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【交通機関障害者割引の遅れ?】

精神障害者向けの交通費配慮が後手に回っているというお話です。

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精神障害の交通費配慮

障害は、身体障害・知的障害・精神障害の3種があります。

障害のその3種の間で交通運賃の違いがある…これは思い当たることがたくさんあります。
医療で働いている頃、患者さんに同行して出かけることも多かったのですが、知的障害や身体障害者に比べると精神障害の割引は渋いものでした。

JRをはじめ、バスもタクシーも、軒並み配慮が無いんですね。
一部の私鉄や都営のみ、3障害の隔てなく整えてくれている印象でしょうか。


精神障害に交通の配慮は必要か

精神障害は、見た目は一般の人と変わらないことも珍しくないので、つい「できる」と見えがちかもしれないですね。
知的能力を高次に保っている人も少なくありません。

ところが、病気によって判断力が衰える、決断できない、記憶が曖昧などの問題が起こりえます。
そんな状態で一人外に出してしまっては交通事故など不測の事態に巻き込まれる心配がありますから、家族や、私たち関係者が付き添って外出します。

ですので、本人ならびに付き添い人への交通費の配慮は必要だと思うんですね。



収入を得る難しさ

多くの人は、働こうと思えば働けます。
正社員でも派遣でもアルバイトでもなんでも良いですが、自分の望みに合わせてシゴトや就労形態を選ぶことができます。

精神障害は、ところが、それが上手くいかないことも。

知的障害は、技能として難易度の高いものは難しいかもしれませんが、反復的な作業には能力が高く、ルーチン化すると休まず懸命に働けることが珍しくありません。
身体障害は、体の不自由はあるものの他者と同等に考え遂行する力があるので、労働力として重宝することも多いと思います。

精神障害の難しいところは、病気によって「継続」が心もとない点です。

雇用側としては、どんな力でもいいから、安定して長く勤めてもらいたいですよね。
精神障害はその点にウィークポイントを持ちますから、安定的に働けない=定期的に安心した収入が得られにくい特性があります。

交通費などの生活費が経済的な圧迫になりますよね。
この点からも、交通の配慮はあって良いのではないかと思っています。



何をもって障害と判断するかの難しさ

精神障害は、他方で、この判断の難しさがあります。

知的障害のようにIQテストで測れるものでもないですし、身体障害のように機能的に判断できるものでもありません。
医師によっても見立てが異なりますから、全国一元的に障害のラインを設けて配慮の対象にすることが難しいのかもしれません。

その難しさに付け入り、健康な人が恩恵を受けようと悪知恵を働かせることもあるのでしょう。

この視点で考えると、精神障害の交通費配慮が後手に回るのもやむを得ない面があるのかもしれませんが…各交通機関がちりぢりに考えるのではなく、皆で力合わせて解決策を探せば何か良案も生まれるのではないかなぁとと思うのでした。



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