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太陽の紙ヤスリ

夏が始まった頃はおしゃれな夏服を買い足してみたりして夏支度は万端だったものの、そろそろ夏の暑さにも飽きてきました。着る服も暑くないかどうかで決めて、とうとう最近は秋服のことしか考えたくなくなってしまいました。

お茶好きのわたしは、いつもお茶に合うようなおやつにアンテナを張っていて、休みの日には気になっていたドーナツ屋さんの新作とか、コンビニスイーツなどを買ってきて家でゆっくり楽しみたいものです。
しかし日中のこの暑さでは、買いに出ることも億劫です。何ならドーナツ屋さんに関しては川をひとつ越えなければならず、それこそ猛暑の日中に買いに行きでもすれば、命の危険すら感じる。(頭への直射日光で、これ以上脳細胞が死んで更にバカになってしまうと困ります)
真夏の日中は、思いつきの行動も制約が付いてくるようです。

20年ほど前の幼少期の頃、
「今日はものすごく暑いよ。33℃もあるからね。」という会話をしたような記憶がある。
やはり昔と比べて暑くなったのか。とても気になった。
しかし所詮は子供の頃の記憶なので、客観的信憑性はない。そこで自分の地域における8月の最高気温を、気象庁の過去のデータからサラッと見てみた。
そうすると意外にも、ここ数十年の最高気温はそれほど大きな変化はなく、50年ほど前でも最高気温が37℃の年もありましたし、「右肩上がり」ということではありませんでした。

もしかして、思いつきでドーナツを買いに行けるのも、年変動があるということなのか。
実は来年はそれほど暑くなくて、思いつきの外出が許される夏が来るのかもしれない。
しかし少なくともここ数年は、暑さに更なる拍車がかかっていることは、体感的にも間違いないかと思う。

日の照り方がおかしいのではないか。
明らかに身体にダメージを食らわすような、刺すような日差しであり、数十分歩くとそんなに粗くないヤスリで優しく削られ続けるような、嫌にじっくり痛い感じがする。

わたしがまだ体育をしていた頃は、日焼け止めを塗らなくても、多少日焼けするが痛みはなかった。
それが今、ものの10分歩いただけで腕がヒリヒリし、太陽光線のヤスリでサリサリと磨かれる。

わたしはてんびんにかける。
自転車で30分コースのヤスリか、8月のドーナツか。



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