固有名詞もじりを含むお題への対応

こういうお題のこと

最強を目指す赤ちゃん・万馬刃武が
赤ちゃん同士の戦い・ベイビーファイトに身を投じるバトル漫画
『オギャップラー刃武』でありそうなこと
(2020.3.22 EOT 第6章)

刃牙を少しでも分かっている観客Aはお題を「赤ちゃん同士が戦うバトル漫画『オギャップラー刃武』」と読むし、
刃牙知識が全く無い観客Bは「赤ちゃん同士が戦うバトル漫画」と読む。

俺のグラップラー刃牙知識

・刃牙の家が落書きされている
・刃牙がセックスしたあとティッシュで部屋が埋もれる
・トーナメントがある
・全選手入場!というやつがある
・餓鬼レンジャーが「ラップグラップラー餓鬼」という曲を作っている
・作者がダウンタウンDXのゲストのイラストを描いている(なんで?)

回答したやつ

1.ベビーベッドが「刃武死ね」と落書きされている
2.よだれを拭いたティッシュで部屋が埋もれる
3.トーナメント表がベッドの上で回っている
4.ダウンタウンDXのゲストをどんどん赤ちゃん化していく

これらの回答が観客AとBに伝わるか

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「落書き」や「ティッシュ」や「ダウンタウンDX」はバトル漫画と関係がないため、刃牙知識がないBには伝わらない。一方、唯一「トーナメント表」というワードはAにもBにも伝わる。

刃牙から考えてない回答

5.水の使い手がオムツで無力化されている

思いついたけど出さなかったやつ。

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なぜこの回答を出さなかったか。これは刃牙要素を使っていないためBには伝わる一方、Aには(刃牙って能力漫画じゃないのにな)というノイズを抱かせる。大喜利においてノイズは悪であり死である。だから俺はどれだけ急いでも読める字でボードに書くし、聞き取りやすい発声を心がけるし、他人の回答を聞いて被らないようにしている。これらは全てノイズだからである。(この次のお題で他の方と丸かぶりの回答をしたので説得力はない、どうか俺の話には説得力がないと覚えておいてほしい)

ちなみに(刃牙って能力漫画じゃないのにな)というノイズは、「これ実は能力バトルの漫画なんですけど、」という前置きで軽減される。

つまり

刃牙を知らない客Bがいる以上、「赤ちゃん同士が戦うバトル漫画」で考えたほうが絶対によいが、それで考えた回答が刃牙にない要素を踏んじゃうと、知識がある客Aにノイズを与えてしまう。じゃあどうすりゃいいんだ。

1個の例だけだとアレなんでもう1個例を出すブロック

マッチョばかり100人のバンド『筋肉大所帯』の特徴
(2017.12.9 超加点大喜利杯)

あ~自分語り乙って言われちゃうな~でも言うか、いやでも自分語り乙と思われたくなくてこうやって生きてたんだけどな、まあでも言うか、この日俺は5年ぶりの生大喜利だった。どうでしょう、予防線を張ったので「自分語り乙」とは言いづらいはず。

一答目に選んだのは「マッチョが100人って、多すぎケンヂじゃないですか?」で、あまりウケなかった(※1)。絶望である。お題のダジャレはよくて回答のダジャレはダメなのかよ。俺は二答目に浮かんでいた「俺にホエイを食わせろ」を早々にボツにし、お題から『筋肉大所帯』の文字を消した。観客Aよりも観客Bが多かったというわけである。その後、他の方の回答を聞いていたが筋少に触れているものはほぼ無かった。打ち上げで「パラドクス、マッチョも100人も関係なかったよ」と言われたが、それを言えば他の全員も「筋肉大所帯」じゃなくてよかったわけである。

※1……そりゃ特徴じゃないからウケないだろ

(ちなみにこの次のお題「異常ばかり起きる回転寿司、『バグ寿司』で起きたこと」でその日トップの189点を取って、パラドクスは久方の称賛を浴びに浴びた。予防線はこの記事の最後まで有効だぜ)

つまり2

俺たちはどうすればよいのか。自分の回答や他の人の回答で刃牙や筋肉少女帯がどれだけ伝わっているかを把握すること、客Aと客Bがどのくらいの比率なのかを瞬時に判断すること。これを3分間で回答を考えながら掴まなければならない。「刃牙死ね」と他の方の「炭酸抜きコーラ」が伝わっているので刃牙から考えることにした、「多すぎケンヂ」が伝わらなかったので筋少は考えないことにした、ただそれだけである。

が、全てはバランスである。この世の全てはバランスである。この世の全てがバランスであるならば、この世の一部である大喜利もバランスなのだ。4答とも刃牙から引っ張ってくるのではなく、「実は能力バトル漫画なんですけど、」という言い訳を付けてでも「水の使い手がオムツで無力化されている」と答えるべきだったのである。言い忘れていたが、俺は刃牙について全然詳しくない。なけなしのインターネット知識と、実況者の加藤純一が100回喋ったティッシュの下りを覚えているだけである。そんな苦し紛れで思い浮かんだ要素、Bには伝わらない要素なんか捨てて、「水の使い手」を答えるべきだったのだ。

ということを休憩中に考えていた。考えていたら、「ダウンタウンDX笑いました」と複数言われる。そう、俺はこれでよいのである。会場の全体を揺らす爆笑も欲しければ、その要素拾うのかよ、という褒めも頂きたいのである。俺は強欲なのだ。でもこれでよいのである。なぜ刃牙の作者がダウンタウンDXのゲストをイラスト化するんだ? と日頃思っていて、それを舞台上で発散して、そして同じことを思っていた人が会場に数名いただけである。それでよいのである。日常は大喜利に還元され、大喜利は日常に刺激を与える。全ての大喜利はあなたの日常から生まれ、あなたの日常に返ってくる。日常を研ぎ澄ませていきましょう。








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マジでなんで?

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