#00 なぜバングラデシュ?-どぅー-

こんにちは!にょぎどぅー日記の「どぅー」です。にょぎどぅー日記は、ひょんなことからバングラデシュにしばらく住むことになった仲良し女子大生「にょぎ」「どぅー」の2人が、バングラデシュでの暮らしを通して考えたこと、感じたこと、学んだことを発信していきます。全く思考回路・性格が違う2人が、同じテーマをもとにゆるっと書いていきます。日本に住んでいたらきっと気づかない「日常の当たり前ではなかった当たり前」を発信することで、少しでもみなさんの世界が広がったらな、と思います!

今回は「にょぎ」に引き続き、「どぅー」がなぜバングラデシュへ渡航することになったのかについて綴っていきたいと思います。


私は現地NGOであるEkmatrra Society(エクマットラ ソサイエティ)で約1年間、インターン生として活動をしています。22年度は大学を休学し、今年の3月末に渡航をしてきました。来年の3月までバングラデシュに滞在する予定です。

エクマットラは「子どもたちが差別のない社会でのびのびと育ち、成長と安全があらゆる手段により守られている社会を実現する」ことをビジョンに掲げる団体で、ストリートチルドレンから社会で活躍するリーダー達を育てるべく活動をしています。具体的には、①ストリートチルドレンが多く集まるダッカ市内の公園などを拠点とした移動式「青空教室」、②青空教室で学習意欲を持った子ども達の社会性や生活基礎能力を養う「チルドレンホーム」、③自然に囲まれた環境で、勉学・スポーツ・文化といった多面的な人間力を育み次世代リーダー達を育てるプラットフォーム「アカデミー」の3ステップの運営を行っています。また、啓蒙のための映像事業、女性たちの経済的自立を促すハンディクラフト事業、バングラデシュの経済発展や教育分野の発展に携わる共同事業など幅広いプロジェクトも同時に持ち、日本-バングラデシュ間の友好関係構築にも貢献しています。私は1つのプロジェクトにフォーカスするのではなく、複数のプロジェクトに携わっていきたいと思っています。エクマットラのビジョンを達成するにはどのプロジェクトも重要だからです。子どもの問題だからと言って子どもにだけ焦点を当てるのでは問題は解決しません。親の教育、富裕層に対する取り組み、社会全体への働きかけといった多方面からのアプローチを持ってこそ実現できるものです。多角的に携わってこそ見えてくる光もあるかもしれません。それだけ複雑で途方もない活動ですが、その分やりがいがあると思っています。

では「どぅー」はなぜバングラデシュへ来ることになったのかについて見ていきましょう!

STEP1:
海外で長期インターンをしたい!

私は親の影響を受けて、小さい頃から海外に対する憧れを持っていました。高校ではシンガポールへの短期留学とアメリカへ2週間のホームステイを経験し、世界の広さと多文化交流の楽しさを感じました。大学受験では、長期留学とか行きたいなーなどという漠然とした目標から国際系を選択し、国際政治学科へ進学しました。お金を貯めて海外旅行へ沢山行って、留学も行って、世界中を巡ることを夢見ていました。しかし、いざ始まった大学生活では、大学1年の冬からコロナ禍に入りました。私の高校時代のプランは崩れ去り、あっという間に私の周りでは「就活」という言葉が飛び交うようになっていました。え、やりたいこと全然できていないんだけど???という焦りが内側からフツフツと湧いてきたのを覚えています。大学3年の夏頃でしょうか、これからどうしていくか真剣に考えました。なぜ海外に行きたいのか?なぜ興味があるのか??ひとつ明確になったのは、留学ではないということでした。実は大学1.2年と2回大学の協定校留学に申し込みましたが、2回とも選考で落とされました。当時は外へ行きたい!!!という思いが強くて、別に勉強意欲があったわけではなかったんですね。大学の先生はさすがです、そんな生半可な気持ちで挑んでいた私を見破っていました。2年連続で落としていただいて今となっては感謝です。今でも、さらに勉強をしたい!という訳ではないので、留学ではないなと自分の中で腑に落ちました。ではなぜ海外に行きたいのか?それは比較対象が欲しかったからなんだろうなと思います。どういうことかと言うと、日本の善し悪しは日本にいても気が付かないということです。物事を判断する際は比較対象が必要です。受験の際の学校選びもそうです。A校はB校にはないこんな素敵なところがある、というようなイメージです。日本を知るためには一度外から日本を見ないと気がつけないことが山ほどあります。大陸の端っこの島国から見える世界は狭いと、海外に友達を作る度に思ったものです。日本を良くしたければ、日本を客観視しないといけない。そのためには長期で海外渡航をするべきだと思いました。私の場合は留学という選択は消えていましたし、ビジネスという視点から情勢を知っていきたいという想いがあったので、海外長期インターンに挑戦するという結論に至りました。

