遠征する時の交通事情

(アドベントカレンダー2019.12.11.担当分です。)

遠征する時のお話です。
いつも通り窓口でチケット買ってー……、ってちょっと待ったー!その買い方、損してない?
いや別に普通に買えばいいんだけどさ、少しでも安く買って浮いたお金でなんか食べたくない?食べたくない?

ここら辺は知識なので知ってるか知らないかです。
知っていたらそれ使ってサクッと押さえて、ほーれ、ちょっとおトク。

(間違いとかあれば教えて)

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<基本のキ>
・学割
・往復割引
・乗継割引
・途中下車

<確実に押さえよう>
・青春18きっぷ
・web予約
・各種早得
・トクトクきっぷ

<慣れたら検討してみて>
・パッケージツアー
・金券ショップ

<上級者向け>
・往復割引
・乗継割引

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1個ずつ解説していきます。

<学割>
みんな大好き学割証。乗車券のみ2割引。
18期間外、学生でJRを使うのであれば結局これが最強です。

注意点
・「101km以上でないと使えない」
・「(一部例を除き)窓口でしか買えない」
・「年15枚しか出せない」
・「学生証を忘れないように」

<往復割引>
「片道601km以上」で「行き帰りの切符を同時購入」の場合のみ適用です。
乗車券のみ1割引で学割と併用可。その場合の割引率はn×0.9×0.8で2.8割引なので注意されたし。
601kmの目安になるのは東京都区内発の場合は兵庫県明石駅、青森県八戸駅、大阪市内発の場合は埼玉県久喜駅、福岡県福間駅などです。

<乗継割引>
基本中の基本ですが、乗継駅などの条件が多くて少しややこしいです。買う上では勝手にやってくれるので、そこまで気にしなくていいです。
以下のA〜Cの条件を全て満たした上で新幹線と特急を乗り継ぐ場合は特急料金が半額になるという制度があります(適用例は他にもあるが今回は略)。

A
先乗列車と後乗列車の特急券を「同時に」購入する。

B
以下のいずれかの駅で乗継をする。
1.東海道山陽新幹線の「新横浜~新下関間」の新幹線停車駅
2.東北新幹線及び北海道新幹線の「新青森駅」
3.上越新幹線の「長岡駅・新潟駅」
4.北陸新幹線の「長野駅・金沢駅」
5.北海道新幹線の「新函館北斗駅」
6.大阪駅(新大阪駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る)
7.坂出駅・高松駅(坂出駅及び高松駅は岡山駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る)
8.直江津駅(上越妙高駅に直通して運転する在来線の特急・急行列車に乗車し、上越妙高駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る)
9.津幡駅(金沢駅に直通して運転する在来線の特急・急行列車に乗車し、金沢駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限る)

C
在来線の特急・急行列車に「その日のうちに」乗り継ぐ。ただし、「在来線から新幹線へ」乗り継ぐ場合は在来線の乗車日orその翌日でも可。

(例1)
大阪市内→松山の場合
a)岡山まで新幹線、岡山から特急しおかぜ乗車の場合、しおかぜの特急料金が半額。(1.を適用)
b)岡山まで新幹線、坂出まで快速マリンライナー、坂出からいしづち乗車の場合、坂出からの特急料金が半額。(7.を適用)

(例2)
津和野→新山口→新大阪→金沢
普通であれば山口線特急→新幹線→北陸線特急の経路を選択するが、この場合は2本の特急のうち、高い方の特急料金を半額にする。この場合であれば新大阪→金沢が半額。

乗継関係は他にもありますが、ひとまずこの辺にしておきます。

<途中下車>
後述しますが、何も18に限らず条件を満たせば普通の切符でも途中下車は可能です。最終目的地まで買っておいて、途中で寄り道する事だって出来ます。
「経由路線上の駅である」「同じ駅を二度通らない・後戻りしない」「大都市近郊区間で完結しない」「特定都市区内でない」「101km以上の切符」「途中下車前途無効と書かれていない」であれば大体OKです。
乗車券のみであり、「特急券は対象でない」事、有効期限内に到着しなければならない事には注意。また、web予約とか各種早得は途中下車出来ない物も多いのでその都度確認して下さい。

<青春18きっぷ>
ご存知18。JR全線の普通・快速、宮島航路が1日乗り放題。追加料金を払えば指定席、グリーン車「自由席」にも乗車可(グリーン指定はダメ)。
使うかどうかは行先と日程、1回あたりの値段を見て決めると良いでしょう。

(所要時間目安)
東京→名古屋 6〜7時間
東京→大阪 9〜9.5時間
東京→仙台 6〜7時間
名古屋→大阪 3〜3.5時間
大阪→博多 13時間

<web予約>
JRに限らず、私鉄各社、バス、飛行機、フェリーなど、一部区間においてオンライン限定で安い商品が販売されていることがあります。基本的に会員登録とクレジットカードが必須です。
下記URL参照の事(ほんの一例です)。

