第二代パピーレガシー王決定戦カバレージ
By Tsutomu Date
【2024/02/07】記事の価格設定について、追記させて頂きました。
はじめに
先日SNSでも発表させて頂きました通り、弊店パピー弥富店は大規模な盗難被害を被りました。
本記事は最後まで無料でご覧いただけますが、記事を読んで「面白かった」と感じた方、またパピー弥富店を応援頂ける方は記事の購入をいただけますと幸いです。
また、マスクを外した状態での画像につきましては、作成者の依頼の上での撮影とさせて頂いております。
第二代パピーレガシー王決定戦は、1/30(土)に弥富市産業会館にて行われた。
本イベントは八十岡翔太プロをゲストに迎え、その参戦を聞いた東海レガシー勢が奮起したか本イベントは74名もの参加者を数えた。
これはパピー主催のマジックイベントでは過去最多となる。
ちなみにデッキの分布はというと、URの《濁浪の執政》デッキを筆頭に次点で《豆の木をのぼれ》系のコントロールデッキ、コンボ系の《再活性》、《最後の審判》、《実物提示教育》デッキが続く。
メタゲームを意識してデッキを選択するプレイヤーよりは、使い込んだデッキをメタゲームに合わせて調整するプレイヤーが多い印象だ。
過酷なスイスラウンド7回戦の長丁場を戦い抜き、TOP8進出したプレイヤーの勇姿はぜひこちらを御覧頂きたい。
強豪揃いの8人の中から見事決勝卓に駒を進めたのは、
ヤマダマサシ(セファリッドブレイクファースト)
と
ヤマダユウト(RUGデルバー)
だ。
ヤマダマサシ
スイスラウンド4位のヤマダマサシはMagicOnlineを主戦場としているいわゆる『MO勢』。
MOとテーブルトップのプレイ比率は9:1とのことだが、
「やっぱり紙でプレイしたかったんですよね。対戦相手の表情や所作が見えるところがいい」
と参戦の理由を教えてくれた。
初めてマジックをプレイしたのは『タルキール覇王譚』からとのこと。
「遊戯王をプレイしていた仲間と一緒に始めたんですよね。
中でも《凶暴な拳刃》がかっこよくて」
デッキは『セファリッド・ブレイクファースト』を選択した。
「手持ちのデュアルランドから考えてデッキを組んで回し始めたんですが思ったよりも感触がよかったんです。それから半年ぐらいずっと使っていますね」
「TOP8の中に、メインで《安らかなる眠り》が4枚入っているデッキ(スイス8位のテルイのセプターチャント)を見たんですけど、当たらなくてよかった…(別のブロックで)太郎さん(スイス1位のオカダタロウ)が勝ってくれたので相手せずに済みました。流石にあれには勝てない」
とマッチアップの幸運も語っている。
決勝戦を臨んでヤマダマサシはどのようにマッチアップを考えているのか。
「相手はRUGデルバーなので、6~7割くらいは勝てそうだと思います。この組み合わせは慣れてますし」
と自信を見せる。
ヤマダユウト
もう一方のヤマダは、スイスラウンド6位のヤマダユウト。
ヤマダユウトは『マジック・オリジン』からマジックを始め、レガシーへ参入して初めて使ったデッキは『白青奇跡』とのこと。
「始める前は『グリクシスデルバー』を使いたかったんですけど、《死儀礼のシャーマン》と《ギタクシア派の調査》が禁止になったので、代わりに『白青奇跡』を使い始めたのがきっかけです」
それからも青いコントロールを好んで使い続け、今に至るそうだ。
ヤマダマサシとは対称的にRUGカラーのデルバーを使うのは今日が初めてだと言う。
「URデルバーは使ったことあったんですが《Tropical Island》買ったのでRUGで組めるようになったんですよね。
相手と対話した上で勝つのが好きなのでいつもはコントロールを使うんですが。
どんなデッキでも《渦まく知識》《思案》《意志の力》は使いたい」
レガシーの青を使う上で醍醐味の一つであろう、この感覚に共感を覚えるプレイヤーは多そうだ。
