今日からまた書く 大好きだったお兄ちゃんのこと#1

しばらくぶりのnote。
ついついさぼりがちになってしまっているけれど、自分の気持ちを吐き出すためにも、気持ちを整理するためにも、今日からまたぼちぼち書いてみようと思う。

2月はとても寂しい別れの日があった。大好きだった、頼りにしていたお兄ちゃんが亡くなったのだ。
お兄ちゃんと言っても、血のつながりは全くなくて、むしろ他人。けれども下手したら普通の兄妹よりもつながりはあったのかもしれない。

お兄ちゃんは母子家庭で、お母さんも小さい時にお兄ちゃんのところからいなくなってしまって、天涯孤独。同じアパートに住んでいた目の見えないおばあさんが、お兄ちゃんのことを引き取った。(今だったら養護施設へ、だろうけど)私の実家は八百屋を営んでいたので、私の祖父が後見人になった(と聞いている)

私の母がまだ結婚する前の出来事なので、私はその詳細を知らない。母とお兄ちゃんは18歳違いで、お兄ちゃんが小学校入学するときには、給食袋やナフキンなどを縫っていた、と聞いた。祖父は日曜大工が趣味だったので。学校の机の引き出し(今はプラスチック製の引き出しが多いと思うけれど、私が小学生の頃は、ほとんどが手作りの木製の引き出しを使っていた)を作ったらしい。
学校の授業参観や懇談会は目の見えないおばあさんが、親代わりで行っていたそうだ。(ここら辺は、私が生まれる前だったり、幼少の頃なので、すべて見聞したもの)
小学校、中学校、高校とお兄ちゃんは表彰されていた。「目の見えないおばあさんの面倒をみながら、生活していて手本となるすばらしい児童、生徒である」ということで。
お兄ちゃんはその表彰を、本当に苦しく思っていたようだった。「自分が世話をしてもらっている、迷惑をかけているのに、表彰されることはおかしい」って。ぽつりぽつりとその言葉を聞いた私は、なにやらものすごい衝撃を受けたことだけは覚えている。

私とお兄ちゃんは学年で8つ違い。一緒に遊んだ、ということはほとんど記憶にないんだけれど、おにいちゃんは私が困った時は、いつでも相談に乗ってくれた。ちょくちょく家に顔を出しては「元気か?」とか祖父母や母に何か相談事をしてたり、お兄ちゃんの節目節目には、家でお祝いをしたりしていた。
高校を卒業して、就職のお祝いも家でやった。

私が高校入学する時もお祝いをくれた。お兄ちゃんが就職してから、3つ職場を変わっていた頃で、一つ前の職場が時計の量販店だったので、そこで購入してくれた腕時計だった。
私はなぜだか小さい頃から「高校は商業科へ行く」と決めていたので(これは実家が八百屋だったからだと思う。刷り込み教育こわいww)念願の商業科のある高校へ進学した。そして、2年生からのコース分けの時も迷わず、会計コースを選択。下手したら1日の授業の半分以上を簿記に費やす、という過酷な?コースを選んだ。(余談だが、今年高2になる娘も商業科を選んで進学し、2年生のコース分けも会計コースを選んだ。血は争えない)
目標の日商簿記2級の検定の前は、お兄ちゃんにわからないところを聞いたりして教えてもらったこともある。(お兄ちゃんも商業科出身)

三姉妹の長女である私のとって、お兄ちゃんは、本当に頼れる大好きな人で、厳しいことも言われたし、私にとって耳の痛いことも言われたりしたけれど、思い出すと泣けてくる。妹二人の前ではあまり弱音を吐けない私のことをよく知っていて、なぜだかキャパシティがいっぱいになったころに、電話をくれたり、今だったらLINEをくれたりした。タイミングよく。わかるんだろうか?

おじいちゃんが亡くなった時も、母が亡くなった時も、おばあちゃんが亡くなったときも、お兄ちゃんはできる限りのことをしてくれた。「俺がしてもらったこと、まだ全然返せてない。だから、これくらいさせてくれ」って。

その気持ち。今ならよくわかる。
私、お兄ちゃんにたくさんいっぱいいっぱいしてもらったこと。なんにも返せてないよ。今だって、この記事を泣きながら書いてる。LINEをひらけば、まだお兄ちゃんがいる。FBをひらけばまだお兄ちゃんがいる。
でも、お兄ちゃんはいない。

お兄ちゃんの家族のご厚意で、このご時世、身内だけで行うはずだったお通夜に参列させていただけた。お通夜の前にもゆっくりお別れをさせていただけた。お兄ちゃんの娘さんにも「きっと、私たち以上につながりは深い。お父さんにとって大切な妹だったしまぱんちゃんには絶対に連絡しなくちゃって、お母さんとも話してたの」って言ってくれた。
もうそれだけで、本当に本当にありがたいことだった。
お別れはものすごく急で悲しかったことだけれど、私たち三姉妹のことを本当の妹のように家族に話してくれてて、そしてお兄ちゃんの家族も「お父さんにとって大切な妹だから、私たちにとっても大切な人」と言ってくださったこと。絶対に忘れられない。

本当に本当にありがとう。

その2につづく。

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