第118回医師国試振り返り (究極マップ、通年動画無し)

前回の投稿からかなり時間が経ってしまいましたが、国試受験の際に117回受験生の人たちのnoteが参考になったので、需要があるかわかりませんが勉強したことなどを軽く残しておきます。

自己採点結果

自己採点するかどうか迷いましたが、国試2日目が終わり飲みに行った後の余韻で帰宅後しました。2月6日時点の講師速報では

必修 97% (偏差値64.6)
パンリン 88.7% (偏差値56.3)
禁忌選択(ミンコレ公式予想)0

でした。
手ごたえとしては、1日目はまあまあ簡単。Cブロックは少し難しいかな程度。2日目はDブロックが難しい。Fブロックは友人たちは難しいと言っていたけどそこまで難しいと感じませんでした。

実際のところはこんな感じでした。
Dブロックが低いですが、当日禁忌が怖くて深く考えすぎてしまって未回答で1問出しました。またもう一問も簡単なはずなのに禁忌だっけ?と考えたら怖くなって止まらない現象が発生したので敢えて安全そうな間違い選択肢を選ぶ、ということがありました。

自己採点を1日目にする派としない派があるようです。私はセンター同様自己採点は1日目にはしないほうがいいだろうと思ってしなかったのですが、2日目に禁忌をどれほど踏めるかの余裕が生まれるという意味でも1日目に自己採点をするのは結構ありかもしれないと終わってから思いました。
1日目に自己採点をしていれば2日目に余裕が生まれてDブロックの怖かった2問もシンプルに回答できていたのかもしれません。その問題は正答率かなり高かったので自分のメンタルの問題でした。

使った教材 個人的ティアリスト

S tier

QB
Anki
year note
直前Assist
必修予想・禁忌講座
公衆衛生が見える

A tier

総まとめ講座 救急中毒
通年 公衆衛生
通年 産科 (途中まで)
病気が見える 産科
レビューブック マイナー
レビューブック 必修禁忌

B tier

総まとめ講座 CCC
総まとめ講座 マイナー

といった調子でしょうか。
周りの人が動画を買っているので僕も通年と直前のセットを買いましたが、結局1/4程度しか見ていないと思います。

動画をあまり見なかった理由

動画を見てinputするよりも先にoutputしてyear noteを見てもわからなかった時にのみ動画を見るようにしていました。なぜならCBTや大学の試験でほとんどの疾患の概要はある程度は把握済みで1から学習する必要を感じていなかったからです。
ですから内科はほとんど見ていません。公衆衛生と産婦人科は苦手だったので公衆衛生は12月から通年の動画を、産婦人科は実習でローテ中に産科をいくつか見ました。

大学ではかなりの人が先に動画を見ているようでした。ただ、僕はQBをやって正答率がどれだけ低くても全く気にならなかったし、全部動画を見るの効率が悪いと思っていました。動画を見ただけで内容を覚える保証もないですしね。

動画を見ない代わり、QBの解説やyear noteの大事そうなところは全てAnkiに入れて毎日学習していました。

学習スケジュール

5年生

回っている診療科の1週目問題を実習クール中に終わらせようと思っていました。ただこれはあくまで理想であって、実際にはやれても1日maxでも20問ぐらいしか進まず一部のマイナー科ぐらいしか終わりませんでした。

その一方でちょくちょく実習中に大事だと感じたポイントはAnkiに実習デッキを追加して毎日回していました。それでも私の大学は5年生の時に一切試験がないのでそこまでカード数は増えず、Ankiには1日15分もかかっていなかった気がします。

年明けになると少し国試を意識してQBを数問ずつですが毎日やる習慣づけをしていました。また、6年生の4月にメジャー内科の臨床留学があったのでそちらの勉強を独立して2月ぐらいから始めました。

6年生 4月

留学をしていました。実習内容は先進的で、家に帰ってもディスカッションについて行くために論文を読み漁ることも多かったです。留学準備や遊びで忙しく、その科のQBは留学先に到着した時点で1週目問題の半分程度しか終わっていなかったため、滞在中にその分野の1週目問題以外も全て終わらせる計画を立てて実行しました。

6年生 5−7月

日本に帰ってからは実習を真面目に受けていました。実習で習った内容も実際の国試でたまに出題されていたのでよかったです。
QBに関してはこの頃「内科の1週目問題を終わらせる+それ以外の科の1周目問題もできるだけやる」を目標に1日30問程度やっていました。

