長く続く人気には理由がある、と思った話

壮大なタイトルですが、内容はライブに参加した際の備忘録です。
田村ゆかり LOVE ♡ LIVE 2022 *Meet Me?*について。
※本当は2022年に途中まで書いていたのですが、下書きの海に埋もれていたのでサルベージ。2024改訂版として思い出しつつ書きなぐり。


失礼ながら、こんなにしっかりゆかりんの曲を聴くのははじめてかもしれない。

私がゆかりんと出会った──正確に言うならば、田村ゆかりさんをその人として認識した──のは2011年頃だったと記憶している。経緯については驚くほど面白くないので簡単に書くと、魔法少女リリカルなのはを見たのがきっかけです。ほら面白くない。

あれから11年。
当時学生だった私は社会人となった。

コロナ禍の中、しばらく離れていたゆかりんと偶然の再会を果たし、なんだかんだと気が付けば10月のライブに行っていた。

この11年間、私はゆかりんを知ってはいたものの、彼女のライブに足を運んだことはなかった。
それは当時学生だったことから来る金銭的な問題もあったが、なんというか、
あまりアイドルが好きではなかったことが大きい。あまり好きではない、という表現は適切ではないかもしれない。
より正確に表現するのであれば、私はアイドルがとても苦手だった。
可愛い衣装で、キラキラしている、そんなアイドル。地味陰キャで捻くれ者の逆張り気質な学生だった私からすると、それは輝かしくて、同時に縁のない世界で嘘っぽいとすら思っていた。

もちろん彼女の歌唱力の高さは知っていたし、ラジオやMCでの軽快なトークや若干の闇を見せるところも知っていた。その世界は華やかなだけではないことも。

しかし私の頑なさは強く、私は結局ゆかりんのことをPCのモニター越しにしか見たことはなかった。それでいいと思っていた。
ラジオは聞いていたし、ニコ生で新しいライブBDやらなんやらの宣伝放送(鷲崎さんとやっていたやつ)は見ていた。あとあの、王国民の有名な動画とか。
人気はすごいけど、私の生活圏内に彼女の存在が入ってくることはないんだろうな、と思っていた(※ゆかりんが出てるからこのアニメを見る、とかゆかりんのライブだから行くとかそういう意味)。
付かず離れずの距離を保ち続けて約5年。その時は脈絡なく訪れた。

このnoteを読んでいる方なら恐らく誰もが知っているだろう、突然の別れだ。
それなりに驚いた。予定されていたツアーが中止になったと聞いて、
充分な話し合いを重ね双方納得して円満に契約終了したわけではないのかな…とか色々考えた。いやこれは勘繰りと言った方が正しいか。

最後にゆかりんを見たのがいつなのかも分からないまま、私はしばらく彼女を忘れることになる。
まぁでもアイドル好きになることないだろうしなー、と舐めた考えを持っていた。
もうゆかりんと会うこともないだろうなーみたいな。いや会ったことないけど。


が、そんな私に転機が訪れる。
詳しいことは省くが、とある女性アイドルに出会った。否、出会ってしまった。そのせいで15年以上嫌悪していたはずの"アイドル"にどっぷりとハマってしまい、WINDING ROAD並みに曲がりくねり偏見に押しつぶされていた私はいくつもの小さな光で浄化され、立派なドルヲタとして産声を上げたのだ。人生とは何が起きるかわからないものですね。

彼女の影響力は絶大で、よく聞く音楽も、好きな色も、物の考え方も、その全てを変えられた。塗り替えられたといっても過言ではない。
推しが卒業してもう何年も経つのに、私は今でも推しの映像を見返す。推しのCDを車でかけるし、思い出したときにエッセイを読む。卒業ライブは二度ほど見たけどもれなく涙腺が崩壊するのが恐ろしくて押し入れに封印した。いつか悲しくなくなったら解き放とうと思う。


閑話休題。

一旦はアニメや声優さんといったジャンルから離れたわけなんだけれども、偶然にもゆかりんと再会を果たすことになる。

YouTubeのオススメ機能というものは恐ろしい。
もう何年もゆかりんのことを思い出すこともなかったのに、YouTubeのアルゴリズムはどういう計算をしたのか、突然ゆかりんのラジオのアーカイブをおすすめしてきた。2022年5月の話だ。
「うわーゆかりんだ。懐かしいな、復帰してたんだ。今どんな感じなんだろう」
くらいの軽い気持ちで聞く。なるほど、記憶の中の彼女とそう変わらない軽快さだ。
その回をひとしきり聞いた後、オフィシャルチャンネルを漁って出てきたこちらを見る。

