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UEFAチャンピオンズリーグ      ナポリ対バルセロナ 試合前日記者会見

1.インシーニェへの質疑応答

記者:
近年あなたはボルシア・ドルトムント、リヴァプール、レアル・マドリー、PSGなどの強豪とチャンピオンズリーグで対戦し、それぞれの試合で得点を挙げている。
対バルセロナ戦にも同様の活躍、得点をするようナポリのサポーターから多くの期待が寄せられている。
また両チームに在籍したマラドーナ、その偉大な存在に対しメッシが初めて挑戦するゲームです。
またあなたは過去にバルサに移籍するという噂がありました。

インシーニェ:
メッシは現在世界最高の選手であることに疑いはない。
自分もそう思うけれどマラドーナとは比較したくない。
ディエゴの存在はナポリでは絶対的であり不可侵なのでね。
チームは冷静にバルサを分析しているよ、そうすればメッシ一人だけのチームでないことがよく理解できる。
チーム内にゴタゴタがあるようだけれどエイバル戦を見ても分かるように彼は相変わらずNo.1でそうしたことに影響を受けない。
得点への期待? 僕自身が一番そう願ってるよ(笑)
あとオスピナがメッシを抑えてくれることもね。
バルサは素晴らしいチームと今こうして話してるけれど、残念がら僕へのオファーはこれまで一度も受けたことはないね。

記者:
ナポリは現在ポジティブな状況にありますね。
インテル、ラツィオ、ユヴェントスなどの上位チームに最近勝利し
また今季のチャンピオンズリーグでは無敗を誇ってます。

インシーニェ:
チームとして多くの優秀なプレーヤー抱えてるし選手個々が持てる力を発揮し良いパフォーマンスさえできれば我々は困難に打ち勝ち素晴らしいゲームを披露できると確信している。
ナポリっ子としての僕に対して多くのファンから過剰ともいえる期待を寄せられているのは理解している。
またその期待が大きい分、批判が多くあることも受け入れている。
(困難な時)チームリーダーとしてガットゥーゾ監督が僕に信頼を寄せてくれたことは身近にいてひしひしと感じていたけれど、チームの皆の助けもあってうまく乗り切ることができたと思う。
監督はチーム全員にプロフェッショナルとしての責任を全うすることを求めた。
チームに来た当初から彼の言葉に皆が好感を持っていたんだ。
監督が僕に差し伸べてくれた手をチーム全員にも差し伸べてくれることを願っている。
今季前半はリヴァプールとの対戦で勝ち点4を挙げたように、節目の試合では結果を出していた。
しかしヘンク戦やカンピオナートでも見られるように格下と思われるチームに対し取りこぼすような問題を我々は抱えていた。
ガットゥーゾ監督が来てこの問題を根本から見直し、覆すことができたと思う。
チャンピオンズリーグはファンには魅力に富んだ舞台であると同時に選手には困難なゲームが待ち受けている。
しかし僕らには恐れはないし持てる力を正しく発揮し挑戦するだけだ。
明日(優勝経験のある)チャンピオンと対戦するが、リヴァプールだって昨季の欧州チャンピオンであり僕らはサン・パオロで彼らに勝った。
僕らはサン・パオロに起こる怒号にも似た歓声の強み、環境を知っている。
ファンにお願いしたい、明日も我々にその手を差し伸べてください。


2.ガットゥーゾへの質疑応答

記者:
直近のセリエとコッパ・イタリアの試合で7戦して6勝
前者は6位まで上昇し、コッパはインテルに先勝し折り返しました
ナポリの監督としてあなたは自身初となるチャンピオンズリーグのデビューを果たすことになる。しかも相手は絶対的な実績を持つバルセロナだ。
どのような準備をし臨むつもりですか?

