水星

テレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第12話の感想文です。





放送日から随分間が空いてしまったけど、ようやく水星の第12話を見た。ネタバレを積極的に踏んでいたわけではないけど、そこまで意識的に回避したわけでもないので、インターネットで散々問題になっていたシーンについてはある程度知っている。


ラストのシーンが大問題なのは事実だけど、Aパートの内容だって十分大事だ。ヴィム・ジュターク(グエル父)がモビルスーツに乗って出撃した時点で、こいつ死ぬんじゃないか……?とは思ったんだけど(そういうものなので)、グエルくんが出撃するのを見て嫌な予感がして、交戦相手がディランザっぽかったのでもうダメかも……と思い、やっぱりダメだった。

それにしても、出撃後のグエルくんは随分情けなかった。グエルくんは十分優秀なのに親父さんの操縦スキルが高すぎたという話なのか、所詮決闘ができるだけで実戦は未経験の子供だという話なのか、どちらでも良いと思う。お父さんがグエルくんの操縦スキルを信用していないような描写が多かったことが、若かりし頃のお父さんはもっと優秀だったということだったとしたら、悲しい話だ。
ともあれ、スレッタはあんなんだし、水星の魔女という作品でシンプルな成長ストーリーを見せてくれそうなのはグエルくんだけなので、この悲劇を乗り越えて頑張って欲しい。

Bパート。スプーンの持ち方が云々とか、だからスレッタは精神が未発達だとか、母親に洗脳されてるとか。インターネットで本当に散々な言われようをしていたので相応に身構えていたんだけど、蓋を開けてみれば既視感のある、ガンダムシリーズの典型的なお話だった気がする。

まだ戦士になりきれていない、戦いの現実を知らない子供がテロとかに巻き込まれて、「あなたしかみんなを救えない」という状況で、顔の見える命のために顔の見えない命を切り捨てる選択をして、武器を手に取る。歴代ガンダムにそこまで詳しいわけではないんだけど、これは昔のガンダムだったら1話に設定されていたような、超基本的な主題だったはずだ。逆に言うと、この水星の魔女という作品は、1クールかけて丁寧に第一話をやっていたのかもしれないなとも思う。普段のガンダムだったら、戦いの場に出され続けて精神が歪に発達してしまう主人公たちは、変な女に引っかかったり、幼馴染や許嫁と仲違いしたりするんだけれど。スレッタとミオリネさん、そして地球寮のみんなはどうなっていくんでしょうね。

個人的には、意外と大丈夫なんじゃないかな、とも思う。第7話の大立ち回りと、自分たちの将来のために父親に頭を下げる姿は、ミオリネ・レンブランさんがガンダムシリーズにおけるただのヒロインではない、自分の意思を持って未来を切り開くことができるもう一人の主人公であることを十分に予感させてくれた。そんなミオリネさんがいれば、スレッタも「進めば二つ」で母親からの自立と会社の成功を達成して、みんな仲良くハッピーエンド!になったりするんじゃないか。なってくれないかなぁ。……。

第二クール楽しみですね。

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