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ロングボード

初めてロングボードに興味を持ったのはジョエルチューダーを知ってから。もう衝撃的にサーフィンがかっこよくて夢中でビデオを見まくった。しかしながらその時自分が持ってたのはショートボード。全然イメージと違うやん。そのころ青山にスキーショップジローというお店があって、そこが流行り始めていたロングボードを取り扱っていた。そこで出会ったDonaldタカヤマのロングボードたち。それはそれは芸術的なものであった。もちろんお値段も芸術的。とはいえ昨今の円安による信じられない値段よりははるかに安いんだけど。接客してくれた人が日系のハワイアンで片言の日本語でハングテンの気持ちよさをそれはそれは事細かに語って教えてくれた。絶対にこのボードを買うべきだと。ほんとに人生変わるぞと。進めてくれた。

とはいえそのころの自分はまだ今のような性格ではなく自分の勘を信じ切れずにいた。ありえないぜオレ。ジョエルのシグネチャーモデルの説明と放っているオーラから絶対これしかないこのボードなんだと思ったけど買えなかった。いや買わなかった。今なら何のためらいもなく買ってるけど。。。

そこから数年経ってハワイのノースショアで出会ったスチュワートというシェイパーのロングボードがぼくが初めて手にしたロングボードだった。帰る直前に購入を決めてハワイのあの素晴らしい波で乗ることもなくそのままパッキングして発送したものだ。今なら絶対ワイキキ、アラモアナなどの超ロングボードが楽しくて死にそうなブレイクで絶対やってきたはず。そんなことも良い思い出で到着した日に普段はあまり行くこともなかった辻堂のビーチブレイクへ初乗りに出かけた。

衝撃だった。

今までショートで乗れないと必死でパドルしてたのが、ほんの数回パドルするだけで滑り出す滑り出す。もちろん乗ってからコントロールできないから危険な男になっていたのはいうまでもない。でも今までとはくらべもんにならないくらいの数の波に乗って大満足で帰宅したことをはっきりと覚えている。すげーロング面白いやん。

それから数年はロングボード中心の日々だった。
周りにはとてもスタイリッシュなロングボーダーも多く
ローカルシェイパーのボードを数本乗り継いだ。
ハワイに長期滞在していた時もビルハミルトンのロングでハナレイの完璧なブレイクを乗り倒していた。その時にセッションしたたくさんのおじいちゃんサーファーのスタイルは今でも自分のサーフィン感に深く影響を与えてくれている。ただその時に出会ったビッグウエイバーのテリーさんから譲ってもらった8’4のガンに乗ってからどんな小波もそれでサーフィンすることになり、その後ハワイからインドネシアへ移動したのであらゆる長いボードを手放した。移動が多いし家族もいたのでマジックボードの8’4もすぐハワイに戻るだろうと置いてきたままだ。

そこから10年近くミッドレングスなどのオルタナティブなボードには乗り、ジョエルのヌヒアやタイラーハジーキャンなど何本がロングにも乗ったものの沖縄のシャローなリーフに合うロングに出会えなかった。
ひょんなことから預かることになったECのノーズライダー。見た目はクラシックな重たいボードだからそんなに乗る機会はないとたかをくくってたら
昨年の夏の小波しかない日々に何度何度も最北端のポイントでお世話になった。ただフィンが合うものを所有してなくて、シェイパー本人にメッセージで聞いてみた。さすがは今の時代、すぐに繋がれるししかも親切に色々提案してくれた。早速購入して乗ってみた。
実際のところ、う〜んな感覚だ。やはりこの沖縄という特殊なロングに乗りにくいブレイクには会わないのだろうか。そう思って半年以上ロングに乗ることはなかった。

そしてその間に自分のサーフボードブランドを立ち上げるという夢のような
体験をしてオリジナルのミッドレングスのボードにしか乗らない日々が続いている。そんな時、そうほんの2、3日前のことだがオーストラリアから来てる友達がノーリーシュでスタリッシュにノーズを決めてるのを見て、ちょっとうずうずしてきた。そうロングにも乗ろうかなと。
また波の小さなタイミングに重い重いロングボードを引っ張り出すことになるんだろう。
あ〜ほんとサーフィンって、波乗りってキリがないね。
いくらでもやりたいことが出てくる。

明日はどんな波に乗れるんだろうか。

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