ガットゥーゾ:
まず言いたいのは、この局面まで私は何もしていません。
バルサのような偉大なチームに直面する状況を築き上げたのは選手たちとアンチェロッティ監督自身でとても感謝しています。
この2日間テクニカルスタッフと綿密なディスカッションを重ねてバルセロナを注意深く分析しました。
クライフやグアルディオラが率いたときのような選手はいませんがセティエン監督は当時のようなコンパクトなバルセロナらしいゲーム運びを再び目指している。
それはボール保持だけではなく、ボール奪取を含めた攻守一体のものだ。
バルベルデでは平均11秒掛かっていたが今は6秒でボールを奪い返せるようになっている。
バルサの高いボールポゼッションに注意を払うだけでなく、我々がボールを保持しているときの奪われ方にも細心の注意を払うことが大事だと思っている。
どのチームに対してもそう考えて臨んでいるが、バルサ戦はとくにボール保持している時にこそ慎重にならなければならない。
(クライフの背番号)14番の子どもたちのクォリティーの高さはチームが長年に亘って築き上げてきた育成理論から育まれたものだ。
ラス・パルマスにいた当時から私はセティエン監督をずっとみてきた。
ドリブルを多用すると同時に(いつでも守りに切り替えられる)トランジションにも注意を払っている。
彼を尊敬しているし、彼を育んだバルセロナのチーム哲学にも尊敬している。
セティエンが復帰したバルセロナはここ数年忘れかけていた何かをまた掴み直し始めたと思っているよ。


記者:
このゲームはマラドーナのナポリに対するメッシの挑戦と謳われていることに関しては?

ガットゥーゾ:
ディエゴはサッカーの神だ。言及の必要ない。
私はマラドーナのプレーを間近で見ることが叶わなかったのは不運に思う。
メッシが偉大な先達の遺した足跡を追う唯一の存在であることは彼のプレーぶりを見れば分かることだ。
しかし我々はメッシばかりに注意を払いすぎるというミスを犯してはならない、メッシ一人を対策したところで何も解決しない。バルセロナというチーム全体と対戦するという気持ちで臨むことがとても大事だ。
メッシは長年に渡り最高の選手であり続けた。
彼のキャリアそのものがそれを証明している。
それは世界を見渡しても類を見ないもので、まるでプレイステーションで起きているような信じられないプレーを現実に行い、子供たちに夢を与えスポーツ界のみならず世界全体へ大きな貢献をしている。
バルセロナは2つの側面を持っている。
一つはボールを保持している時、そしてもう一つはボールを保持していない時だ。
高いキープ力を選手個々が持っているため必要以上にオーバーラップし前掛かりになることもなく、バランス良くフィールド全体に網目を張っている。
我々はそこを無理にドリブルで突破しようと試みればトラブルに巻き込まれてしまうことは明白なのでリスク回避が必要だ。

記者:
あなたはこれまでサッカー選手として数多くの栄光を手にし成功を収めてきた。
そのキャリアをどう活かしチャンピオンズリーグに向かう準備をしていますか?

ガットゥーゾ:
クレタ、シオン、ピサ、そして今ナポリで監督を努めてきた。
この試合のためにこれまでの監督キャリアの中で自分がしてきたことすべてを思い起こし考え抜いた。
(アドバイスを求め)選手時代のガットゥーゾに電話を掛けてみようとも思ったよ。
しかし監督業は選手としてプレーする以上にはるかに困難なもので、選手としてのキャリアは何の役にも立たないが、私にはこのような大きな舞台を選手として経験してきた。それを選手の立場となって考えることができる。

ナポリに来る前はチーム内に起きている問題を過小評価していた。
しかしチームに入ってみるとインシーニェを始め選手の持つポテンシャルとプレーに乖離が見られた。彼らの持つ戦術的な知性はボールを保持していない時にこそ発揮されている。私の役目はそれを一致させることだった。
(批判が多かった)ファビアンについてもいつも「強い選手だ」と言い続けてきた。
その他ジエリンスキ、マリオ・ルイ、ヒサイを含めて私は選手全体に多くの自信を植え付けてきた。






















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