シンガポール航空(SQ)のボーイング B787機材の一部がScoot(TR)へ
2021年初め、シンガポール航空(SQ)は、ボーイング B787-10の発注を合計44機から30機に減らしました。
これは、ボーイング B777-9の発注を合計20機から31機に増やし、ボーイングからの納入スケジュールを遅らせることに同意したこととの交換によるものです。
SQではすでに15機のB787-10が運航されており、今回の交換により、当初の29機の発注から15機のみの納入となります。
同時に、SQはエアバス社との間で、今後数年間に受注したA320、A321、A350の納入スケジュールを調整することに合意しましたが、これらの受注総数に変更はありませんでした。
そしてSQは、保有しているB787機材をグループ会社のScoot(TR)へ譲渡することにしました。
TRは日本航空(JL)のグループ会社・ZIPAIR Tokyo(GZ)と同じB787機材を運航しているので、LCCの中でも比較的質にこだわった会社であることから、1度は搭乗してみたい氣もしています。
TRの機材について、少し調べてみました。
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TRの787機材導入が決定
シンガポール航空(SQ)は、15機のB787-10の注文のうち、2機をグループ会社のLCC・Scoot(TR)譲渡し、さらに小型の787-9シリーズに変更しました。
TRは現在20機のB787を保有していますが、B787-8を3機、B787-9を2機の計5機を追加で購入していました。
今後、TRは合計4機のB787-9を導入し、ワイドボディ機の保有数を当初予定の25機から27機に増やします。
2021年から2022年3月までのTRの新規航空機納入は、B787-8が2機、エアバス A321neoが7機で、その他の航空機はその後に納入されます。
なぜ変更するのか?
B787-10の発注をより小型のB787-9に変更し、ローコスト部門に移管することは、今後の中距離マーケットの回復軌道に対するSQグループの意思表示と考えられます。
B787-10型機は、エアバスA380型機を除けば、SQの航空機の中で最も高い収容人数を誇り、337人を収容します。これは、エアバスA350リージョナル型の303人乗りよりも多い数字です。
この2機種は乗務員用の寝台が設置されておらず、シンガポールから約7時間圏内の中距離フライトに限定されています。
近距離フライトが今後数年で再び活気を取り戻すことがなければ、SQの多くの地域路線には容量の小さい航空機の方が適しているでしょう。
シルクエアー(MI)との統合で、SQは小さめのB737機材を数多く手にしました。
これらの機材を、近距離フライトへ活用していくでしょう。
また、TRのボーイング787-9型機が増加するもう一つの要因は、国境が再開されれば、レジャー旅行が最初に回復すると予測されることで、LCCが回復をリードする立場にあるとの予測に基づくものです。
まとめ
TRは、SQからの2機の発注により、将来的にB787型機をより多く保有することになります。
これは、SQのB787-10型機をさらに増やすことに比べて、今後数年間の需要回復に適しているはずです。
加えて、SQはB787-10の注文のうち5機をリース会社に移管することで、将来の資本支出の一部を大幅に削減し、航空機を購入する前に事実上売却したことになります。
今後数年間、需要がどうなるのか誰にも正確にはわかりませんが、SQは今回の将来の機材計画の微調整で「最善の推測」をしているようです。
今はアジア方面へ行くのは難しいですが、せめてSQを利用してシンガポール(SIN)で乗り継ぎ、ヨーロッパ方面へ行きたいな、と考えています。
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