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シャニマス5.5thを受けた個人的感情(前編)

この記事について

10月21日に幕張イベントホールにて開催されたイベント、「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5.5th Anniversary LIVE 星が見上げた空DAY1」に関する、感想を含む雑記です。

この記事の大半は、Day1当日の夜から翌日の早朝にかけて、最速アーカイブを見ずに記憶と印象に頼って書かれた物です。内容に不備や不正確な記述があるかと思われますが、ご容赦ください。また、「前説」の部分はライブ本編とは無関係な個人的事情について書かれており、ライブそのものについての記述は「当日」の項から始まります。


前説

個人的に(~2022年度)

まず、自分とアイドルマスターシャイニーカラーズとの関わりについて、軽く整理する。ゲームをプレイし始めたのは2020年6月頃、イベント「天塵」のバナーが表示されていたことを覚えている。初めてのライブ視聴は、2021年3月に行われた2ndライブ。ここから長い付き合いになる、”声優ライブ”という物に触れた瞬間だ。次いで、同年4月から5月に掛けて行われた3rdライブは複数公演を配信で視聴。そして12月の「Xmas Party -Silent night-」、いわゆる"クリパ"を経て、翌年へ。2022年4月23日、幕張で行われた4thライブは、記念すべき声優ライブ初現地ということになった。ここからは非主催イベントにも手を広げ、現地・配信を合わせて一年間でなんと8回ライブイベントにリアルタイムで参加した。
長々と書き連ねて、結局何が言いたかったのか。つまり、2021年度と2022年度は言わば”シャニマス漬け”の2年間だったのだ。

個人的に(2023年度)

では、2023年度はどうだったのか、という話である。まずイベント参加から整理すると、今回が初めてのライブ参加だった。(7月に行われた「我儘なまま」は、家庭の事情により現地チケットを手放さざるをえなかったのだが。)つまり、ライブの参加頻度が下がった。そして、卵が先か鶏が先か、という形でシャニマスというコンテンツへの熱量も相応に下がった。元来ソシャゲのプレイヤーとしては勤勉な方ではないから、毎週のようにウィークリーミッションを土曜の夜に慌てて消化しているような状態ではあったのだが、今年度に入ってからは、所謂”ログイン勢”と化していた。

どうしてこのような状態に陥ってしまったのか。原因を大まかに分析すると、以下の三点に整理することができる。

①単なる陳腐化と、それに伴う新たなコンテンツの流入。
②身近なファンダムの縮小。
③5thライブ以降の路線が微妙にnot for meだから。

①について、多くを語る必要はないだろう。あらゆるコンテンツは陳腐化する、これはどうしようもない事実だ。賞味期限のない生鮮食品など存在しない。

②について。もちろん全てのコンテンツは一人で楽しむこともできるが、他者との共有もまた娯楽としての本質の一つだろう。
自分の属するシャニマスのファンコミュニティは、主に大学の入学同期によって構成されている。2023年度は入学後四年目にあたり、ストレートに進級していれば院試・就活といった進路決定に関わる一大イベントが控えている年度であった。残念ながら自分には現状あまり縁のない話だが。個人のバイタリティには限界があり、実生活に割く資源が増えればファンとしての活動量は減少する。具体的な例としては、定期的にDiscord上で開催していたシャニマスのコミュを読むことを目的とした集まり(”定例会”と呼んでいた。)が自然消滅したことが挙げられるだろう。

③について。端的に言うと、自分は5thライブでの斑鳩ルカの283プロへの加入に関する演出や、それ以後の運営の態度をあまり快く思っていない、ということだ。これは批判ではなく、否定的な感想である。シーズの加入によって虹の七色が揃い、これからは追加ユニットなし、という話で落ち着いたのではなかったか。なんでゲームを起動する度に、よく知らない黒髪が知らない事務所のプロデューサーと揉めている様を見せつけられなければいけないのか。全体的に気に食わないな、と感じていた。これはいわゆる”老害”とか、あるいは”懐古厨”だとか言われても仕方がない態度だと自覚している。