ヤマダユウトはメタゲームについても彗眼を見せる。
「ゴブリンは多くなると思っていたんですよ。
実際スイスでも2回当たってますし。
《意志の力》《不毛の大地》と除去があるデッキをまず使いたかった。
《豆の木をのぼれ》に対してもグリクシスよりもティムールの方がリソース面で有利ですしね。
サイドから《血染めの月》を入れられるのも大きい」
対戦相手のセファリッドブレイクファーストについてはどう考えているのか。
「決勝のマッチアップは結構きついですね…。
カウンターが当たらないし、マスト除去も多い。
デルバー側としては攻めづらい展開になりますね。
《不毛の大地》がキーになるゲームになると思います」
奇しくもヤマダ同士の対戦となった決勝戦。
「この決勝戦、ヤマダが勝つな」
「流石にヤマダは厳しいんじゃないか」
「優勝はヤマダだよ」
「パピーのオーナーもヤマダです」
決勝卓を取り囲むギャラリーから紛らわしいコメントが飛び交う。
以下、失礼ながら『ヤマダマサシ』は『マサシ』、『ヤマダユウト』は『ユウト』と記載させて頂くことをご容赦頂きたい。
決勝戦
Game1
先手はマサシ。キープした7枚のハンドは以下。
速いターンでのコンボ成立は見込めないものの、カウンターからの防御手段を2枚備える初手。
《思案》《ウルザの物語》からパーツを揃えることが期待できる。
対するユウトもマリガンはせず、以下の7枚でスタートする。
こちらも勝利へ向かう手段は含まれないものの、豊富なドローソースでクロックを探しに行けるハンドだ。
マサシが《島》《思案》に対し、ユウトもまた《Volcanic Island》《思案》で始まる立ち上がり。
そしてマサシが《ウルザの物語》でターンを返す。
これを放置すれば2ターン後には《手甲》が直接戦場に…つまりはカウンターされずに通ることになる。
対するユウトも回答は持っており、自ターンに入ると《不毛の大地》プレイから即応する。
それにマサシは対応して《通り抜け》をウィザード・サイクリングし、
もう一つのコンボパーツである《セファリッドの幻術師》を手札に。
自ターンを貰うと《溢れかえる岸辺》をプレイしてターンエンド。
今度はユウトがしかける番、とメインから搭載された《相殺》を唱えると、マサシは《意志の力》(コストは《時を解す者、テフェリー》)で打ち消す。
互いに盤面に脅威を残すことを許さない。
マサシは《渦まく知識》と《溢れかえる岸辺》サクリファイスで手札を整理し、《ロリアンの発見》をサイクリングでそのまま《Tundra》をプレイ、ターンを返す。
動きのないマサシに対し、ユウトとしては1ターンでも早くクロックを用意したいが…
《ミシュラのガラクタ》をプレイ、自分を対象に起動し、トップを確認しつつ《沸騰する小湖》フェッチとともに不要牌を引き込むことを回避する。
マサシはしかけるタイミングを見ているのか、土地をプレイするのみで沈黙を守る。
ユウトは待望の《秘密を掘り下げる者》を引き入れるが、次ターンの変身はならず。
だが、続いて《ドラゴンの怒りの媒介者》を追加すると《思案》から『諜報』能力を処理。
5ターン目にしてやってエンジンがかかってきたようだ。
『昂揚』は達成され盤面のクロックは4点、おそらく次ターンには《秘密を掘り下げる者》は変身して6点になるであろうが、マサシのコンボ完成までに間に合うか。
それまで動きのなかったマサシが仕掛けたのはその返しのターンだった。
《溢れかえる岸辺》から《Underground Sea》をサーチして合計で5マナを揃えると、手札から《陰謀団式療法》をプレイ。
これはユウトに《意志の力》されるが、想定通りと続いて《ナルコメーバ/Narcomoeba》を通常キャストからこれを生贄に捧げ《陰謀団式療法》をフラッシュバックする。
これが通り、マサシの指定は勿論…2枚目をケアした《意志の力》!
