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20.音楽という名の船

人に演奏を聴かせるということは、
音楽の船に聴く人を乗せたと同じこと。
出航した後に、途中で止まったり、戻ったり、どこの港へ着くのかわからなくしてしまうようなことをしてはいけない。

レッスンの初めの演奏は、練習してきたことを先生に聴いてもらう通しの機会だ。
「聴いている人のために、
自分はどういう表現をしたいのかを伝える」場だ。

その自覚が私には足りていない。

ココからは、言い訳…。
電子ピアノかピアノか?アプライトかグランドピアノか、YAMAHAかKAWAIか。
椅子の高さ、ペダルの位置、聴こえてくる自分の演奏の音。
色々左右される。
思いっきり調子が狂って、慣れるまでなかなか時間がかかる。
「家で練習するときは、弾けてるのに…」
「こんなはずじゃない…」
思いが頭の中を駆け巡って、間違えが間違えを生む。どんどんわからなくなる。
ドツボにハマる。
負のスパイラル。

緊張するよね?みんなあるよね?

−何があっても前に進む、という強い意志。
−何か違っても、全然気にしない、という平常心。

どちらかで乗り越えられるのか?
−ひたすら練習を積むしかないのか。

さすがに、萎えてきた。
頑張って練習してるのに、
全然上手くならない…
できるようにならない…という愚痴に、
「それは、実力以上の難しいコトをやっているからだよ」という答え。

「そっか」とちょっと納得。
試練の時なんだ。今は。
−乗り越えると何か見えてくるはず。
−きっといいことがある。

半世紀も生きてると、
そんなことは知ってるさ。
だから、もう少し、
もう少し頑張ってみようじゃないか。
ゆっくり進めば、それでいい。

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