好きになれないコンテンツにしがみつく必要はなく、気に食わないなら黙って離れれば良い、という考え方もある。それなりに検討したが、シャニマスの方針への嫌悪感よりも、283プロやノクチル、浅倉透への愛着が強かったから、ここにいる。但し、このライブの内容次第ではシャニマスとの関わり方を再び検討する必要があるかもな、とは考えていた。


当日

ようやく本題である。ここではライブ本編についての所感を、出演ユニット毎に分けて記述する。曲名は太字とし、敬称は略した。

当日のセトリ。画像はアイマスDB様の投稿より。

○コメティック

この日の素直な感情をとても猥雑な言葉にまとめると、「シーズ程じゃないな。」という所になる。まず、シーズは自分がアイドルマスターシリーズに関わり始めてから最初に追加されたユニットであり、その次の追加ユニットであるコメティックのことも自然とシーズと比較して評価してしまう部分がある。そして、この日のコメティックのパフォーマンスについて、シーズの築いた大変に高いハードルを超えてきたかというと、そうでもない、と感じた。当然、ファンとしてのシーズへの肩入れや贔屓目を含む比較だから、これが妥当な比較評価だとは思わない。理不尽なことを言っている自覚はあるが、これは個人的な感情の問題だ。

また、これはパフォーマンス云々以前の問題として、楽曲の方向性に関しても一点ある。よく言われている所では、コメティックの楽曲は、"ボカロっぽい"とされる。個人的にも、2010年代初頭のボーカロイド文化圏で流行したwowakaを端緒とする高速ボカロックの系譜に通じるものを感じさせる音楽だと考えている。ボカロP・kemuこと堀江晶太がベースとして楽曲に参加しているとも発表されたことだし、この言説には一定の正当性があると言えるだろう。これらを前提として、コメティックの楽曲に感じている不満を述べる。
個人的な事情として、高校時代はボーカロイド文化圏の音楽を中心として生きてきたので、この方向性の音楽にはかなり親しみがある。故に、コメティックの楽曲にはあまり新鮮味を感じることができない。それどころか、妙に既視感のある音が続くことも多く、ことによっては陳腐さすら覚える。再度シーズを引き合いに出すと、この点においては、自分があまり親しんでこなかったK-POPやヒップホップの要素で斬新な音楽性を提供してくれたシーズとは対極的であるとすら言える。追加ユニットならではの斬新さ、新鮮さを楽曲面ではあまり感じられないこと。これが個人的なコメティックへの印象を大きく損なっているのは確かだろう。

ただ、サプライズ披露された新曲のくだらないや。これはすごかった。特に郁田はるき役、小澤麗那による落ちサビ頭のソロ歌唱。ここだけはなんというか、”認めざるをえない”という気持ちにさせる物を感じた。

○シーズ

足掛け2年もの間を283プロ一番の後輩として過ごし、常に100点満点に120点のパフォーマンスで回答してその足場を築いてきたシーズが、初めて先輩として立つステージ。正直、3周年記念衣装であるユナイトバースプラネタリ、3rdライブと4thライブで散々目にしたあの衣装……でパフォーマンスを披露するシーズが再び見られただけで感無量、という感じではあった。先輩としての余裕を持ち、随所にアドリブやアレンジを挟む様子には、3rdライブ当時のストレイライトの面影すら想起させる。先週発売されたCDの予習をせずに来てしまったことは申し訳ないが、新曲であるSWEETES BITEのパフォーマンスも素晴らしかった。

