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どうして嘘に騙されてしまうのか?-騙される仕組み-

現代では血が流れる戦争と同時にインターネット上でも争いが起きる事をご存じでしょうか?それは情報、インフォメーションを巡るバトルです。
本noteでは嘘に騙される理由を"ディスインフォメーション"という情報の戦争の観点から解き明かしその対策について考察します。

何故嘘を見抜けないのか


誰もが「騙されたく無い」と思い、嘘を警戒しています
知人から「最近よく会ってるあの人は怪しいよ」と言われたとしても、

(私は警戒してるし嘘を見抜けるから大丈夫)

と考える人も多いでしょう
しかし、そこに危険があります
騙されるかどうかは詐欺師に出会う前にほぼ決まってるからです

こちらのnoteでは実際にアメリカや台湾で起こったフェイクニュースで戦略的に人を騙す「ディスインフォメーション・キャンペーン」という手法を元に騙される人になる仕組みの一例を紹介します。

「騙される仕組みはどうでもいいから予防法だけを知りたい」という方は姉妹編の騙されない為の10
の技術
からお読みください

騙される第1段階 -メディアの嘘に気付く-

報道メディアの衰退は以前から報じられています。
単純な売上の低下という面だけではなく

「メディアや政府は真実を伝えていない」
「朝日は左翼、読売は自民に忖度してる」
「フェイクニュースばかり」

という印象を抱いている人も少なくないでしょう。実際に誤報を指摘される事もあるのでその指摘自体は大きく間違っている訳ではありません。
しかし

「マスメディアは嘘をついている」

それに気付く事が「騙される」第1段階です。

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嘘を信じる第2段階 -真実を知る-

そのような人は何故マスメディアの嘘に気付く事が出来たのでしょう。いくつかパターンが考えられるので例示します。

(1)報道に対して自ら調査を行い誤りを見つけた
(2)メディア自身が誤りを認めて訂正した
(3)誰かが嘘を告発をして真実を知った

恐らく1番多いパターンは(3)でしょう。

告発の場が少なかった平成までの時代と違い、今は朝のニュースへの告発を誰でも手軽にSNSを通じてお昼にできる時代です。
そうして悪を成敗する爽快な告発時には残酷でも感情を揺さぶる真実を少しずつ知る事になります。

そのような真実に触れ続ける事が第2段階です。

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嘘を信じる第3段階 -馬鹿を発見する-


メディアの嘘を知り、そして真実を知りました。
しかし嘘に気付いていない人が世の中にはまだたくさんいます。
そのような真実を知らない人達がだんだんと許せなくなってきます

(何故あの人たちは騙され続けるんだろう??)

そして善意から真実を他人に教えようとする…これが第3段階です。

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嘘を信じる第4段階 -馬鹿に攻撃される-

結論から言うと殆どの人は真実を受け入れません。
丁寧に自分の言葉で真実を説明してもまるで聞き入れてくれず、ならばと真実が載ったURLリンクをリプしても攻撃的に反論され、終いには捨て台詞と共にブロックされます。

初めは善意からだったのに攻撃を受けた事で新たな真実に目覚めます。

真実に気付けた特別な私

騙されていつまでも気付けない馬鹿

が世の中には居るという事を。
そうして特権意識を持つ、これが最終の一歩手前です。

※余談。部下の育成をした事がある方ならお分かりだと思いますが「自分の言葉で他人に説明する」という所は思考を定着させる危険なフェーズになります。

嘘を信じる最終段階 -仲間ができる-

TwitterのようなSNSは似た要素を持つ者同士が集まる習性があります。初めは孤独に真実の為に戦う個人だったのが徐々に集い始めます。みんな数少ない真実に目覚めた同士です。みんなで無知蒙昧な馬鹿に説明して、攻撃されて、嘲笑って、さらに結束を固めます。これで完成です。

この段階で仲間から「自分の知らない真実」を伝えられるとほぼなんでも信じてしまいます。
何故なら仲間は自分と同じ特別な存在であり、それを信じないと言う事は特別な自分の否定にもなるからです。
目の前には仲間たちから共有されるショッキングでスリリングな真実が毎日のようにシェアされます。

もう親兄弟から何を言われても意見を変える事はできません。
あの真実に気づいてからの高揚感が全て嘘になってしまうから…

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まとめ

まとめます

・嘘ばかりのメディアを見限り
・悪を暴く真実を知り
・他人を救おうとして
・何も知らない馬鹿から攻撃されるも
・同じ志を持つ仲間が増える


こうして騙されやすい体質になります。

過程の進行度合いは人によって違います。1月で完成する人もいれば数年がかりの人もいるでしょう。そして無邪気な仲間に囲まれて楽しく真実を語り合っていたらある時突然、悪意の塊の詐欺師に出会うこともあるのです。

この状態で"目覚めてる"詐欺師と出会うのは、全身にはちみつを塗った人が熊と出会うようなものです。
こうなる前に進行を止めなくてはいけません。


言うまでもなく右翼や左翼は関係ありません。

台湾やアメリカで行われたのは徹底的な政府・メディアの信用失墜工作と"真実"の提供であり、その影響もありヒラリーは敗北しトランプ大統領が誕生し、台湾では独立派の民進党が攻撃されました。

熱狂に包まれてトランプ大統領の船出を喝采した無邪気な"目覚めた支持者"の勢いは4年間の間に様々な焚き付けを経てホワイトハウスを占拠して死傷者を
出すまでに至りました。

このような敵国が嘘を信じやするディスインフォメーション・キャンペーンは国 vs 国であろと個人 vs 個人でも有効であると思われます。

私たちはいまSNS上で常に誰かに騙されるリスクに晒されています。
姉妹編のnoteではこのような事態を踏まえた上で予防技術を10ほどピックアップしたので参考にしていただけたら幸いです。

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