人は変わらない(忘却の男、期待する女)

私の(元)夫は、他人にエピソードを話せば話すほど「ヤバイ男」と言われる人間だ。

何故そんなヤバイ男と結婚したのか、とよく聞かれるが、私は「人は変わらない」ということを理解しているつもりで、彼について「ヤバイ男だが救いようはある」と思っていた。

「基本に人は変わらない」が、転機があれば「それなりに変わる」と思っていたのだ。

結婚し、子が生まれ、1人では手が回らないほどやる事があるのに、何度言っても約束を守らない夫。物を無くす夫。干してあるシーツの目の前で、シーツを指差し「これ乾いてる?」と聞く夫。触ったらわかるやろが。
転機を迎えても何も変わらない(元)夫に対し、募る苛立ち。毎日兎に角苛々する。泥沼である。

そしてようやく気付いた。

「基本に人は変わらない」が、転機があれば「それなりに変わる」のではない。
転機があれば「それなりに変わる」事もあるが、「基本に人は変わらない」のだ。

結婚する前から、(元)夫は時間にルーズだし、洗濯物は苦手だし、約束や自分の発言はもちろん、携帯も財布も何なら鞄も忘却の彼方へ置いてきてしまう人だった。

人は変わらない、と分かっていたつもりでもしっかり期待してしまっていた。ヤバイ女である。

自分がヤバイ女である事に気がついた時、私は(元)夫と決別する事を決めた。
ヤバイ女から「それなりに変わる」転機にしなくてはいけない。さようなら、願わくばあなたは永遠に変わりませんように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?