6月ごろからはマッチングを意識して過去問3年分をやり始めました。正答率としてはギリギリ合格ラインまたは数点足りないぐらいだったと記憶しています。
この頃からAnkiのデッキは1日100カードぐらいだった気がします。

また、病院見学の傍ら病院の履歴書も書き始めました。周りと比較して書き始めるのがかなり早かった気がしますが、その代わり自分に向き合って将来のことも考えることもできましたし、直前に見学に行った際にある程度完成している履歴書を研修医に見せて意見をもらうこともできました。市中を受ける方は早めに取り掛かることをお勧めします。

6月末の学内演習状況が残っていましたので共有します。
この頃はやはり1日20−30問程度解いて、正答率は7割程度。累計2000問解いたようです。
全国的に見たら僕の大学はあまり勉強している人はいないほうだと思います笑

6月の月間演習量は791問でした。

6月末の学内演習状況



6年生 8月

マッチングの月では病院の過去問を解いたり履歴書を仕上げる中、QBも1日10問ぐらいのペースでなんとか解き続けていました。

受験した病院は自大学を含めて5つです。(そのうち試験を含むのは3つ)
実はとある病院の試験対策のモチベーションを保つのが難しく、出願はしたのですが受験を放棄してしまいました。残りの2病院の試験を受けて、3年分を解いたものの1周だけでは不十分に感じました。重要ポイントをAnkiに入れているとはいえ抜けが多かったです。試験では基礎的なところがわからず歯痒い思いをたくさんしました。

結果は試験がない第二志望の市中にマッチしました。
最近はhokutoの影響で地方の学生でも簡単に病院の情報を入手することができるようになり、都市部のマッチングは激戦の様相です。また、私大の多くは5年生の段階で卒試がありマッチングの段階で国試対策がかなり進んでいるようです。のんびりした5年生を送っていた学生(私もそうですが)は試験がある病院を受験するなら4月ごろからしっかりと対策をしたほうが良いのではないでしょうか。

8月の月間演習量は946問でした。


6年生 9月ー10月

実習は9月まであったのでそこまでたくさんの問題数をこなすことはできなかったです。ここからはあまり演習状況を記録していないので曖昧な記憶になりますのでご了承ください。

9月はマッチングが終わった喜びもあり、勉強もしつつ適度に遊んでいました。
週1程度でご飯に行ったり、旅行も2回ほど楽しみました。MM模試も受験しました。

9月中旬ごろに確か産婦小児以外の1周目問題を解き終わった気がします。産婦小児は苦手意識があったので後回しにしてしまいました。

また、10月に卒業試験&OSCEがあったのでそちらの対策も9月から始めました。OSCEは10月になってから始めました。

今思い返してやってよかったなと思っているのは、Ankiで国試対策で回しているデッキに卒試用のデッキを統合したことです。卒試は卒試と割り切るこなく、国試用のデッキの下位デッキに卒試が終わってもデッキを入れっぱなしにして毎日回していました。おかげで模試や本番でも卒試の知識が役立つことがありました。
試験内容があまりにもかけ離れている科はそっと保存用デッキ流しにしました笑。

9月の月間演習量は371、10月は756でした。

(番外編)デッキ保存のアドバイス

例えばある定期試験に向けてAnkiのデッキを作成したら、試験後でも削除しないことをお勧めします。私は過去に作成したデッキを保存していたので、国試勉強中もブラウザで検索して昔回したことがあるカードが該当する時は履歴を削除して国試用のデッキに移していました。

意外と国試にはCBTの時にやった知識が出ることがあります。特に公衆衛生や法学分野です。カードはぜひ再活用しましょう。

6年生 11月

卒試が無事に終わり勉強はしつつ羽を伸ばしていました。少し伸ばしすぎたのも事実です。このあたりで全ての問題をとりあえず1周はやり終わったと記憶しています。

また、中旬ぐらいから公衆衛生を解き始めました。動画を見るかどうか悩みましたが他の科と同様にまずはQBベースにやり始めました。しかし公衆衛生は知識のベースがなく、似た用語の比較にも困ったので「公衆衛生が見える」を購入しました。問題を解くたびに該当箇所を読んで大事そうなところは適宜デッキに追加しました。イラストが多く暗記に役立ちました。

11月の月間演習量は1596問でした。

6年生 12月

そろそろ国試モードにならないといけないなと思いつつもなかなか身が入らず、1日の勉強時間は中旬までは6−8時間程度だった気がします。

この頃からQB必修を解き始めました。「必修パルス」といって必修のみを1日にものすごい問題数こなす人もいるようですが、私は1日20−30問(詳しくは覚えていない)程度にして、他の勉強も続けていました。

