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いつのことだか忘れたが・・・

あのフォークの祭典と言われている「春一番コンサート」に頭脳警察として出演することはなかった。
がしかし、そんな日は来るもので、ひとりでリクオにピアノを弾いてもらい、わたしもやるわと言ってくれたホンジのバイオリンと一緒にやったのが初めてだったと思う。
タータンチェックのミニスカートにベレー帽、まるで女子高生のようなホンジの自由奔放な「さようなら世界夫人よ」。もうその頃、彼女が癌におかされていることなど露知らず、リハにも来ない、本番でしか弾かない天衣無縫で知られるホンジのイントロが会場に響き始めると、リクオのピアノの荒波に会場はおもむろに目を閉じはじめ、真昼間だというのに曲の中にのめりこんでいってくれた。
その後、数年を経て、中川五郎のスペシャルシークレットゲストとして出させてもらったこともあるが、福岡風太さんに会ったのはその頃。
彼が大病から復活したあとのことだった。痩せてはいたが、その精悍な顔つきの眼差しに歓迎文字が漂っていた。
それでも自分としてはアウェイで唄っているという感は拭えなかったのだが、強い日差しの中、熱い拍手で迎えられたことはいまも強烈に記憶の中に焼きつけられている服部緑地のステージだった・・♬♬♬

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