言語学を学ぶ一助として

Q. 在日の名前について研究するにはどの文献が役に立つか?
A. 最も量が多い資料としては『官報』がある。ただし、1995年3月7日からは通名の記載がなくなっている。
他の資料価値の高い文献としては下記のものがある。
『在日本朝鮮人商工便覧 1957年版』(在日本朝鮮人商工連合会編『在日朝鮮人資料叢書 2』(在日朝鮮人運動史研究会編、
2011)所収)全国の約5,000社を収録。姓名と通名を記載。
『在日韓僑実業人名鑑 1965年版』(韓陽新聞社、1964)近畿地方、中部地方の一部での姓名と通名を記載。
『実業人名鑑 1967年版』(韓日文化センター編、韓日文化センター、1967)近畿地方、中部地方での姓名と通名を記載。
『在日韓国人名録 1975年版』(統一日報社、1974)全国の約7,500人の姓名と通名を記載。
『在日韓国人名録 1981年版』(統一日報社、1980)全国の約12,000人の姓名と通名を記載。
『在日韓国人会社名鑑 1997年度版』(在日韓国人会社名鑑編集委員会編、在日韓国商工会議所、1997)全国の約10,000社を収録。姓名と通名を記載。
Q. 『官報』の記載から通名がなくなったというが、他に変わったことはあるか?
A. コリア人の帰化が始まった1952年4月28日から国籍の記載のある1970年12月31日までの『官報』を「官報情報検索サービス」で「帰化 これを許可する 国籍 朝鮮」で検索したところでは、19,580件がヒットした。
帰化の記録では国籍はすべて「朝鮮」としており、1971年1月13日から国籍と出生地の記載が無くなっている。
なお、外国人登録証明書失効の記録では「韓国」と「朝鮮」を分けており、1972年11月29日から登録番号のみの記述となっている。
他の帰化の記録の変更点としては、1984年7月16日から漢数字がアラビア数字となっているという点、1995年3月7日から通名の記載が無くなっているという点があった。
以上をふまえて「官報情報検索サービス」で「帰化」と人名、地名、生年月日を合わせて検索すると情報を得ることができる。
宮部 龍彦 について
ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。


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