○ストレイライト

ユニット単体で歌唱した楽曲を順に並べると、Overdrive EmotionTimeless Shooting StarStart up Stand upHide&AttackWandering Dream Chaserの五つ。新曲であるStart up Stand upを例外として、他の歌唱曲はリリース順の逆順となっていた。セトリ本来の意図はよくわかっていないが、会場では、徐々に過去へと遡っていることを感じながら「これって老害オタクの葬式?」などと考えていた。最近演っていなかった曲も、新しめの人気曲も抑えた手堅いセトリで終盤に向けてしっかりと盛り上げられて、大変満足。声優さんのパフォーマンスについて”調子”などという言葉で語るのはかなり下世話だと思うが、正直なところを言えば、「今日のストレイ調子良すぎる。」という雰囲気だった。敢えて白眉を挙げるのならHide&Attackになるだろうか。

○ノクチル

追加ユニットとしてのノクチルの初舞台であり、無観客ライブであったMUSIC DAWNの再演、という点に尽きる。MUSIC DAWNが行われた会場は幕張イベントホールである、という噂話は耳にしたことがあり、引き合いに出される可能性は想定していたが、ここまで丁寧に再演されるとは思っていなかった。
また、あの花のようにでは2階トロッコで場内を一周したが、振り向いた際に目に入った天井電飾がとても綺麗だった。この曲は毎度花火をモチーフとしたライト演出で楽しませて貰っているが、今日に関しては電飾の配置が完全にそれに”向いている”と感じた。
確か今しかない瞬間をのパフォーマンス時だったと思う。センターステージにて和久井優と土屋李央が背中合わせで歌唱し、岡咲美保と田嶌紗蘭がその前に膝立ちで控えるという体型から、岡咲・田嶌が歌唱するパートに備えて立ち上がる、という振り付けがある。このとき、土屋李央の横顔を捉えていたモニター映像では、画面下部から田嶌の顔がポップアップしてくるような写り方になっていて、大変面白かった。
セトリ全体に関しては概ねストレイライトと変わらず、新曲を挟みつつ徐々にリリース順を遡る、という構成だった。
ところで、海の底へ潜っていくようなノクチルって、なに?

○総評

セトリ全体を概観すると、Resonanse+シャイノグラフィAmbitious Eveという名前が目につく。これらはいわゆる”周年曲”であり、このライブではその曲がリリースされた時期に追加されたユニットとコメティックによる歌唱という形で届けられた。これをどう受け止めるか。
個人的には、シャニマスなりの「禊」だったと理解している。ここまでの周年曲を歌唱することで、異分子である新ユニットを正式に迎え入れるための通過儀礼というか。
また、来たる6thライブに向けた地均しでもあったのだろう。コメティックは今度リリースされる最初のCDの収録曲を全て晒し、周年曲を歌う事で283プロへの本格的な加入を果たした。従来のユニットは、5thライブで披露しなかった曲を中心に歌唱することで歌唱頻度の偏りを埋めた。次のライブの存在を見据えて、そこで全く予想のつかない最大限のパフォーマンスを見せるための準備としての5.5thライブだったのではないか。

後説

上では、このライブはシャニマスとしてのコメティック加入に際する禊、あるいは次のライブに向けた地均しであった、と書いた。では、個人的にこのライブをどう受け止めるか。
このライブがコメティック加入のための通過儀礼であることは、シャイノグラフィの歌唱メンバーを知った瞬間に察した。さまざまな感情が湧き上がったが、最も大きなものを言語化すれば「なんでこんな儀式に付き合わされなきゃいけないんだ。」という所に落ち着く。他のユニットのパフォーマンスを素直な気持ちで楽しんでいる時に、唐突によく知らないアイドルによる聞き覚えのない曲が挟まると、一瞬気持ちが冷めてしまう。つまり、ライブ体験への没入がコメティックによって削がれていると感じていた。

結論を述べよう。Day1の時点での自分は、シャニマス側からの「コメティックを共に迎え入れましょう」というお誘いに乗る気にはなれなかったのである。では、Day2ではどうだったのか。後編に続く。


余談だが、今回は公演直後にSpotify上で公式にセットリストをプレイリスト化したものが公開されている。新曲・くだらないやの先行リリースと併せて素晴らしい取り組みだと思う。良い時代になったものである。

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