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愛山の日本酒を1ヶ月かけて飲み比べしてみた(その1:イントロダクション)

1.はじめに

~ 8月が終わりを迎えた途端、秋の夜長だひやおろしだと、蝉も鳴いているというのに世の中はせわしない。一方で、終わりのない夏に恋焦がれ、まだ消えない心の炎を持て余す紳士淑女がいることは想像に難くない。そんな彼らが求めるのはもちろん愛山の日本酒だ。

ということで、「ひやおろしのリリース時期が早すぎじゃないか」「愛山で造った日本酒は、なぜ夏によくみかけるのだろう」という、最近の日本酒に感じる2つの疑問をヒントに、9月の1ヶ月間かけて愛山という酒米で造られた日本酒をトーナメント形式で飲み比べしてみました。

2.愛山とは

愛山という酒米は、元々兵庫県の剣菱酒造が手がけて造られていた希少な坂米で、幻の酒米とも言われることがあるそうです。(詳細は、こちらなどをご参照下さい https://www.sakebayashi.com/sake-sakamaibetsu-aiyama)

愛山に対する個人的な印象としては、「甘み」と「上品さ、スマートさ」が特徴かと思っています。また、甘みを生かしたジューシーな酒造りがよく見られるという印象も持っています。そして愛山は、希少な酒米ということもあり、お米の単価が高い部類に入るようで、販売されている日本酒も他のお米で造られたものと比べて全体的にやや高いです。

3.飲み比べの方法

(1)トーナメント形式の飲み比べ

トーナメント表

今回の飲み比べは、トーナメント形式で行いました。その理由は、1つは開栓後の味わいの変化を見るために1ヶ月の期間を設けたいから、もう1つは2対比較によりそれぞれのお酒の特徴をわかりやすく捉えたいから、の2点です。なお、トーナメントの対戦相手はあみだくじにより決めました。

(2)判定ルール

それぞれのお酒の特徴を捉えるために、このような判定シートをつくりました。この中で最も重要なのが独自の判定指標「愛山ポイント」です。

自分の持つ愛山のイメージは「甘み」と「上品さ、スマートさ」なので、これをより感じることが出来るお酒を高く評価するというルールにしました。これにより、例えばどんなに美味しいお酒でも、端麗辛口のお酒は低い評価となります。愛山を使ったお酒は大きく「ジュース系」と「リッチ系」の甘みの生かし方に分かれると思っているのですが、この基準だと「リッチ系」がやや有利な判定基準になります。
また、銘柄イメージとのギャップも、ある程度意識して総評を行いました。

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(3)飲み比べた日本酒銘柄

自分が酒屋さんを巡って買うことが出来た、以下の7銘柄を飲み比べの日本酒としてエントリーしました。

①たかちよ(新潟県):純米酒(無調整生原酒)、精米歩合77%(扁平精米)

②日高見(宮城県):純米吟醸、精米歩合50%

③鶴齢(新潟県):純米吟醸、精米歩合57%

④二兎(愛知県):純米大吟醸、精米歩合48%

⑤武勇(茨城県):純米酒(1年熟成)、精米歩合70%

⑥雨後の月(広島県):純米大吟醸、精米歩合50%

⑦羽根屋(富山県):純米吟醸(生原酒)、精米歩合60%

そして、8番目の日本酒については、愛山好きの日本酒ファン(日本酒愛好家の中では、そういう人たちをアイヤマニアと呼ぶ)の意見を募集して決めるということにしました。

それぞれの日本酒の造り方が様々で、当然お酒の特徴が大きく異なるものなので、本来は同じ土俵で比較や優劣づけは出来ないとは思います。しかし、そこを敢えて異種格闘技戦にすることで、それぞれの酒蔵の特徴・持ち味を生かしながら、愛山という酒米とどのように向き合って酒造りを行ったのかということを見てみたいというのが、今回の飲み比べの目的でもあります。

ということで、次回からは飲み比べの内容を順次掲載したいと思います。








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