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クラブイベントに行ってきた!

この記事について

2月3日夜から4日早朝にかけてZERO TOKYOにて行われたイベント、GOLD DISCのレポート、感想です。


GOLD DISCとは?

そもそもGOLD DISCってどういうイベントなのか。公式サイトの言葉を借りれば、「それぞれ異なる色を放つ4フロア回遊型のクラブイベント。」という感じ。kawaii future bass周りのコンポーザーやシンガー、パフォーマーから、K-POP系のアイドルまで、様々ジャンルのビートメーカーが集まるクラブイベント。

会場であるZERO TOKYOは、2023年4月にオープンした歌舞伎町タワーの地下にある。B1が受付とロッカー、B2は「R BAR」と「BOX」という二つの小さなブース、B3は「RING」というサブフロア、B4に「Z HALL」というメインフロア、という構成。細部については下の記事に詳しい。

どうして行こうと思ったの?

まず第一に、敬愛する星宮とと+TEMPLIMEが出演していたから。彼らは頻繁にイベントに出る方ではないし、会える時は会っておいた方がいい。その上で、somuniaやAiobahnといった日頃からお世話になっているアーティストも来るようだし、流石に行くしかないか……!という感じ。

本式のクラブイベントに行くのは完全に初めてだったけど、ここまでそれなりに段階は踏んできた。まずは昨年1月辺り、電音部のイベントでDJという物に何度か触れた。9月の暴カワでは、初めてDJがメインに据えられたイベントに参加し、TEMPLIMEのプレイに出会った。そして、11月には星宮とと+TEMPLIMEのパーティーに行き、星宮ととやTEMPLIMEのことがもっと大好きになって帰ってきた。振り返ってみると、ここまでの道程があまりに綺麗に舗装されていて、ややウケてしまう。

これはイベントのフライヤー。

当日!

⓪入場前

イベント自体は23:00開始だが、22:00から整列開始とのことで、念の為21:30には新宿駅に着くよう動いた。思ったより全てがスムーズに運んだため、歌舞伎町タワーの周辺で20分ほど暇になり、お隣にある東京ミステリーサーカス内の売店で暇を潰す。そして、2月の寒空の下で一時間きっかり待機。

結論から言えば、こんなに余裕を見て動く必要はなかった。イベント自体も最初の一時間くらいは様子見という感じだったし、メインステージに関しては23:00時点ではまだ閉鎖されていた。実際、そんなに早くから来ている人はあまり多くはなく、先頭から数えて10人目くらいで入場できてしまった。

どうしてこんなに早く来たかと言えば、このイベントではタイムテーブルが公表されておらず、好きな出演者が開幕でプレイしているかもしれないと思ったから。そして、全体的に初めてのことが多く、一人だったこともあって不安だったから。こういうのは経験だと思うので、次に活かしていきたい。

そんなこんなで、漸く入場が始まる。ゲートでは、いつものイープラスを利用した認証の後で、手首にスタンプを押される。これはブルーライトを当てると光るもので、恐らくVIPと一般入場者をスタッフだけが区別できるようになっているのだと思われる。よくできていると思う。

前述したように殆ど先頭で入場してしまったので、初めはあまり人がおらず、空気もひんやりとしていた。せっかくガラガラなので、今のうちに全体を探検することにする。

①23:00~23:45  naePi-YO、他

まずB3に降りると、「RING」ではnaePi-YOがプレイしていた。この人は電音部のYouTubeチャンネルに上がっている公式Dance  Music Mixを作っていたりするので、名前はよく聞く人、という感じ。エスカレーターで降っている段階からD.I.Y.(BOOGEY VOXX)が聞こえており、いきなり馴染みのある曲でテンションが上がったことを覚えている。

B2では、「BOX」の方でインドア系ならトラックメイカー(Yunomi)が掛かっていた。この「BOX」は、文字通り小さな箱のようになっている閉鎖的な部屋で、既に音と熱気の強烈さが印象的だった。渋谷とかにあるボックス型喫煙所を少し大きくしたような広さで、言うなれば聞くサウナ、みたいな空間。

B1には、ロッカールームがあった。現金オンリーの400円で、上着を脱ぐにはまだ涼しかったので迷ったが、結局預けることにした。コインロッカーを一人で使うのは未だに抵抗があるが、最後は割と汗だくだったので、良い判断だったと思う。

