見出し画像

酒井省吾さんフリーランスへの不安を少しでも和らげる記事


データイースト、ハル研究所に所属し『MOTHER3』『カービィのエアライド』『タッチ!カービィ スーパーレインボー』、25周年記念オーケストラコンサートなどに携わった酒井省吾氏がフリーランスとなりました。

この話はJCAAのエッセイである「今月の作家」に酒井氏が寄稿したことをソースとします。

特にこの話は広がったようで、引用ツイートなどでも衝撃を受けた方がいらっしゃるようです。

まず、結論から言えばこれは「そこまで不安にならなくて大丈夫」なことです。寝耳に水という話ではないのです。

何故そうと言えるのか。一つずつ見ていきましょう。目次で言いたいことを全部言っていますので、ささっと理解したい方は目次だけでも大丈夫です。


30周年記念ミュージックフェスで近々引退することを告白していた

2022年08月11日に星のカービィ 30周年記念ミュージックフェスが開催されました。この際発売されたパンフレットに以下の記述がございました。

5年前の「星のカービィ25周年記念オーケストラコンサート」では、オーケストラ編曲をメインで担当しましたが、 今回のフェスには、 わたしは少し引いたオブザーバー的な立ち位置で参加しています。 わたし自身、近い将来、年齢的に現場の一線から退くということもあり、“酒井が培ったノウハウ”を、後輩サウンドスタッフに伝授・移譲しているとこ ろなのですが、今回のような周年イベントとして開催されるコンサート制作に関しては、数年に一度あるかないかのタイミングです。

パンフレット P20

近い将来が思った以上に早かったですが、既に酒井氏は還暦を迎えております。後輩のサウンドスタッフも頭角を現している現状、良い機会だったのでしょう。

アンコールで指揮を執ったのも記念の意味合いがあったのかも知れませんね。

そもそもハル研に限定しない仕事を行っている

酒井氏は元データイースト、MOTHERシリーズに関与など同じカービィサウンドを彩る石川淳氏や安藤浩和氏、池上正氏とは違った属性を持っています。

例えば、前川清氏の『初恋 Love in Fall』と『それは、ラララ。』の作曲を手掛けています。

これは糸井重里氏との縁により実現しておりますが、このようにハル研究所とは直接関係しない仕事をしていました。

元データイースト

元データイーストという話も大事でしょう。転職を行うと、同じ企業に骨を埋める選択肢は必然的ではなくなります。

私自身の乏しい社会経験を用いた話にはなってしまいますが、転職を1回でもしていると企業と自分の位置を相対視しやすくなります(比較の話です)。自分が何をしたいかという視点を持ちやすく、単純に労働環境の不満だけでなく今後の自分の希望や課題を踏まえて企業に居続けるか考えるきっかけが増えます。

フリーランスとしてハル研と仕事する可能性は0ではない

そもそもフリーランスとしてハル研究所と今後仕事をする可能性も0ではありません。特定の企業に専従しないだけで、適宜契約を結ぶこともあり得るでしょう。

勿論、0ではないだけで必ずあるとは言っていません。

人は無理でも概念は残る

星のカービィシリーズを含めたコンシューマーゲーム産業のスタッフは、黎明期の人物が引退、逝去するフェーズに入りつつあります

価値を付与されているカービィサウンドもその陣容が今までは増えるだけで済みましたが、これからは減ることも覚悟しなければなりません。ある特定の人物を"推し"ていた方にとっては辛い話が今後は出てくるでしょう。

しかし、今回の件はもう100%作品に関わらない、関われない事態ではありません

幸いにも2023年現在、大原萌氏や小笠原雄太氏、下岡優希氏など若手のスタッフが頭角を現しております。人についてはどうにもなりませんが、これまでのスタッフが作り上げた概念を発展させ得る人材はいます。そのことは安心して良いと思います。

まぁ不安がない訳ではないですが、そこまで驚くようなことではないということを言いたかったです。

急いで書いたのでぐちゃぐちゃとしていますが、この辺で。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?