見出し画像

不動産テックという言葉がまだピンと来てない理由

既存事業とテクノロジー(Technology)の掛け合わせとして様々なサービスが生まれています。わかりやすい所で言えば、個人間送金や仮想通貨、ブロックチェーンの活用などによるFinTech(Finance×Technology)や、採用や就職、人事に関わる分野のHRTech(Human Resourc×Technology)、スマホやタブレットのシェア拡大に伴う、電子教科書や教育系アプリ、動画等での教育事業によるEdTech(Education×Technology)などなど。

スマートフォンの拡大に伴って、5年前から比べると格段とオンラインにアクセスしやすくなり、テクノロジーの発達は今まで以上に身近に感じられやすくなりました。テクノロジーの進化による既存事業のディスラプト!みたいな流れはもはや今更言うような事でもないですね。

不動産テックとは

不動産とテクノロジーの組み合わせである不動産テック(RETech)はITの力によってこれまでの不動産業界の課題を解決するものであります。物件情報のポータルサイトもそうですし、VRによる擬似内覧体験、オンライン査定とかもこれにあたると思います。

不動産テック企業の一つであるリマールエステート株式会社が2017年にカオスマップを作成しており、どんな企業が参入しているかが分かります。カスタマー向けだけではなく、クライアントサイドのサービスについても多種多様。また、スマートロックみたいなIOTについても不動産テックの括りなんですね。暮らし、住まいに関する所で言うと結構幅広い。

http://limar.co.jp/wp-content/uploads/2017/06/b46dee054f1dc75cb9418c22bc54ce5d.pdf

イメージが湧きにくい理由

ここ1年くらいは採用などにも関わる事が多かったので色々な方とお会いしてお話をしてきたのですが、不動産テックってピンと来ない方が多かったりします。やはり消費財と比べると日常的に触れるものでなかったりするので感覚がないのかなと思います。デザイン×不動産、デザイン×金融みたいな比較をすればやはりどうしても後者が強い。

日々不動産自体も進化はしているのですが、やはりまだこの分野においては特に消費者の意識も現状ではそこまでは高くなく、なおかつ不動産における情報の不透明さからどうにもとっつきにくい印象はあるんじゃないかなと。

ただ、一方で中古住宅のリノベーションやAirbnbのような民泊など、ここ数年でこれまで以上に暮らしに対しての意識も変化してきており、ニーズとしてはどんどん増えてきている事と、不動産業界自体がまだIT化の進んでいない業界という事もあり、実はまだまだ白地が多いという事もあります。(Airbnbも括りとしては不動産テックだったりする)

触れる機会が少ないからこそ考える事は多い

個人的には家の間取りを見ながら色々と妄想をするという楽しみがあるとは言え、ブログやSNSとは全く違うものであるため、常にずっと物件を見ているような人は少ないと思います。サービスに触れる頻度は低いかもしれませんが物件を決めたり、暮らしの中で不便に思っている事を解決するツールとして中長期的なサポートという立ち位置がイメージとしては近いかもしれません。

またこの先、ユーザーの持つデータをどう活用していくかというのは不動産に限らず重要なテーマになってくると思いますが、不動産におけるユーザーの持つデータというのは結構多いです。地域、距離、賃料、土地価格、ライフスタイル、趣味・嗜好、性別、年齢・・・その他諸々。これらのデータを活用し、これまでの住居や暮らしを今よりももっとカジュアルにカスタマイズしていける世界があれば100年生きる世界にももっと選択肢が増えて希望が見えるなと思う次第です。


デザインやサービス改善、転職ノウハウを実体験を元に書いています。サポート頂けたら嬉しいです。