火力発電所のボイラ形式について

発電所のボイラの形式は3つに分類されます。

自然循環式
蒸気を過熱することで、水と気体に分離します。この密度差を利用して、ボイラ水を自然循環させる方式になります。

【特徴】
汽水ドラムは大容量熱源となるので、負荷変動に強いですが、熱源が大きい分、起動に時間を要します。
超臨界圧力域は、水と蒸気の密度差がなくなり、循環力を失いますので、超臨界圧力以下で運転されます。
また、通常運転時において、循環力を得るために、蒸発管径を太く、汽水ドラムの位置を高くする必要があります。

強制循環方式
循環ポンプを利用して、強制的にボイラ水を循環させる方式です。

【特徴】
循環に動力を利用するので、ボイラの高さを低くすることができ、蒸発管径を小さく、かつ配管の肉厚も抑えることができますので、コストメリットが大きいので、大容量の火力発電所に適用されています。

貫流ボイラ
給水ポンプから供給された水を直接蒸発管で加熱し、蒸気をそのまま利用する方式です。

【特徴】
超臨界圧力以上で使用することができる。
水質管理を厳しくする必要がある。
保有水量が少ないので、起動停止が迅速に行える。