具体的にはまず間違えた問題の解き直しと1周目問題の解き直しに取り掛かりました。1周目問題の数が予想以上に多く解き切ることができるか焦りました。

他に、困ってはいなかったのですが全く動画を見ていないことを周りと比較して心配になり、冬季講習のセットを購入しました。
(1月になるまで全く見始めませんでした笑)

12月末に1周目問題の2周目を優先させるよりも、まず先に直近5年分をもう一度やり直すことにしました。
また、公衆衛生は毎日Anki以外の刺激も加えた方がいいと判断し、2周目に取り掛かりました。これは1月末には終わりました。

12月の月間演習量は3196問でした。

6年生 1−2月

1月の中旬ぐらいに直近5周分の2周目をやり終えたので、そのあとは中断していた1周目問題の解き直しをしました。必修も心配だったので10年分だけ2周目を解きました。

公衆衛生2周目が終わって勉強を終わりにするか迷いましたが、心配だったので3周目もやりましたが、本番までに解き終わりませんでした。3周目は10年分に絞ってやればよかったと後悔しています。

1周目問題の2周目が終わったのが1月20日ぐらいでした。そのあとは何をするか迷いましたが、5年分は大事という言葉を信じてもう一度5年分を解き直しました。3周もする必要があるのかと考えましたが、それ以外にやることがなかったのでやりました。

1周目問題以外10年分も余裕があったので進めましたが、全く終わりませんでした。

模試の復習は、詰めが甘かったです。
標準化死亡比の問題は模試で出題されていましたが本番計算の仕方が分からず適当に解くことになりました。周りの受験生は模試を結構しっかり復習している様子だったので、1周目問題以外をやるよりも模試の復習を3回ぐらいやった方が点に繋がると思います。

この頃の演習量は1日あたりに200−300問でした。
直前はコクタマも一応チェックしました。

1月の月間演習量は5625問でした。

見終わらない動画

動画に関してですが、やっと1月になって購入していた冬季講習を見始めました。当然全て見る時間はないので直前アシスト、必修禁忌、救急中毒、マイナー幾つか、CCCの内分泌・栄養・感染症を見ました。

直前アシストはかなりよかったです。1つの動画も5分程度で見やすいですし、コンパクトに大事なポイントがまとまっていたので動画嫌いな僕でも全て見ることができました。本番の国試でも幾つか的中していました。

必修禁忌もお勧めできます。急性心不全の対応や挿管の適応など普段フィーリングで解いてしまっていたものを基礎から学び直すことができたので自信を持って問題を解くことができた気がします。ただ、禁忌の動画の最後らへんはただの併用禁忌の羅列になっていたのでそこはスキップしてもいいかもしれません。研修医になったら役に立つのでしょうが。

マイナーは眼科と整形が苦手だったので見ました。解説よりも問題演習が多めですが、数時間でまとまるので苦手分野だけ見れば十分な気がします。QBを分野別に解いているとマイナーの範囲の広さは沼のように感じますが、回数別に見ればマイナー科の比率は高くなく、出ても頻出事項が多いのであまり細部に拘らなくても良いのかなと思いました。

1月末になると直前Assistに最後の3時間という講座が追加されます。これがとてもいいです。惰性でCCC講座や総まとめ産婦人科をほとんど見なかったのですが、これに大体重要ポイントだけまとまっていました。

国試を受ける上でのメンタルづくり

起きる時間

実習が終わると一日中自由時間なので生活習慣が崩れてしまう人もいるかもしれません。僕は12月までは毎日8時半に起きていたのですが、1月になったら睡眠時相を段階的に早めていきました。

ご存知のように早起きが早寝に繋がるとは言いますが、初めの頃は目覚ましを早くにかけても二度寝してしまいました。途中から最低8時間の睡眠がないと目覚ましをかけても二度寝してしまうことに気づき、睡眠時間を早めたら早起きできるようになりました。1週間に30分から1時間程度段階的に起きる時間を早めていき、最終的には5時45分に起床するようにしました。

なぜ早起きをしたかったかというと、試験時間に覚醒しているためーとかではなく、単純にその日のAnkiを回してから試験を受けたかったからです。まとめノートなどは超直前期以外作っていなかったので、勉強の中心はAnkiでした。ですので6月ごろ1日100枚程度だった国試デッキは最終的には1日350枚(デッキ全体のカード数は約1万)ほどになっていました。試験当日は起床後1時間ほどAnkiのデッキを回し、移動時間も回してその日のノルマをこなしてから会場に向かいました。