STEP2:
国はどこへしようか…?
~バングラデシュにどうやってたどり着いたのか~

海外で長期インターンをすると決まったはいいものの、日本以外の200近くの国と地域のうちどこへ行ったら良いのか?という疑問にぶち当たりました。その時に思い出したのが、大学1年の頃に経験したインドネシアでのボランティアでの出来事でした(にょぎもインドネシアが転機になっている点は奇遇ですね)。今まで行ったことのある国といえば先進国ばかりであった私にとって、初めての途上国への渡航でした。街の熱気と若者の活気に心踊らされたのをよく覚えています。自分の国に貢献していきたい、もっと誇りを持てる母国にしていきたいと奮闘する若い方々に出会い、その勢いにワクワクしました。この経験から、途上国へ興味を持つようになります。

今からちょうど1年前には大学生向けのオンラインプログラムに参加をしました。このプログラムは、ビジネスの基礎力やチームビルディングなどのスキルを学びながら、途上国の社会起業家さんのビジネスの経営課題解決を目標に進められるものでした。経営課題の改善をしていくわけですから、様々な方向から調べヒアリングをし、途上国で奮闘する起業家さんとその企業について知っていきました。やはりここでも途上国のアツさにワクワクしました。

この2つの出来事を思い出して、途上国に行こう!と思いました。

次は国を決めます。途上国に決まったはいいものの、アジアでもアフリカでも南米でも特にこだわりはありませんでした。そんなときに、過去に履修をしていた授業の中でたまたま割り振られたプロジェクトを通して感じたことを思い出しました。

大学の授業の一環で、小学校低学年を対象にバングラデシュについての特別授業を行う機会を持ちました。授業をするということは、まずは自分がバングラデシュについて知らなければ何も始まらないので、バングラデシュの小学校の先生にオンラインでお話を伺ったり、日本人で長年バングラデシュに精通する方にお伺いしたり、自分たちで本やネットを使って調べたりしました。結果、計2回の授業と、追加で実施した児童館での講演会(100名くらいを前に講演したいい思い出です)は大成功でした。一方で、やりきれない気持ちも同時に感じました。伝えているのは間接的に取り入れた情報ばかり。自分はバングラデシュについて精一杯調べたけれど、行ったことはないという紛れもない事実。それなのに、なんでも知っているかのような自信に満ち溢れた様子で教壇に立っていたことへの罪悪感・・・。授業が終わると、小学校低学年の子ども達は、自分のところへ寄ってきていろんな質問をしてくれましたが、「自分の体験を交えて答えてあげられたらどれだけいいだろう」と強く感じて落胆したことを覚えています。この時に、旅行でもなんでも絶対にバングラデシュに行ってやる!と決心しました。当時は長期インターンで渡航することになるなんて想像もしていませんでしたが(笑)

この思いを抱いてから時間が経っていたのですっかり忘れていましたが、忘れたころに思い出すきっかけが訪れるものですね。自分が一生懸命調べたことを確かめに行くのもオモシロそうだ!と思い、バングラデシュを渡航先に定めました。

こんな感じで途上国の、場所はバングラデシュということに決定していきました!