B3まで戻ると、KOTONOHOUSE特有のサウンドロゴが耳に入る。確かミッドナイト、スターライト(ななひら)だったと思うが、それにつけても、こういう所で聞く「えっ、アタシ?」の嬉しさというか、安心感は癖になる。naePi-YOはこの後も、OPENING(KMNZ)、GO! GO! MANIAC(放課後ティータイム)、ムーンライト伝説(DALI)、Hyper Bass(電音部)のKOTONOHOUSE Remix辺りの知名度の高い歌モノを中心に選曲していて楽しかった。

naePi-YOのパフォーマンス。

②23:45~24:10  星名はる with DJ GreedZaurus

naePi-YOの持ち時間が終わる頃合い、ステージにアイドルらしき女性とDJらしき男性が現れる。どうもアイドルの方に見覚えがあると思ったら、さっきまでフロアで隣にいて、一緒にnaePi-YOのDJを聞いていた人だった。客にしてはえらく気合の入った格好だとは思っていたが、演者だったのか。クラブってそういうこともあるらしい。

星名はるのステージは、いかにもクラブミュージックという雰囲気の音楽の中で、アイドルそのものみたいなパフォーマンスを見られるミスマッチが味だった。フロアの煽り方がかなり上手くて、聞いている分には相当楽しい時間だったと思う。「じゃんけんのグーチョキパーを交互に出しながらぷちょへんざする」みたいな複雑な指示を出されて、初見とファンの反応がぱっきり別れていたのも印象深い。

③24:10~24:30  Cola Splash、他

Cola Splashは、遠目にもイカつい風貌のお兄さんで、DJ。そんな見かけに反して、一曲目に掛かったのが宇多田ヒカルのHEART STATIONだったので、かなり拍子抜けした。その後はイメージ通りに全然知らないジャンルの音楽で、一時撤退。

ここでなんと、今まで閉鎖されていたB4の「Z HALL」、メインステージの入場待機列形成が始まっている事が判明する。メインの一番手は今日最大の目玉である星宮ととだったので、慌てて向かってみた所、もう結構な人が並んでいた。まぁ、つまりプレミだったんだけど、これも勉強。

④24:30~01:20  星宮とと+KBSNK(TEMPLIME)

階段で15分ほど並ぶと、入場が始まった。そんなに良い順番で入れたわけではなかったんだけど、人混みの中で思ったより前に出られて一安心。人心地ついた所で、これまで経験したことがない位に音量が大きいことに気が付いた。

音が大きい事を形容して「心臓に響く音」と言ったりするけど、これはなんというか、「音の塊に身体を直接殴られている」みたいな感じだった。音量ってのは基本的にデカければデカいほどいいと思っていたんだけど、今回は初めて、自分の耳が心配になる経験をした。実際、数日経った今でも軽く耳鳴りがするので、ライブ用の耳栓は必要なのかもしれない。

星宮ととは音楽活動をメインに活躍する、いわゆるVシンガー。KBSNKカボスニッキは、TEMPLIMEテンプライム名義で星宮の楽曲の大半を手掛けるトラックメイカー。入場の時点では星宮は登場しておらず、KBSNKが一人でInaを掛けていた。その後も暫くDJタイムが続く。TEMPLIMEのDJらしく、全然知らない曲も多かったけど、急にmore than words(羊文学)を使ったマッシュアップが流れ出したのには驚かされた。そんなことあるんだ。

星宮のステージ自体は概ね期待通りという感じであり、特に昨年末にBandcampでリリースされた新曲、hello snowを生で聴けたのがとても嬉しかった。新作のMVも二つほど見せてもらったので、これからのリリースが楽しみ。最後の一曲はタイムサーフ、1stライブと同じ締め方だったので、ファン的な嬉しさもあった。

星宮ととのステージ。

⑤01:20~01:40 somunia

星宮のパフォーマンスが終わると、ステージに別のDJが現れ、somuniaのステージが始まった。(後でわかったことだけど、このバックDJはgaburyuだったらしい。)

somuniaは音楽活動をメインに活躍するVシンガーで、活動形態としては直前の星宮と共通する部分が大きいと言える。ただ、この日に関して言えば、星宮は3Dモデルを投影して登場したのに対し、somuniaは一枚絵を基調としたVJ演出だったので、印象はそれなりに異なっていた。

セトリはwish(Aiobahn)、last night(パソコン音楽クラブ)、ウォーターマーク、swim(どちらもgaburyuによるボカロ曲のカバー)等、この日出演した共演者達に纏わる楽曲が多くて粋を感じた。特に、Stream(hirihiri)は元々大好きな曲だったので聞けて嬉しい。あと、power!(yaca, hirihiri)のカバーは、製作者からしてヒップホップ風味のある曲だったので、somuniaのオリジナル楽曲ではなかなか見られないような言葉遣いのリリックが多くて楽しかった。

