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16.音楽と向き合う

今、こうしてピアノや歌に夢中になっていること、
一緒に音楽を奏でる仲間がいること、
教えて下さる先生がいること、
楽しんで学ぶ事ができる環境にあることが、
本当にありがたい。

何年か前に、高校の同窓会に出席した時、
30年ぶりに会う友人の言葉にショックを受けた。
フツーに会社勤めをしているという私の近況報告に対して、
「へっちゃんは、てっきり音楽の道に進んだと思ってたよ〜」と。

そうだった、
あの頃、私は音楽に夢中だった。
真剣に音楽と向き合っていた。
それを、周りの人は見ていてくれた。
さらに、認めていてもくれたのだ。

それなのに、
自分には到底無理だろうと、挑戦すらしなかった。
音大に行こうと必死で頑張る仲間もいた。
内心羨ましいと思いながらも、私は親にその道を目指したい…と言い出すことすらできなかった。経済的な事情などと、勝手に一人で折り合いをつけて。
特に目的もないまま、文学部に入学した。
入学しやすい、ラクな道に逃げたんだと思う。

−−−
大学時代は、音楽を続けられる環境が作れなかった。作らなかった…のかもしれない。
電子ピアノが欲しい…と思いながら、バイト代は他の目的に使ってしまい買えずじまいだった。
他大学の音楽サークルには、色々手を回したが入れなかった。(通っていた大学には音楽系のサークルが極端に少なかった)
…そして、徐々に音楽からは離れていってしまった。

−−−
親の夢を押し付けるような形で、
子供たちを音楽教室に通わせた。
音楽好きに育ってくれたことがせめてもの救い…

子育てや、
めちゃくちゃな働き方をしていた仕事からも解放された今、
吸い寄せられるように、音楽と出会った。

あの時、音楽の道を目指していたらどうなっていたのか?…思わなくもない。
今の自分を客観視すれば、敵わない夢で終わった可能性も高い(笑)。
才能があったとは決して思えないが、
その時の努力で、多少マシに演奏できたかもしれない。

今から始めて上達するの?
上達したところで、何になるの?
音楽で食べていくわけじゃないでしょ?
今更、何やってるの?
趣味としてやっている程度で丁度いいんじゃない?
…どこからか聴こえてくる声。

でも、
大マジメにやりたい。
自分を追い込みたい。

真剣に向き合いたい。
音楽に。
音楽をやっている自分に。

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