STEP3:
さーて、私は何がしたいんだろう?
〜エクマットラに参画したワケ〜

大学生向けオンラインプログラムで企業の経営改善に取り組んだこと、バングラデシュについての授業をゼロから作ったことから感じたのは、「生の情報が欲しい」ということでした。二つの経験から、現場感の尊さを強く感じていた時期でした。

今はネット社会。欲しい情報はたいてい手に入れることが出来るようになりました。でもそんな時代だからこそ、自分で情報を取りに行って、何を考え感じるのかってとても大事な事だと思うんです。出来ることなら、自分の目で確かめて、直接声を聞いて、五感で得た情報から創造して、本当にイイモノとして世の中に送り出したい。溢れている情報だけで判断してはいけないな、自分で集めた情報をもとに次のアクションを考えたいなと、思うようになりました。

その点で、エクマットラは自分の挑戦場として最適でした。エクマットラは、フィールド活動を始めとするいわゆる草の根活動を通じて、社会的弱者とされているような人々に真正面から向き合っています。ストリートで生活をする子ども達はもちろん、お店の人や地域の有力者といったありとあらゆる人たちを巻き込んで活動をしています。旅行だったら絶対に行かないようなローカルな場所へも足を運びます。渡航をしてきて1か月半ほどの間にも、たくさんの人々に出会い、話し、一緒に食事をし、五感を使って情報を集めてきました。頭がパンクしそうなくらいの情報に溺れそうになる日もあります。すごく幸せなことだな~なんて思いながら、それらをじっくり時間をかけて整理をすることも好きな時間だったりします。

そしてもう一点。教育分野にもう少し携わってみたいという気持ちもエクマットラに参画した理由の一つです。

私はエクマットラに参画する前に、日本の某NPO(にょぎのパートでも触れられていますね)で約8か月間インターンをしていました。主に高校生向けの実践型課題解決プログラムを提供している団体であり、大学生メンターとしてそれらのプログラムのサポートをする機会が何度かありました。学校での勉強にとどまらず、自身の興味の追求や自己成長を目的に集まってくる数多くの高校生と向き合いました。本気でアドバイスをして、時には一緒に悩んで、ということを繰り返し、高校生が感じる喜びが自分のことのように嬉しく思う感覚を味わいました。このメンター経験から、目の前の人の成長を心の底から楽しいと感じられるということに気が付き、教育のオモシロさを実感しました。

ただ、ここで向き合った教育というものは、学校での教育を(半強制的に)受けることができたという教育の土台があった上で、さらに自分の興味を追い求めるという、いわゆる恵まれた人材に対するものでした。教育という分野の全体像を見たときに、この土台の部分も知っていきたいと思うようになりました。

エクマットラは元ストリートチルドレンの子どもたちが自然豊かな地でのびのびと生活できるアカデミーを運営しています。彼らは、教育が受けられることが当たり前ではないことを誰よりもよく理解しています。彼らの物事を学ぶ姿勢は美しいです。日本では当たり前のようにさえ感じてしまう教育の機会を、心から喜んで享受している彼らの姿勢から気づかされるものはすごく多いのだろうと思っています。

私は教育学専攻の人間ではありません。今のところ先生になる予定もありません。だからこそ、形式ばった理論等に邪魔をされずに、真正面から子ども達と向き合うことが出来ると思っています。子ども達を通してどんな発見ができるのか、とてもワクワクしています。

STEP4:
まだ一か月半?もう一か月半!残り10か月しかない!

3月末にバングラデシュに初めて訪れてから一か月半が経ちました。徐々に生活にも慣れてきて、やっと視野広く周りを見渡せるようになってきました。日本の善し悪し、バングラデシュの素敵な部分、もう少しだなと思う部分、いろいろと気が付くようになりました。でも今感じられることは一か月後には感じなくなってしまうかもしれないと思うと、一瞬一瞬が貴重すぎて、自分の感情の揺れ動きを取っておきたいと必死です。もう残り10か月しかないと思って、焦りさえ感じるものです。ボーとしても過ぎてしまう時間を、いつも以上に丁寧に扱っていきたいです。

ながーくなってしまったので今日はこの辺で。以上「どぅー」でした!読んでくれてありがとうございました!そして、仲良し女子大生「にょぎ」「どぅー」をどうぞよろしくお願いします!!


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