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2021/3/31

ハレちゃんへ

もうすっかり気温も上がって、春らしくなってきましたね。花粉も散りかけの桜も、よく飛んでいるので大変です(わたしの体調が)。東京でも緊急事態宣言が解除されてから一週間ほど経ちましたが、雰囲気はどうですか?こちらでは観光地や美術館などには徐々に人通りが戻っています。最近は自宅の近所の桜を見に、たくさんの老若男女が来ましたが、あきれるよりも「日本人はなぜ花見が好きなのか」に興味が湧いてしまいました。嫌味ではないですよ、素直な疑問です。今年は例年より少し早く咲いた桜を、恨めしいような気持ちで見ていました。正直なところ、わたしの日常は一年前の今日に止まっているのです。ハレちゃんとの約束が叶わなかったこと、新型コロナウイルス感染症という得体の知れない病、業績悪化を理由に解雇された職、その全部がなにひとつ変わらず目の前を塞いでいる。それなのに、桜は嬉々として咲き誇りまた訪れた春を上書きしていく。新しくされてなるものか、祝いの席でもないのに咲くな、と花見客ではなくふわふわした花弁を睨みつけていました。けれどはらはらとそれが落ちていくようになると、降下していく日常の中で桜だけが、変わらずに顔を見せてくれたようにも思えて、ありがたいなと感謝でいっぱいになりました。また来年に会うときは、もっといい報告ができたらいいのですけど。
そういえば、部屋で育てている水栽培のチューリップもいよいよ咲きそうです。枯れていく花を見ると自分のように思えて、咲くなと念じていたのですが(ひどい)、また球根をきちんと保存すれば秋ごろに植えられるそうです。ぜんぜん強いじゃん。芽が出なくて諦めていたプランターのハーブも、近頃急に育ち始めました。植物たちを見習いたい。

追伸
この季節にやりたいことは、ぶらぶらと散歩しながら飲酒です。シメはいちごアイスで!(写真は親愛なる近所の花たち)

ハルより

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