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「間違ったら止まってやり直す」練習方法は危ないのでやめましょう、というおはなし。

夫婦ユニット「パラノア」ギタリストの八田太陽です。

ギター講師業も気づけば10年経ちました。
最近始めたばかりな気もしてるんですが気づけば10年、、
時が経つのは早い。。

マイペースにギターレッスンをやっていて、気づけば沢山の生徒さんとレッスンしてきました。
10年やっていると生徒さんの練習方法に割と陥りがちな傾向がある事に気づいたりします。

今回はそんな中で僕が「特に」良くない練習方法だと思っている一つを紹介します。

良くないと考えている練習方法は?

この練習方法は陥りやすい人けっこういます。ちなみに僕も陥りがち。その傾向が見えた生徒さんにはすぐに練習方法の見直しを提案します。

それは何かというと。。

「間違ったら止まってやり直す」
練習方法です。大前提で、これはフェーズによります。

「覚える」フェーズの時。
「次のコードはこの形で次はこの形」みたいに一つずつ運指を確認しながら刷り込んでいく必要があると思いますから、「間違ったら止まってやり直す」はもちろんOKです。僕が危ないフェーズだと思っているのは、、

「人前で演奏することを前提に練習する」
このフェーズで「間違ったら止まってやり直す」練習をしていると結構危ないです。なんで危ないかというと。

ポピュラーミュージックの要素を掻い摘んでみる

まずポピュラーミュージックの要素について。
ポピュラーミュージックにおける主要要素は「メロディー」「ハーモニー」「リズム」、この3つが主要な要素かなと思います。

「メロディー」は歌などの主旋律、
「ハーモニー」はコードと捉えてもらって構わなくて、
「リズム」はそのままの意味です。

この3つの要素の中の「リズム」が、音楽をする上で重要度が非常に高いと感じています。

リズムの重要度は高い?

なぜかというと、音楽を聴く・または誰かのライブを見に行った時を思い出して欲しいんですが、演奏中歌のピッチを正確に追いかけられる人ってそうそういないと思うんです。
それと同じで、コードがどこか違っていても「うん??今なんか違った?」と思うことはあっても正確に何が起きたのかわかる人はあまりいないと思います。演奏は始まると止まらずに過ぎ去っていくものだからです。

だけどリズムが止まったら?
一発でわかりますよね。
もちろん狙って止まるならいいんですが、失敗して止まってしまったら?

お客さん目線で「あーー、失敗しちゃった?」
「やっちゃったな」って思いませんか?
僕自身やってしまったことは当然あるし、人がその状態に陥ってる場面を何度か見たこともあります。
自分でも経験して、人の演奏を見てやっぱり思うんですけど「絶対陥りたくはない」状態ですよね。

仮に発表会みたいなノリで失敗も許されるような状況であればむしろ微笑ましいくらいのもんですが、お金を払って見にきてくれたりした場合は絶対陥りたくない。。お客さんとの関係性にもよると思うけど。

仮にそれが許されたとして2テイク目を演奏したらきっと緊張感が高まってしまい手が震えると思います。頭真っ白になる人もいると思います。
もし初めて人前で演奏する機会があってこれ経験しちゃうと人前で演奏することが怖くなってギターを弾かなくなっちゃうことだってある。と思います。楽しい音楽が辛いものになってしまう。

陥りたくない状況を回避する最善の練習方法は?

じゃーこれをどうやって回避するか。

これは「日々の練習の中で止まらない練習を癖づける」ことだと思います。

とかくポピュラーミュージックは曲が始まりだすと終わるまで止まれません。であれば本番を想定して「リズム」のある中で練習するべきです。
その中で失敗すると思います。でもリズムは止まってくれない。
どうするかというと、「戻れるところで戻る」しかないんです。
リカバリーするってことですね。
これに慣れる、リカバリーのネタを増やしていくと、失敗した時の攻略方法が自分の中で増えていきます。そしてこの攻略法のネタは本番でこそ生きてきます。

本番は失敗も当然あるくらいの気持ちで

本番100点で弾ききることなんて正直無理で、いいとこ5〜60点くらい。
基本的には失敗も当然するのを想定して練習できていればいざ本番でとちっちゃった時のリカバリーが効きます。

なので「間違ったら止まってやり直す」演奏をする生徒さんがいたら上記で説いたリズムの大事さを伝えつつ、自分の体でリズムを作る、またはメトロノームが出すリズムの中で練習する方法を提案します。

まとめ

というわけで、もし「間違ったら止まってやり直す」という練習方法が癖ついている方いらっしゃいましたら参考にしていただければ幸いです。

とにかく音楽は楽しいものだと思うので、ストレスを自分で貯めないための良き習慣を身につけたらもっと楽しくなるよ、というお話でした。

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