長崎日大が勝負所の9回表で犯した最大のミス

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スコア画像引用元https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/game/2021007173/top


 今大会初のタイブレーク突入となった長崎日大VS近江の一戦。京都国際が出場辞退し、2日前に急遽繰り上げ出場の決まった近江はやはりというか実戦モードに入り切れていない試合運び。特に攻撃面では8回までに放ったヒットはチーム全体で3本という状態。

 その近江がどうして9回表に2得点、延長13回に4得点を挙げて逆転勝利が出来たのか。すべての原因は9回表の攻防にあった。


 9回の表、近江高校の攻撃は三番の津田から始まる打順だった。その津田が初球のチェンジアップ、真ん中低めのボールゾーンだったがこれを上手くとらえて二塁打。続くバッターは四番でエースの山田。しかしこの山田、投球に神経を割いてきたせいか今日はノーヒット。

 この四番打者に対して長崎日大バッテリーは初球・2球目を共にインコース低め、ビタビタのインローに決めて2球で2ストライクを取って見せた。

 3球目は外に外れたストレート。4球目は外より変化球、スライダーを持ってきたが大きく外れた。

 問題の5球目。長崎日大バッテリーが選択したのは「インコース」。これがこの試合で最大の悪手だった。

 1ストライク目と2ストライク目をインコースで取れたから、3ストライク目もインコースで取れると思ったのだろう。しかし3ストライク目を取りに行くプレッシャーはそれまでの2カウントを取るのとではピッチャーに対するプレッシャーのかかり方が違う。

 インコースで決めに行きたかったボールは、打者の山田に直撃してしまいデッドボール。これで同点のランナーまで出してしまった。この後の五番打者・岡崎にタイムリーヒットを浴びたところで長崎日大は継投に踏み切ったが、この回にもう1点を失い延長戦に突入。13回表に力尽きた。


 

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 問題の配球を振り返る。

 一球目、二球目をインコースでストライクを稼ぐことが出来た。この二球はバッターの山田にインコースを非常に印象強く持たせるには十分すぎるボールだった。つまりもう山田相手にインコースのボールは必要なかった。

 真ん中より外のコースに投げ続けていれば、インコースの残像が残った打者は思い切って踏み込むことが出来ない。凡打になる確率は高い。2点のリードのうち、1点は取られる前提の考えを持つことが出来ていれば、3ストライク目を取りに行くのにインコースに突っ込んでいく必要性はどこにもなかった。

  リスクをどこで犯すか、その判断を誤った長崎日大に勝利の女神は微笑まなかった。捕手はグラウンド上の監督。チームが27個目のアウトを取るまでは冷静な判断を下すことが求められるポジション。捕手の差がそのまま両チームのスコアの差に直結したといっても過言ではないゲームだった。

 


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