより


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