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今年のナポリを表す漢字一文字は「変」であることに気付かされたリヴァプール戦 その3
前編はこちら
開幕2試合を終え得点7失点7
ファンの不安を尻目にアンチェロッティは失点の多さを意に介さず
今季ホーム緒戦となるサンプドリア戦の試合前日会見で、これまで作り上げてきたスタイルに自信を見せる。
これまで7失点しているが、我々はキャンプを通じて作り上げてきた選手の特徴に基づいたゲームスタイルに自信を持っている https://t.co/v330EqKE7n
— hide Ⓝ 1926 (@papocchio) September 13, 2019
試合は2-0でサンプドリアを一蹴
クリーンシートを達成したことで監督の言葉を裏付ける結果となる。
ファンも一安堵し、カンピオナートでは昨季までのナポリのレベルであることを再確認。
ミッドウィークに行われるチャンピオンズリーグの緒戦のリヴァプール戦で今季のナポリが欧州の舞台でどこまで戦えるチームになっているかが焦点となった。
昨季のアンフィールドでの決戦での惨敗はサッリボールの終焉と、ここ10年間ナポリ躍進の象徴であったハムシクの退団を決意させる一因となるなどナポリファンにとってはチームの転換点として忘れ難いゲームとして記憶されている。
今年のナポリはこれまでのチームの強化方針を見直し、新たなステージへ飛躍するチーム改革が問われる年であると位置付けられている。
そのためのアンチェロッティ招聘であるのは言うまでもない。
昨季のアンフィールドから学んだ教訓をアンチェロッティと選手が示せるかが焦点となったリヴァプール戦
ナポリはその持てるポテンシャルを存分に発揮する。
いやぁ面白い試合ですなぁ。
— 戸田 和幸 (@kazuyuki_toda) September 17, 2019
脳みそと口の筋肉が疲れる試合。
つまりは最高だという事です。
ナポリはこのペースが何処まで持つか、鍵はF・ルイス。
リヴァプールはプレッシングが効いてましたが待つとやや嫌な感じですかね。
途中から昨シーズンの試合に似てきた気もします。
このゲームの実況と解説を担当されたお二方、戸田和幸さんと下田恒幸さんのツイート
雑感CL第1節 ナポリ2-0リバプール
— 下田恒幸 (@tsuneyukishimo) September 17, 2019
敵の良さを受け止め、それに的確に対処する準備を攻守両面で施し、試合中に的確に事象の変化に対応する。アンチェロッティの深みが凝縮された試合。それを考えながら観る事ができたのは私の隣にいた教授の目と頭が速かったから。猛烈に情熱的で知的。良い開幕戦だった
そしてアンチェロッティがこの試合にかけた魔法を紐解いてくれる戦術にとても明るいinamoさんによるコラム
アンチェロッティと選手は昨季のアンフィールドのゲームから出された宿題を見事な形で応えてみせた。
『今季のナポリは期待できる!』
この時、誰しもが実感した偽らざる気持ち。
そしてCL明けの第4節アウェーのレッチェ戦でも4-1で難なく勝利を収め、勢いに乗り迎えたホームの第5節カリアリ戦。
このゲームこそがナポリの現在の状況に至るターニングポイントとなった試合となる。
KKを休ませるという余裕が伺える布陣
試合はホームのナポリが一方的にゲームを進め、最終的に放ったシュートは30本を数えた。一方のカリアリは5本しかシュートが放てず枠内は1本
その他スタッツ的にはナポリが大勝した試合だったのだが結果は0-1で敗戦
興味深いのはWho Scoredの機械採点によるチームレーティングはカリアリの勝利を裏付けていること。(ナポリ6.63に対しカリアリ6.92)
圧倒的に攻め込んでいたところで勝利が得られるものではないのがフットボール。
裏を返せば圧倒的に押し込まれていても敵に得点を許さなければ勝てるチャンスが巡ってくるのもフットボールで
格下のチームが格上に対し行う戦術の基本は【変わらず】今も昔も堅守速攻の見本のようなゲームだった。
試合後の感想で、かつて日本が格上のブラジル相手に起こした「マイアミの奇跡」をアトランタの奇跡と誤記したのは試合の内容に伴わない結果に少なからず動揺が残っていたのだと思う。
アトランタの奇跡みたいなことはロースコアの競技であるサッカーでは往々にして起きる
— hide Ⓝ 1926 (@papocchio) September 26, 2019
でもアップセットの起きる原因は強者とされる方の慢心に尽きる
仕留めるという気迫がナポリの選手には足りなかった
どんなに戦術がソフィスケートされてもそこにメンタルが伴わなければ片手落ちという見本
そのツイートでも触れているメンタル面。
そしてナポリのご意見番さんも、その時点でナポリの選手にあるメンタル面こそが次のステージに飛躍できないナポリの弱点であると看破していた。
一通りカリアリ戦について書かれたエントリーを読んでみたけれど、普段から戦術についてとても詳しく書いているご意見番さん達はサッカーでは起こり得る事象で運がなかった。というようなありきたりな意見ではなく、メガクラブとナポリのプレイヤーの精神的な構造の違いに言及している。 https://t.co/ra6UpE8eO9
— hide Ⓝ 1926 (@papocchio) September 27, 2019
※できれば上記のツイートのスレッドを最後まで読んでください。
このカリアリ戦を境にしてそれまで順風満帆に見えたナポリは突然【変調】をきたす。
残暑の暑さが残り厳しいコンディションのデーゲームで行われた第6節のブレシア戦
何とか2-1 で勝利を収めたものの内容はあまり良くなく、マノラスとマクシモビッチが相次いで筋肉の異常を訴え途中交代。
ディ・ロレンツォをCBにする窮余の策で何とか凌いだ印象だけが残った。
昨季まではデ・ニコラ博士に率いられたメディカルチームがとても優秀で怪我人が少ないことが選手層の薄いナポリの大きな武器であった。
シーズン開幕前から続くミリクの不可解な長期離脱もそうだが、何か不協和音のようなことが起きてる予感が筋肉に不安を抱えるマクシモビッチの不可解な起用にも見て取れた。
KKが前節退場し2試合出場停止の状況
若いルペルトよりもマクシモビッチの経験に頼りたい気持ちは分からなくもないが、結果的にマノラスとマクシモビッチが離脱せざるを得ないことで急にDF陣の台所事情が悪化する。
そのような状況で迎えたヘンク戦
ミリクの先発復帰、インシーニェの先発落ち
ジエリンスキではなく若いエルマスを選択
先発の布陣を見てチームを固定化しないで流動性のあるものにしたいと常々語るアンチェロッティの強い意志が感じられる。
しかし直前練習での覇気の無さからインシーニェの先発落ち、そしてベンチメンバーから外された件はその後ナポリ低調への大きな要因となり、最終的にあのロッカールーム騒動にまで発展するとはこの時点で露にも思わなかった。
試合は0-0のスコアレスドローに終わり、カリアリ戦でも指摘された精神面の弱さが改めて浮き彫りになる結果に。
リヴァプール戦は本来の力を出し切った本物のナポリだとすれば、格下と見られる相手にポロポロと取り零しをする凡庸なチームは一体何なのか?
カリアリ戦で生じたファンの中にある不安がこのヘンク戦を経てさらに増大していく。
つづく
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