トンネル掘ったらどうなる?

某県が
トンネルを掘ると川の水量が減るからトンネルを作ることは認められない
と言っている問題
また少し進展があったみたいですね。

まあ、
なにごねてるんだ
という感想しかないです。

某県側の予測による水量の減少量は
1秒当たり2t

これは何の対策もなくトンネルを掘った場合の損失量のようです。

それに対して工事者側は
水路を作って川に戻せば
損失量は最大毎秒0.6tまで減らせる
らしいです。

0.6tにしても2tにしても
パッと見ものすごい量に思えますが、
元々の水量がとんでもない量なので
それほど影響ないと思うのですけどね。

この川の降水量(河川域の降水量)は
上流域年間16億t
中流域年間24億t
下流域年間6億t
地下水による流去量が年間0~4億t
と試算されています。
利用可能な表層水は合計で42~46億tになります。

これに、県の主張である毎秒2tの損失があったとすると、
年間で最大0.89億tの損失
つまり、この川の利用可能水量が
41.11~45.11億tに減ってしまうことになります。
工事者側の主張では
年間最大0.19億tの損失
41.81~45.81億tに減ることになります。

有識者会議ではこの減少量(年間最大0.19億t)について
「微々たる量」
と認知しているようですが、
自分としては0.89億tであっても「微々たる量」な気がしますけどね。

某県では
水量の減少により産業・生活におおきな影響が出る
と言っているようですが、
水の利用実態はざっくりとしたものしかないのです。

使用量の多いものから行くと
発電用水、727.7t/s(年間229.5億t)94.1%
農業用水、40.1t/s(年間12.6億t)5.2%
水道用水、2.9t/s(年間0.9億t)0.4%
工業用水、2.1t/s(年間0.7億t)0.3%
そのた、0.2t/s(年間0.1億t)
合計773t/s(年間243.8億t)
ただしこれは「最大水利権」なので、実際の使用量はこれより少なくなります。
実際に利用できる水量の何倍もの量になっていますが、
例えばダムで使用した水は、下流で再利用できますよね。
農業の灌漑用水も
1つの田や畑で使用した水がそこでなくなるのではなく、次の田に回されたり下流に放流されたりしますよね。
あくまでも「のべ使用量」なので。

単純に水量の減少が使用できる水の減少になるわけではないのかと。
直接響いてくるのは生活用水・工業用水かと思われますが、
これらの合計は毎秒5tほどのようです。
年間で1.6億t。

この川の平均44億tの水のうち1.6億tを生活用水・工業用水として使用している。
この川の水が44億tから43.11億tに減ったらどのくらいの影響になるのでしょうか。
県が騒いでいるような問題はおきないように思えるのですけどね。

生活用水は上流域の水しか利用していなかったとしても、
上流域だけでも16億tですからねぇ。

農業用水や発電用水は中流域の水も使用しています。
トンネルを作っても中流や下流の降水量に変化はないと考えられますよね。

なんだかやっぱり
某県の偉い人がこじらせてるだけに見えるんですが。。。

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