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ハル研のフライデー記事に対する感想

わざと無味乾燥なタイトルにしました。

注意点がございます。

  1. 当然と言えば当然ですが、筆者はハル研究所の関係者ではございません。

  2. 法律を持ち出していますが、筆者は法律に関して素人です。間違いなどありましたらご指摘頂けましたら幸いです。

  3. 公開情報を基になるべく可能性を高めた予想を展開しておりますが、あくまでも予想です。



ファーストコンタクト

私がこの報道を最初に知った時、驚きもありましたが何より頭の中を占めたのは

「もしかして…あの話と繋がっている?」

という、ハル研究所の動きと繋がっていそうだという予想でした。
この時点で私は報道を"フェイク"とは捉えていませんでした。

週刊誌はその報道姿勢や信憑性の問題から毛嫌いする方もいらっしゃいます(私も好きではないです)。

ただ読み始めて「ゲームの内臓ブラウザ」という記述で確信しました。

飛ばし記事ではない、しっかりとしたものだと。
(記事後半でフライデーの取材にハル研がおおむね事実と言っているため。当然なのですが)


ハル研の業務

ハル研究所と言えば『星のカービィ』シリーズが有名ですが、Webサービスも業務の一つとしています。

業務紹介を参照しますと、具体的には

  1. デジタルエンタテインメント商品の開発

  2. デジタルエンタテインメント基盤の開発

  3. キャラクタープロデュース

の3本柱ですが、今回の件は2番目のデジタルエンタテインメント基盤の開発にあります、ゲーム機等向けの各種ウェブサービス開発が該当します。


何が問題なのか

問題はいくつかございます。大きく分けて2点です。

  1. 情報伝達の問題

  2. 残業代未払いの問題

1点目の情報伝達の問題は、残業不可避のタスクが割り振られているのにも関わらずそれを低減・調整できる環境になかったことを指しています。

色々考えることもできますがnoteでは省きます。

問題なのは次の「残業代未払いの問題」です。

~~~
残業回避が難しい状態で、深夜10時以降の勤務もあった中"定時"での打刻を強制され、その旨を問いただしたところ「テレワークだから残業代は支払わない」
~~~

そもそも残業代未払いの時点で労働基準法に則ってAさんは労基に訴えた訳ですが、「ハル研は残業禁止と言っていた!」という意見もありますため補足しましょう。

Aさんはゲームの内臓ブラウザを担当する、キャリア採用入社の方でした。その募集要項を見てみましょう。該当するのはフロントエンドエンジニアでしょうか。

給与
月給26万円~経験・能力・前給等を考慮し、当社規定により優遇します。
※時間外、交通費などの諸手当は別途支給します。

諸手当
時間外手当、住宅手当(25,000円以上)、交通費全額支給(当社規定による)、家族手当

2021年キャリア採用「フロントエンドエンジニア」

はい、時間外手当がばっちり記載されています。しかもこれはテレワークが選択肢として上がる2021年後半のキャリア採用から引っ張っています。

募集要項で時間外手当が書かれているのにも関わらず、テレワークだという理由で残業代の支払いがなかったのです。なら、募集要項にその旨を先に記載しておくのが筋でしょう。

Aさんの指摘する違反だけで十分なのですが、これは虚偽条件での募集のため、職業安定法第六十五条第九号と関係してきます。

第六十五条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、これを六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
(中略)
九 虚偽の広告をなし、又は虚偽の条件を提示して、職業紹介、労働者の募集、募集情報等提供若しくは労働者の供給を行い、又はこれらに従事したとき。

職業安定法

やりがい搾取などという生温い表現では不適切です。労働者は人生をかけて転職しているかも知れないのに、そこに書いている文章が意味を為さないのならば信用など得られる訳がありません。



とはいえ、起こしてしまった以上は改めなければなりません。


臨検(立ち入り検査)も2022年04月15日にありましたからね。是正勧告への報告書も提出し、改善に向けた動きも当然行われていることでしょう。



さて、私は

「もしかして…あの話と繋がっている?」

と最初思いました。これは2022年のハル研究所の動きに少々の違和感を抱いたからです。

2点あります。

1つは官報の未掲載、もう1つは黒木氏の取締役就任です。


2つの兆候


ハル研究所は官報を2000年より毎年掲載しています。官報情報検索サービスを利用すれば閲覧が可能です。

ところが、2022年はいつまで経っても官報が出てきませんでした。

筆者は当初「晒されるのを嫌がったのかな」とか思っていました。
まぁ非上場ですから別になくても問題ないです。例えばゲームフリークも基本出していませんし。

が、これは「掲載しない」ではなく「掲載できない」状態に陥っていたと見れば納得できます。

臨検が4月ですからそこから動きは慌ただしくなります。是正勧告は期日が定められているためそれまでに報告書を提出しなければなりません。
普段はできた官報掲載もできない程多忙になったとみてもおかしくはないなと思います。


次に、黒木氏の取締役就任です。

誰?」となった方が殆どでしょう。

黒木 伸登(くろき のぶと)氏は

  • 『みんなの常識力テレビ』で問題作成・管理

  • 『タッチ!カービィ スーパーレインボー』でゲームデザイン

を担当されました。スペシャルサンクスでは『ポケモンレンジャー』『はたらくUFO』が出てきます。

これだけだと「ふーん」ですが、黒木氏はハル研究所のコーポレートサイト改修のインタビューに登場しております。

リンク→ハル研究所さんに直撃!「弊社との仕事、どうでした?」

ブラウザとウェブサイトは、ゲーム開発と比べれば近しい存在です。またこのインタビューのように他社との協力でプロジェクト遂行に貢献している訳ですから、唐突な人事には見えません。

近年『はたらくUFO』以外にスタッフリストに載らなかったのは、ゲーム開発とは別の、デジタルエンタテインメント基盤の開発に従事していたからとも考えられそうです。

そして、黒木氏は6月に取締役就任となっております。

実は黒木氏が入るまでは代表取締役社長に川瀬 滋史氏、取締役に熊崎 信也氏という形でした。

当時、Discordの有志に報告を頂いた際には「?」のみ浮かびましたが、今なら納得できます。

4月15日の臨検で、改善の一環として取締役にウェブサービスにも関わってきた黒木氏が抜擢されたと。そんな流れが考えられます。

臨検の日付

ここまで見てきましたが、このようにハル研究所の兆候から「何かいつもと違うことが起こっている」という感覚はありました。

それが、残業代未払いという事態と関係しているとは想定できませんでしたが。

ところで、臨検の日付、覚えていますでしょうか?


そうです、2022年04月15日です。

livedoor newsの転載にはないのですが、FRIDAY デジタルには是正勧告書と監督復命書が掲載されております。内、監督復命書に日付があります。

4月中は無理だとしても、フェス(08月11日)前までにこの話が来ていたらというifは…あまり考えたくないです

直接はカービィ含めたゲーム開発と関係しない問題ですが、今以上の騒動になっていたことであろうことは容易に想像できます。

「週刊誌に水を差された」という指摘もありますが、それを言うならばハル研究所がこのような問題を起こさなければ良い話でした。概ね事実とハル研究所が認めた以上、故意にせよ過失にせよ失態です。


とにかく、今は改善に向けて動き続けていることを祈るだけです。感想は以上です。



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