公開されたユウトの手札に残っていたそれを落とすと、通ることが約束された《石鍛冶の神秘家》を着地させ、そのETB能力で《手甲》を手札に入れる。
手札が知られてしまったユウトだが、手札にはまだまだ火力が残っている。
アップキープに《稲妻》を撃ちつつ『諜報』から《秘密を掘り下げる者》を変身させ、アタックの6点でマサシを危険水域まで持っていくが…
マサシは次ターン、満を持しての《オアリムの詠唱》!
ユウトは《目くらまし》でマナを使わせること選択したが、打ち消すことはできない。
それが意味するのは…《セファリッドの幻術師》と《手甲》を揃えたコンボの完成だった。
マサシ 1-0 ユウト
ユウト「(序盤に)クリーチャーいなかった…この気持ちわかりますか!?」
もう1ターン速くクロックを用意できていれば…
ユウトをここまで支えてくれた《渦まく知識》《思案》はこの局面にしてクリーチャーを呼び込むことができなかった。
対するマサシはGame1を取った勢いのまま素早くサイドボーディングを行う。
マサシ「このマッチは今まで沢山やったんでわかります」
と余裕を見せる。
互いのサイドのアウト・インは以下。
デルバー相手に打ち消しは減らして、各種除去と巻き返しが可能なフィニッシャーである《殴打頭蓋》をインするマサシ。
対するユウトは有効性の低い《不毛の大地/Wasteland》等を減らし、よりコンボへの対抗策の強い入れ替えで臨む。
Game2
先手はユウト。
後がない初手の7枚は…。
Game1と違い、今回の初手は《ドラゴンの怒りの媒介者》が2枚とドロースペルが2枚という、クロックを用意しながら十分対策カードを探しに行けるハンドだ。
これをマリガンをする手はないだろう。
対するマサシの初手は…。
既にコンボが完成している!
《コーの遊牧民》が除去された場合に続く手段に乏しいが、概ね良好と言っていい初手だろう。
こちらもキープを宣言した。
ユウトの《Volcanic Island》、《ドラゴンの怒りの媒介者》スタートに対し、
マサシは《溢れかえる岸辺》から《平地》で《コーの遊牧民》。1ターン目から王手をかけるマサシに対し、果たしてユウトは…。
ユウト「違うんだよな…」
と、ドローしたカードに対しぼやきつつ《沸騰する小湖》から《Volcanic Island》をサーチすると2体目の《ドラゴンの怒りの媒介者》をプレイ、
更に《ミシュラのガラクタ》プレイで『諜報』を2回誘発させる。
不要と判断したカードを墓地に送りつつ、《思案》でこのターン3度目、4度目の『諜報』、そして《思案》解決、と掘り進める。
早々に『昂揚』は達成されクロックは十分、手札に対応策も引き入れられたか。
まずはアタックで3点入れてターンを返す。
マサシの2ターン目。
《島》のプレイから、まずは《セファリッドの幻術師》をキャストし…
プレイされたカードを見て、ユウトは若干うなだれると…
ユウト「負けました」
と投了を宣言した。
4回にも及ぶ『諜報』と《思案》でも、ユウトはコンボを阻害するカードを引き込むことができなかったのだ。
呪文の応酬を予想していたか、マサシは軽く戸惑った後に
マサシ「よし!」
と遅れて自らの勝利を確かめる。
Game1とは打って変わって互いに異なる初手の対決は、ヤマダマサシに軍配が上がり、第二代パピーレガシー王が誕生した。
マサシ 2-0 ユウト
次回『パピー王決定戦』
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