運動

CBT勉強を始めた頃にランニングを始めました。5年生になってもちょくちょく続けていたのですが、夏があまりにも暑すぎてサボりがちになっていました。

代わりに6年生になって筋トレを始めたのですが、これがかなりメンタルによかったです。
体の変化を実感できたり、扱える重量が上がったりするのは自己肯定感が上がります。そして適度な疲労が熟睡につながるのです。ジムで同級生にあって小話をするものリフレッシュになりました。

1月になるまで1時間程度はほぼ毎日運動していました。週に筋トレ4日、ランニング1日ぐらいのペースで運動しました。なんなら国試前日もジムにいって8セットほどこなして軽くリフレッシュしました。少し寝つきは悪かったですが、7時間は眠ることができました。

朝ごはん

朝ごはんはしっかり食べていました。というか僕は1日の中で最も好きな食事が朝ごはんだったので、いつも大量に食べていました。特に直前期は早起きしすぎて試験開始時間にはお腹空くので気をつけましょう。

究極マップをやるべきか?

究極マップって有名ですよね。会場でも試験前に見ている人が多かったです。究極マップやらないと落ちるっていう噂もあるらしいですね、流石に酷すぎますが笑

究極マップが発売される年始の時点で、僕は直近5年分の2周目が終わっていなかったので単純に見る時間がないという理由で受講しませんでした。別に究極マップを学習していなくても問題はありませんでした。周りの友人も究極マップを受講している人は少数でした。

その一方で、もし12月時点で5年分を2周+公衆衛生2周+1周目問題2周が終わっていたのならば、究極マップを受講していたと思います。

Anki歴が長い人はわかると思いますが、Ankiをやっていると覚えている感がないのです。無理をして暗記していないので、なぜか覚えているという感覚なのです。しかもデータは全てパソコン上にあるので、知識の漏れがないかどうかをひと目で確認する手段がありません。もしあなたがAnkiのリピートを適当に押していた場合、覚えるべきカードが然るべきタイミングで出題されないのです。

国試には既成のまとめノートのようなものがありません。ですので、Ankiを中心に勉強している人は時間があれば究極マップを購入して直前に漏れがないか確認するのも良いと思います。

私は究極マップの代わりに、5年分2周目の時になんか忘れそうだなーってところをWordファイルに追加しておいて、会場に印刷して持っていきました。直前アシストのレジュメに比べてそこまで役には立ちませんでしたが。

Anki 統計


まとめ:やったこと

[QB]
直近5年分 3周 ⭐️⭐️
1周目問題 2周 (10年分は⭐️)
公衆衛生 2周半 ⭐️
必修 1周と10年分は2周 (10年分は⭐️)
1周目問題以外 1周と1/4

[動画]
通年 公衆衛生 講義だけ聞いて演習はスキップした
通年 産科半分
通年 内科 知らない疾患だけ
冬期 CCC 内分泌、感染症、栄養
冬期 直前アシスト ⭐️
冬期 必修禁忌 ⭐️
冬期 救急麻酔中毒

⭐️は個人的に大事だなと思うもの

模試の結果

第一回

9月頭に受験

第二回

11月下旬に受験

第三回

1月の連休に受験

ちなみに、第三回をネットで同時受験をしようとしたら同時接続数が多すぎてサイトが落ちまくりました。
マークミスをしやすいタイプがどうかを先に知るという意味でも、マークで解くのがお勧めです。

終わりに


創作意欲が湧いたので作りました。また気が向いたら他の記事も作ってみます。

僕の勉強法が正しいとは全く思っていませんし、勉強法は人それぞれです。
1500問しかやっていないのにパンリン95%の友人もいました。

たくさん勉強して高得点をとった訳でもなく、ボーダーからの逆転があったわけでもありません。あくまで参考程度に見ていただけたらなと思います。

個人的な話になりますが、国試の勉強は学生生活の思いでづくりを上手くやりつつ勉強を両立させようと努力していました。

その結果、部活・課外活動・旅行・季節のイベント・マッチングなど国試以外も自分なりに上手く取り組むことができました。実習が早く終わった時に場所取りして観に行った花火大会は大満足でした。学生最後の夏がマッチングの記憶だけ、なんてことにならずによかったです。

119回を受ける方も、後悔がないよう最後の学生生活をお楽しみください。


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