いま、隕石で地球が滅びるかもしれない。

去年の冬、閉所恐怖症になった。閉所が怖いなんておかしい人もいるなぁと思っていたが、なってしまった。昔から閉塞感のある所が好きでなかったり、思えば兆候はあったものの、昨年の冬に発作を起こすまでは恐怖はなかった。いま、そのきっかけがわかった気がする。

閉所恐怖症というが、実際は狭いところというより、エレベーターの中や天井の低いトンネル、ウォータースライダーのような閉塞感のあるところに恐怖を感じる。まあ、トイレの個室は全然へっちゃらだったり、明確な基準は未だにわからない。

僕の場合、これを発症したのはある理由が思い当たる。それが、日常に潜む限りなくゼロに近い可能性だ。『もしかしたら、コンビニにアイスを買いに行ったときに隕石が降ってくるかもしれない。』『もしかしたら、となりの部屋が火事になって自分の部屋まで燃えるかもしれない。』『もしかしたら、海水浴場にサメが出るかもしれない。』こういう可能性は生活の中で意識をすることはあまりない。なぜならほとんど起きないからだ。実際、僕が死ぬまでに起きることはないんじゃないか。しかし、本当に無視できることなのだろうか?

『もしかしたら、エレベーターに乗っているときに地震が起きて閉じ込められるかもしれない。』『トンネルの両側が塞がれて出れなくなるかもしれない。』『ウォータースライダーの出口が詰まって出られないかもしれない。』

去年の冬、「数学的には無視できるような確率の出来事」が起こってしまったこと、それ故に僕は閉所恐怖症になったのではないだろうか。「今まで無視していた可能性を敏感に感じている」これこそがこの9ヶ月、モヤモヤと心の中で渦巻いていたものを的確に表した表現のように思う。

むろん、根拠もはっきりとした原因も未だにわかっていない。事実を曲解して装飾するいつもの悪癖がでたらめを書いている可能性も濃厚だ。僕の人生がまだ続いていること以外に確かなことはない。

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