最後の一曲は、「やっぱりこれを歌わなきゃ締まりませんよね!」という言葉と共に掛かったtwinkle night。なんと、オリジナルの歌唱メンバーであるnyankobrqとyacaがサプライズで登場して、会場も信じられないくらい盛り上がっていた。それに呼応するように、somuniaの歌唱も普段より強く訴えかけるような物に変わっていって、この上なく楽しい時間だったことを覚えている。

twinkle night歌唱時のsomuniaのステージ。
下手側がnyankobrq、上手側がyaca。

⑥01:40~02:30 パソコン音楽クラブ、他

少し転換の時間を挟んで、次に登場したのがパソコン音楽クラブ。馴染み深いPUMP feat.chelmicoを最初に掛けてくれて嬉しかった。かなり疲れていたので、これを聞きつつメインステージから一時撤退。

B3に戻ると、「RING」ではSONOTAのパフォーマンスが大詰めを迎えていた。SONOTAは女性のトラックメイカーであり、ラッパー。電音部のキャラクター、安倍=シャクジ=摩耶役を務める声優でもある。SONOTAのパフォーマンスには元々興味があったので、少し見かけることが出来て嬉しかったし、次はよりきちんと見られる機会があればと思う。

お酒を飲みにB2へと向かうと、バーカン横の「R BAR」前で外国人の方達がめちゃめちゃに踊っていた。踊るといっても、自分を含めた日本人の音楽好きがステージ前でやっているようなぴょんぴょんとは根本的に異なる、手足や全身をフルに使ったガチの踊り。興味より怖さが勝ったのですぐ逃げたけど、楽しそうではあった。

⑦02:30~03:30 kegøn、lilbesh ramko、STARKIDS

パソコン音楽クラブの終盤にメインステージへと戻ると、今までとは全く異なる世界が広がっていた。ここまで見てきた演者は、例えば暴カワでも会えるような、二次元Vシンガー文化やkawaii future bassに近しく位置する方が多かったと思う。一方でここから登場するのは、ヒップホップというか、ハイパーポップというか、とにかく今までの演者とは一線を画すジャンルに属する人たち。

何が違うかと言うと、とにかく客層が違う。まず女性が多い。ステージに向かって絶叫しながら手を振る女性の強火ファンがたくさん居たりして、彼らに背後を取られた時には独特の緊張感があった。そして、外国人も多い。ある時は、目の前にいた大柄の白人たちが口論を始め、最終的にFワードを連呼する揉み合いにまで発展したのでかなりヒヤヒヤさせられた。

客層が違うので、当然文化も違う。サークルは当たり前のように何度も起きたので、割と良い位置にいたこともあって結構大変だった。他にも、一部の人たちが、なんと言うか、喜びを表現する為の取っ組み合いみたいなのをしていて、怖かったが楽しそうだったりもした。

当時は全てが初めての経験で、楽しさと怖さが半々といった所ではあったけど、クラブという空間がそのような場所であると知ることが出来たのは良かったと思っている。

⑧03:30~04:30  Aiobahn

そんなこんなで、いよいよAiobahnのステージ。流石に大トリを務めるだけあって、人気が大変に凄まじい。ここで言う人気とは、熱気や盛り上がりとは別に、人口密度の話になる。つまり、限られた面積のフロアに大勢が殺到するので、 前にいると後ろから人波がぐっと伝わってくる感覚になる。

実は、選曲や細かいパフォーマンスについてはあまり覚えていない。あまりの人混みでスマホを手に取る余裕がなかったというのが一点、そして、ここまでずっとステージに張り付き続けていたので、疲労で意識が曖昧になっていたというのが一点。

数少ない記憶としては、Aiobahn本人が電音部に書いた、going…とぺトリコールを渡っての2曲を掛けてくれたこと、それでフロアが大層盛り上がっていたことが挙げられる。慣れ親しんだ電音部の楽曲を、明らかに住む世界や文化を異にする人々が楽しんでくれているのは、それはそれで特別な嬉しさがあった。


Aiobahnのステージ終了直後、退場中のメインステージ

総括

人生初のクラブイベントはこんな感じだった。楽しみ方についての反省点はたくさんあるけど、総じて良い体験ができたし、良い思い出になったと思う。

ZERO TOKYOはとても良い会場だったし、GOLD DISCはまだまだこれからも開催されると思うので、また行く機会があるといいなと思います。(終)

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