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お45話・女の子におんぶしてもらいたい男子~アイドルに400メートルおんぶしてもらった

 先のお44話に述べたようなこと、
「秋葉原の空気感ゆえ、せっかくかわいい女の子がいっぱい迎えてくれるのに、秋葉原であるがために、萌えない」という話を、某アイドル店でナンバーワンのラミちゃんに話す機会があった。
 ラミちゃんは、驚いたような表情のあと、なるほどそういうのもありますよね、と納得の顔でうつむきながらも、ちょっと悲しそうな目になり
「秋葉原の雰囲気でないところだと萌えるのにっていうことですか?」と。
「先日、ラミちゃんの店からかえって、寝る前にいろいろ妄想してみたんだけど、秋葉原でなければ萌えるような気がした。ここのエリアからちょっと外れればいいんで、試してみる?」
「試すって、どうすれば?」
「まず、ここ秋葉原の空気感ありありのここから、ラミちゃん、ボクをおんぶして歩いて」
「えっ、私が、おんぶするんですか?、できるかな」
「できるできる、乗るよ」
とボクは、コスプレ衣装のラミちゃんの背中に飛び乗った。
「あっ、重い、ムリかも、これで歩くなんて」とは言ったものの、さすがナンバーワンの女の子は、かわいいだけでなく、体幹もしっかりしている。細い体なのに安定していて乗り心地は最高級、そしてこの細身なのに安心感もあるのが不思議。
「ひとつ先の横断歩道を渡って、そのまま直進して、御茶ノ水駅まで、ボクをおんぶしてって。しばらく行くと街明かりが暗くなるから、秋葉原の空気感ではなくなるので、そのあたりからボクが萌え始めるかやってみよう」
「ハイ、でもそんなに長い距離おんぶ続かないかも」
「疲れたら何度でも休めばいいいよ」
「何度でも?」
 ボクは、乗りはじめから、ラミちゃんの背中で実は感じてしまっていたのだが、冷静なフリをしていた。ラミちゃんは、立ち止まらずに、中央通りを、御茶ノ水駅がわへ渡り始める。しかしその途中で息切れしそうになり、いきなり歩調が遅くなる。青信号が点滅しはじめたので
「点滅してるよ、ラミ、急いで‥、走れない?」
ラミは「ハイ」というと走り切ってくれた。
 ボクは、走ってくれてるラミの上で向かい風の涼しさを頬に感じていたが、ラミは予想以上にハーハーゼーゼーで、腰を曲げた前傾姿勢になり大変そうだった。
「このまままっすぐ行って。そしたら秋葉原の明るい空気感はなくなって暗くなるから、ボクがラミちゃんの上で萌えて性的に感じたりすると思うんで」
 ラミは「一度休ませてください、降りてもらっていいですか?」
「いま感じはじめてる境界線だからダメ。先の五差路までおんぶして。そしたらそこで休ませてあげる。ほらボクのアレが大きくなって固くなってるの、ラミちゃん、背中で感じ取れるかな?」
「うん、わかります、熱くなってる」
「男にとって大事なタイミングだから、ここは降ろさないでね。あと、ゆっくりでいいから歩いてて。ラミちゃんの歩く振動が、いま気持ちいいの」
振動で揺れるたびにボクは「あっ今のいい」と言いながら、ラミちゃんの肩に乗せた手の握りをつよめた。
 こうして五差路に着いたので、一度降りてあげることにした。
「ほら、ラミちゃん、秋葉原の空気感から出たら、こんなに萌え萌えで感じちゃってるんだよ」
 ラミちゃんは汗まみれというほどではないけど、12月のこの季節の寒さをおもうと、すごい汗なのかもしれない。立ってるのもツラいようなふらふらっぷりで、歩道に座り込んじゃった。考えてみれば、中央通りの向こうからこの五差路まで、かなりの距離ある。ラミちゃん、よく、ボクをおんぶしてこの距離を歩き続けたものだ。さすがナンバーワン。400メートルくらい、おんぶしてくれたことになるかも。
「ラミちゃん、じゅうぶんに休んでね。ここから線路沿いに御茶ノ水駅までは、ずーっと上り坂だから」
「えっ、その上り坂も、私におんぶさせるんですか?」
「うん、乗るよ、ラミのおんぶ気持ちいいし、おんぶしてもらったほうが楽ちんだし。特にこの先の上り坂は歩くの疲れそうだから、ラミのおんぶでいきたい、すごく萌えるとおもう」
「萌えるっていわれると秋葉原アイドルとしては・・・でも・・・」

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