・JR北海道
https://www.jrhokkaido.co.jp/network/ekinet/index.html
・JR東日本
https://www.eki-net.com/top/index.html
・JR東海
https://jr-central.co.jp/ex/
・JR西日本
https://www.jr-odekake.net/smt/railroad/ticket/tokutoku/index.html
・JR四国
https://www.jr-shikoku.co.jp/e5489/
・JR九州
https://train.yoyaku.jrkyushu.co.jp/jr/smart/consumer/TopInitSmartAction.do
・近鉄(名阪特急)
https://www.kintetsu.co.jp/gyoumu/meihanticketlessservice/
・JRバス
https://www.kousokubus.net/BusRsv/ja/
https://www.kousokubus.net/BusRsv/ja/discount


<各種早得>
web予約に関連して「出発の〜日前までに購入すると安くなる」商品もあります。席数限定のものも多いので、予定が決まり次第、さっさと押さえましょう。これもクレジットカードほぼ必須。乗車変更不可能など、融通効かない事が多いのでその点は注意。
内容については上記のURL参照のこと。
JR九州の博多⇔大分など、モノによってはほぼ半額になるものまで……。

<トクトクきっぷ>
web予約とか以外にも安いのはいっぱいあります。これも上記のURL参照のこと。

<パッケージツアー>
「ぷらっとこだま」とか、「バリ得ひかり・こだま」とか、出張パックとかがこの辺に当てはまります。
なんでこんなに安いのかわからんくらい安いです。新幹線利用で大阪博多7000円。なんだこれ。
その分、乗り遅れた時の後続自由席乗車不可など、制約が多いのでその都度確認のこと。
・ぷらこだ
https://www.jrtours.co.jp/kodama
・バリ得
https://www.nta.co.jp/jr/shinkansen/kodama/

<金券ショップ>
「回数券とかあるらしいけど、そんなに使わないし……」という時に強いのがこれ。回数券のバラ売りがあります。ちょっとだけトク。遠方だけでなく、近距離でも効果を発揮します。店舗によって品揃えや値段が違うので色々回ってみましょう。


----ここから下手に手を出すな----


さて、ヤバい所まで来ました。

<往復割引>
「あと少しで往復割引使えるのに……っ!」という時、どうするか。
それならもう少し先まで買っちゃいましょう。
自分で経路の指定が出来る方向けです。

例えば神戸市内⇔東京の移動を考えてみましょう。
普通に計算し、神戸市内→東京都区内は片道9460円です。一方、601kmを超える明石→東京都区内や、神戸市内→川口ですと片道9790円です。往復割引を適用すると片道あたり8810円となります。この差650円、結構大きいですね。

さて、これを使うにあたって気をつける事が何点か。
まずは往復同一ルートであること、これは良いでしょう。
もう一つ、券面の最終目的地の設定方法です。
基本的には自身の発駅 or 着駅の延長線上に、券面の発駅 or 着駅を設定することになります。

例として、再び東京都区内⇔神戸市内を考えましょう。
東京都区内発の場合、明石まで買うのはokです。経路上に神戸市内がありますからね。
ただし、601kmを超えるからと言って新三田まで買うのはアウト。尼崎から福知山線に入るため経路上に神戸市内が無いからです。
では、手前から買えばいいのでは?と思った方。これは基本的に不可能です。原則として、切符は自発駅からのみ発売するというのがありまして、例えば大阪駅で明石発の切符は基本的には出せないんですよね。実は窓口以外で買う、一定の条件を満たす、などで出せるのですが、少し面倒なので割愛。

<乗継割引>
乗継割引の変な使い方です。
まずはこちらの例をご覧ください。

大阪市内→金沢

case1
大阪→金沢 全区間サンダーバード指定席
4840(運賃)+2750(指定席特急料金)=7590円

case2
大阪→新大阪 在来線各停
新大阪→京都 東海道新幹線自由席
京都→金沢 サンダーバード
を利用
4840(運賃)+870(新幹線自由席特急料金)+1370(指定席特急料金)=7080円

新大阪京都で新幹線を使ったにも関わらず安くなりました。乗継割引と特定特急料金を併用した例です。
ざっくりした説明になるのですが、新幹線には特定特急料金という制度があり、隣駅同士の移動ですと特急料金が普通に比べて安いんですよね。
今回ですと、新大阪京都の一区間のみ新幹線自由席に乗り、京都でサンダーバードに乗り継ぐ事で特定特急料金と乗継割引をダブルで適用してこのようになります。
しかし、いくら特定特急券が通常より安く設定されているとはいえ、新幹線特急券は割高です。この手法が使える場面は限られてきます。

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<まとめ>
・基本のキは押えよう
・web予約と早得は要check
・クレカはあると超便利
・予定は早めに決めて早めにチケットを取ろう
・webじゃなくても安いのはある
・パッケージツアーも結構使える
・裏ワザもあるけど使い方注意

<感想>
この辺のもの、僕は普段何気なく使っていますが、いざ全部洗い出そうとすると結構多くて大変ですね。あまりの多さに全てを紹介する事は諦めたのですが、各自でリンク先とかを見た上で、各種交通手段との比較、費用対効果などを検討していただければと思います。
もはや知ってるか知らないかの世界なので、知識として頭の片隅にでも置いておくと少しだけ幸せになれるかもしれません。

わからない事とか有れば調べるか聞いていただければと思います。
そして間違いを見つけた場合や、他にもいい物がある場合、それらを教えていただけると嬉しいです。

それでは。

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