ちなみに途中まで普通にCD音源だと思ってた。急に入ったせーので生歌と気付いた(アホ耳)。

多分誰にも共感してもらえないと思うんだけど、2:52あたりから出てくるちっさいLEDのボードを見てひふみんアイだぁぁぁぁぁってめちゃくちゃテンション上がったしこうやって見ると別に変じゃなかった。いつかの春ツアーでも使ってたけどやっぱあれ演出の仕方が間違ってたんだと思う。ひふみんボードに罪はない。

そこからぽつぽつとラジオ(アーカイブ)を聞くようになり、そのままライブの初参加を決めた。
行くことを決めた理由は懐かしさももちろんあるけど、この人の歌を生で聞いたことがないと思ったから。
いつまで今の活動を続けるかわからない以上、数年前のように急にいなくなる可能性もあるわけで、そうなったら後悔しそうだと思った。

チケットを取り、よくわからないままサブスクで曲を聞く。その昔アルバムを借りたこともあったし(春待ちソレイユとか螺旋の果実とか)復習がてらとは思っていたものの懐かしさにわーとなった。移籍してからのアルバムはサブスクになかったので購入。『あいことば。』と『Candy tuft』かな。二枚とも素敵なアルバムでした。Tremolo MellowとBad eclipseが好きです。

あれよあれよいう間にライブの日が来たので新幹線に乗りえっちらおっちらぴあアリーナへ。初めて行く会場だったので迷ったりしないか若干不安ではあったものの、なんとか到着。見るからに街の景色から浮いてるピンクの集団(これが王国民…!と謎の感動)に混ざってささっとグッズのペンライトを購入。ガチャを横目で見つつ本人確認を済ませ(こんなにちゃんとしてる本人確認初めてだった)電子チケットで入場する。電子チケまじで楽すぎる。素晴らしい。この時点で気分はもう都会の洗礼を浴びた田舎民だった。(すごい…外の世界はこんなに"しすてまちっく"で"すむーず"に事が運ぶんだ…おらが村にこんなもんはないだ…ってずっと思ってた)

私の席は四階の最前列。着いた席は普通にめっちゃ高くて高いところ苦手民としては一瞬泣きそうになった。立ち禁で本当によかった。
この会場にいる人たちはみんなゆかりんが好きで決して安くないチケット代を払いスケジュール調整をしてここにいるんだなと実感。すごいなぁ。

私は二日目だったのでセトリの予習はしてきたものの、界隈のルールとかコールについてはほぼノータッチだったため、今更になって不安になり、できるだけ邪魔にならないよう小さくなる。今日の私はいわば観光客だ。この人たちの楽しいを奪うわけにはいかない。
とか思っていたら隣に人が来る。はっとして反対側に身を寄せると、いそいそ法被を着始めてさすがにびびる。えっここ四階ですけどそんなガチな人もいるんですか!?と思い始めたところで反対側のお客さんも到着。あわあわして席の中央で縮こまると、その人もおもむろに法被を着始める。パニックになる私。
嘘だろ!着てない私が変なのか!?と思いつつも平静を装い、何も気にしてませんよーという顔をする。徐々にピンクが増えてくるのがなんか面白かった。


開演。
一言でいえば、圧巻だった。

正の感情がループしている、温かい空間。ファンはゆかりんに精一杯クラップして声が出せない状況でも必死に愛を伝えようとしていた。ゆかりんはそれを受け、素直でないながらも彼らを大切に思っていると伝えている。
大事にされると嬉しくなるからファンの人たちはもっと熱を上げて彼女に感謝や愛情を伝える。愛に溢れた優しい空間。

歌がうめぇ、やら動きがアイドル、やらセットが可愛い、やら衣装が可愛い、やら色々あったけど、まとめるとこんな感想だった。
別に他アーは客に感謝してないとかそういうことではないけども、なんというか、密度が違う。
入れ替わりも激しいだろう業界で長く活動し続けられる理由の一つなんだろうなと思った。

周りの人々に比べてそこまでガチなわけではないけど、ゆかりんを照らす光の一部になれたことはとても嬉しい経験でした。
私の好きな曲も歌ってくれたので非常に満足。
ライブ中にいいなぁと思った曲を終演後に調べたらキャラソンだった。めっちゃ赤くてよかった(小並感)。

ほくほくで帰ったその後、やっぱりコールも聞きたい!世界一可愛いよって言ってみたい!と思い、翌年のライブツアーにも参加したのはまた別の話。

あの時の感情や思考をどこかに置いておきたい、と書いたこの文章。もし読んでくださった方がいらっしゃいましたらありがとうございました。



想いあふれて/松浦亜弥
エキストラ/KAN
この二曲ゆかりんに合うと思うんだよなぁ、いつか歌ってくれないかなぁ、と思いつつおわります。

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